活動報告・レポート
2014年8月26日(火)
中国訪問団四日目

駆け足で駆け抜けた訪問団としての公式訪問は終わり、帰路につく行程を残すだけになりました。初日から訪問が続きハードな行程となりましたが、訪問の成果があり有意義なものになったと自負しています。

その成果は和歌山県の産品の輸出につながったこと。その産品は何なのかは今ここで明らかにすることはできませんが、手続きを経て秋には成果を発表できると考えています。

また視察団を編成して和歌山県を訪問してくれる約束を取り付けられたこと。幹部から訪問団を派遣することの約束をいただき、また和歌山県側としても中国の中で経済発展が有望な遼寧省と黒龍江省との友好関係構築と経済協力への発展を目指すことは県土発展につながるものであり、何としても取り組みたい課題だと認識しています。今回の訪問団の訪問によって今後の礎ができたと確信しています。

改めて思うことは省の幹部は日本語ができる人が多く、親日的考えの人が多いということです。日本語ができる理由は若い頃に日本に留学をした経験があること、日本の中国大使館で仕事をした経験があること、または日本の県庁に職員派遣として勤務した経験がある人が多いことだと感じました。日本で生活をして日本の文化と歴史を学んだこと、そして日本人と信頼関係を結んでいることから、日本は信頼できる国だと本当に思ってくれていると感じています。省の幹部クラスの多くは日本と友好関係を結び、経済協力を維持したい意向を持っていることが分かった訪問でした。

両国の中央政府の関係は改善される見通しは見えていませんが、社会は生きていますし経済は動いています。政府間の睨み合いが地方との関係や経済に影響を与えてはいけません。特に遼寧省には日本企業が多数進出し、もう生産活動を行っていますし、地元との信頼関係構築に尽力してくれています。

遼寧省においてもそんな日本企業を信頼し、問題が発生した場合の省の窓口を開設し、日本企業の立場で対応してくれていることも知り得ました。遼寧省が開発した工業用地に、直接投資してくれる日本企業の存在なくして経済力の向上はないことを知っています。中国への直接投資額はアメリカと日本が多く、それが信頼につながっているのです。平成25年度の遼寧省と日本の貿易額は約156億米ドルもあり、お互いの経済協力が国の発展の基礎になっていることを知っています。

訪問団を結成してから今日まで、和歌山県産品をどのように売り込むかを議論してきましたが、商品の品質も大切ですが、それと同じぐらいに信頼関係を築くことが大切だと確信しました。顔の見える関係と人間関係を築くことが将来の輸出につながりますし、和歌山県と今回訪問した省との信頼関係につながります。

相手が求めているのは姉妹都市や文化交流などの形式的な調印ではなくて、経済協力と信頼関係の構築にあります。形だけを整えても真の理解はありませんし、経済協力もあり得ません。また民間交流につなげるためには県の存在と支援は不可欠です。それは民意を反映して選ばれた首長や議員が、県としての民意を代表して信頼関係を構築するからです。首長や議員が信頼できる人物であると認識してくれることで民間交流が容易になっていくと思います。

今日、訪問団を結成しての公式訪問を終え、改めて責任を果たせたことにホッとしています。そしてこれからも続く関係の歴史の中に十分な足跡を印せたことに感謝し、経済協力に発展させていくことを新たな使命として考えるようになりました。

大連空港を午後2時15分に出発し、関西空港には午後5時40分に到着しました。携帯電話を切り替えてから留守番電話とメールの対応をしたのは言うまでもありません。