活動報告・レポート
2014年8月24日(日)
中国訪問団二日目
中国訪問団二日目

二日目は大連から新幹線に乗車しハルビンに向かいました。大連からハルビンまで新幹線を利用しての移動時間は約3時間30分です。平均時速は約300kmなので、距離にして約1,000kmにも及びますから、中国の広さを体感できるのに十分な経験です。この移動は東京から広島辺りまで新幹線に乗るようなものです。午前8時30分に新幹線に乗り、ハルビン到着は午前12時過ぎでした。ここから黒龍江省人民政府外事弁公室の皆さんと懇談しました。

ここでも和歌山県の果物と紀州材の輸入、そして観光交流と経済交流を依頼しました。私からは和歌山県産品の取り扱いの他、エネルギー問題について依頼を行いました。その理由は、黒龍江省は化石資源である石油、石炭の産地であるからです。日本のエネルギー需給率は4パーセントであり、96パーセントが輸入に頼っている現状があることから、国土発展のためには化石燃料を長期的に、安定的に、そして安定した価格で調達することが不可欠であることから、黒龍江省の持つ資源に魅力を感じていることを話しました。経済交流の一環としてエネルギーも加えてもらうことを依頼しました。

勿論、中国の経済発展に伴って化石燃料の使用は増加していきますが、日本との経済交流はチャンスでもあります。エネルギー技術で交流できれば、同省で計画している風力発電や太陽光発電などの技術提携も可能ですし、日本への石炭や石油の輸出は省としてのチャンスとなります。日本は中国からの化石燃料調達の割合はそれほど高くありませんから、将来、検討する時期が訪れると思います。日本のエネルギー政策にもよりますが、化石燃料への依存割合が低くなることは考え難いので、日本として安定した資源の調達の観点からも関係を強化したいことを伝えました。

ところで公式訪問についての重みについて話がありました。政府間の話ですが、首長や議員が公式訪問することで、受ける側は相手国や県の民意を受け取ることになると考えます。誰が訪問してくれるのかによって対応もこれからの関係も違ってくるのです。議員団訪問は民意の表れであることから、中国側は重く受け止めてくれています。県議会からの派遣として訪問団を結成していることから和歌山県が本気で経済交流を希望していること、和歌山県産品の輸出を希望していることが伝わりました。

ここまで辿り着くには長い時間を要しています。行って直ぐに「はい分かりました。友好関係を持ちましょう」とはなりません。一回、二回と訪問を重ね、その都度、こちら側の希望を伝え、信頼関係を深めて行きます。信頼関係があることを前提に経済交流や文化交流へと発展していくのです。その信頼関係は数度に亘る訪問、そして和歌山県に来てもらうことを積み重ねて今日に至っています。今回は和歌山県として成果につながることがありましたが、これもこれまでの訪問と交渉の積み重ねの賜物だと考えています。

一日にして突然、友好関係が構築できることや、和歌山県の産品を輸入してもらえることはありません。結果が表れると突然成果が出たように思うため、何度も議員が行く必要はないと思われることもありますが、日本もそうですが中国でも世界の各国でも、人間関係を構築しないことには交流もビジネスも進展しません。全ての基本は人間関係を築くことから始まります。

そして違う国との人間関係は、インターネットや電話で築くことは絶対にできません。何百回連携を取り合ったとしても、顔を合わせないことには信頼関係を得ることは不可能です。今回の公式訪問は具体的に依頼することがあり、しかも水面下で交渉を進めていたことから果実を得られるようになってきました。

今回を機会として、和歌山県と黒龍江省、そして遼寧省との友好関係を深めていきたいと考えています。二日目の訪問と懇談も、和歌山県にとっての成果を得られたことを実感しています。