活動報告・レポート
2014年8月23日(土)
中国訪問団

和歌山県議会県産品海外販路拡大中国北方二省訪問団の一員として、今日から四日間中国を訪問します。訪問団は井出益弘議員、岸本健議員、鈴木大雄議員、そして私の四名の公式訪問です。本日は関西空港から大連へ移動し、大連市旅遊局代表を公式訪問し、その後、大連日本商品展示会幹部としての意見交換会に臨みます。

中国訪問団

午前10時関西空港発の飛行機に乗り、午前11時25分に大連に到着しました。ここで出迎えてくれたのは李さんです。李さんはこれまでも和歌山県と中国三省との間の友好関係のために尽力してくれている中国人です。中国と日本の両国を拠点として活動していて、日本でも20年以上駐在している日本通の方です。

母国である中国と同じように、日本人のような感性の持ち主であることから日本を愛してくれています。

最初の訪問先は大連旅遊局で、同局から李景平局長、副局長などの皆さんが迎えてくれました。ここでは旧知の仲のような歓迎をいただきました。遼寧省の課題は農業発展、森林保護を始めとする環境問題への対応、観光への取り組み、鉱山開発、エネルギー開発などです。エネルギーは風力発電に力を入れていること、鉱山開発は水資源と金属類の発掘などが課題であることを伝えてくれました。また農村部を都市化することも課題であり、省発展のために都市化に向かっているようです。高層ビルの建設、これは商業ビルと住居用ビルの両方の建設が進められています。政策として都市への人口集中を進めているようです。

これらの分野で日本の優れた技術の支援を求めています。また中国で保有している資源や技術で協力できるものがあれば協力し合える関係に発展させたい意思を話してくれました。

参考までに中国の人口は約13億人ですが、その内、農民は約8億人だそうです。農民が大半を占めていますが所得は低く、また戸籍も農民用の戸籍になっていることから転職の自由はないようです。

また日本では中国人のビザの緩和を図っていますが、ビザの緩和条件は一定以上の所得があること、または公務員であることが要件です。観光交流の観点から所得制限を撤廃すればという提言に対して、所得要件を撤廃すると日本に違法で居続ける可能性があるという答えがありました。ビザなしで日本に入国するとそのまま侵入し不法滞在をする人が増えてしまう恐れがあり、治安維持の観点から好ましくないということです。中国は自国民であってもその国民性を知っているので、甘い対応をすると迷惑を掛けてしまうことを知っているのです。ビザの緩和要件の中に一定以上の所得があることを設定しているのは、日本に迷惑を掛けないためだったのです。

観光交流は和歌山県にとっても遼寧省にとっても重点課題ですが、要件を緩和してしまうと低所得の中国人が日本に行くことになり、その結果中国の印象が悪くなることもあるので避けたいことが分かりました。

現在、和歌山県に観光に訪れている観光客がいますが、比較的富裕層でありPET検査を行うなど観光医療を目的とした訪日もあります。和歌山県が観光医療で貢献できているのであれば嬉しいことです。

中国訪問団

遼寧省旅遊局李局長から「政府間は領土問題で緊張感がありますが、地方や民間においては関係のないことで、隣国として大切なパートナーであり経済交流は続けたい」と話してくれました。こんな時こそ地方局同士が交流することは意味があることであり、信頼関係が構築できる機会であることも確認し合いました。

夕方からは中国国際貿易促進委員会大連市分会の張総長、副総長との懇談を行いました。ここでは和歌山県の産品を輸入して欲しいことの依頼を行いました。和歌山県からは紀州材、果実などの産品は品質が良いので、皆さんに歓迎してもらえることを伝え、総長からは輸入の機会を確保するため、平成26年10月に大連で開催する展示会に和歌山県の産品の出展の依頼がありました。ここでは中国全土からバイヤーが集まるため、見本品を出展することで広められる機会になることを話してくれました。

また青森県のリンゴ、鳥取県の梨と同様に和歌山県の梅やミカン、柿や桃などの輸入を認めてもらうことも依頼しました。検疫は中国政府の法律ですが、規制緩和に持っていって欲しいことを伝え、今後の検討課題にしてもらいました。