世界遺産の聖地高野山で紀伊半島三県議会交流会議に参加しました。今回で8回目を数えるこの会議は、三重県、奈良県そして和歌山県の三県で構成している会議体で、紀伊半島の振興のため三県が協力して施策の話し合いを行い、必要な措置に関しては国に要望しています。
今回のテーマは、世界遺産登録10周年を契機とした誘客対策について、特に外国人観光客に対応した環境整備について各県から取り組みをしている施策について報告を行い、それを基にして議論を交わし、報告書をまとめました。
今回で決めたことは、観光地における多言語表示の推進、特区通訳案内士制度の創設、電話通訳サービス、Wi-Fi環境の整備、消費税免税対象品目の拡大に向けた店舗の掘り起こしなどの意見交換を行いました。
三県として提案していく内容は、リピーターが多い地域を対象としたレンタカーによるドライブコースの設定、「吉野・高野・熊野の国」の活用を図ること、Wi-Fi環境の整備を三県で連携して取り組むこと、観光振興に資する三県間道路の整備推進などです。
上記の項目以外に国に対して求めることにしたのは、紀伊半島におけるレンタカールートの整備促進と紀伊半島への外国人観光客の誘客にもつながるリニア中央新幹線の東京と大阪間全線同時着工を整備計画に基づいて実現することについて要望していくことで合意しました。
私からは外国人観光客誘客のためにWi-Fi環境の整備を三県が連携して取り組むことの提案をしました。外国人観光客が求めている必要な施策の第一位がWi-Fi環境の整備です。
Wi-Fi環境が整備されていることが、日本のどの観光地を訪れるのかの目安になっているというデータもあります。近未来ではWi-Fi環境がない観光地は観光地とは言えなくなります。和歌山県では無料Wi-Fiアクセスポイントの名称を決め、ステッカーを統一し、観光関係者に設置を呼び掛けています。
今では外国人観光客は、日本に行ってからWi-Fi環境が整備されているかどうかを確認する時代は過ぎて、Wi-Fi環境が整備されている観光地を事前に調査しておき、そこを訪れるようになっています。三県の観光地ではWi-Fi環境の整備が成されていることを周知しなければ、外国人観光客を呼び込むことはできません。
平成27年度は高野山開創1200年を迎えますから、これまで以上に観光施策に力が入ります。紀の国わかやま国体と高野山開創1200年を迎える年になるので、今から機運を高めていきたいと考えています。
そしてリニア中央新幹線に関しては東京と名古屋間のルートは決定していますが、そこから大阪に向かうルートは未決定です。三重県と奈良県はリニア中央新幹線を県内に引っ張って来たいと考えています。リニア中央新幹線まで京都から大阪まで通すのは鉄道の投資が二重となり経営に響いて行きます。できるのであれ東京と名古屋、名古屋と大阪のニ地点の同時着工が好ましいとの提案がありました。参加した全員が一致し賛成を得たので、進めることを確認しました。
会議終了後境内を案内してもらいましたが、聖地という言葉は高野山のためにあるように感じました。空海が開創してから1199年目を迎えているだけでも凄いことですが、ここでは空海は生きているとされています。そのため午前3時30分から朝食を作り、午前6時頃に朝食を、午前10時には昼食を空海に届けています。ご飯とお味噌汁などを届けていますが、これは空海が62歳で生きたまま滅した時から今日まで続けられています。またお顔を洗うため水をいれた洗面器も届けています。
このように空海は現在もここで修行する僧侶の心に生きていて、真言密教を守り伝えています。私たちが見えない、知らない世界が高野山を聖地にしているのです。
今月の後援会行事はピアノ演奏を楽しむ企画でした。ピアノバーを借り切って落ち着いた雰囲気のある中で木谷さんと宝子さんの演奏を楽しみました。会場のスペースが限られているので午後6時からと午後8時からのニ部制として、参加してくれた皆さんと懇談する時間を楽しみました。
一部、二部とも会場がいっぱいで、皆さんと親しく交流する機会となりました。議会報告は友ヶ島ツアーでのウォーキング講習会の案内、リニア中央新幹線の三重県と奈良県を通るルートに向けた動きなどを説明しました。リニア中央新幹線、そして紀淡海峡大橋から四国新幹線までの第二国土軸につながることができれば、将来の紀伊半島地域の可能性は見えてくることを説明しました。
また県議会議員は県知事、県庁という権限側に立っているのではなくて、同じ和歌山県民であり県民の立場にある存在なので、行政権力に対して歯止めを掛けることや監視機能を持っていること説明しました。県議会議員は県と一緒になって何かをする存在ではなくて県民の意見を提言し、そこに取り入れていく役割を担っているのです。そんな役割を認識してもらえると、県と違って議員は身近な存在であることが分かります。
懇親会は木谷さんと宝子さんのピアノ演奏とトークによって楽しく過ごせました。リクエスト曲も含めてピアノ演奏を間近で聴けて日常生活では味わえない心の栄養を得ることができたと思います。
毎月、何かの形の懇親会を実施することで、県議会議員が身近な存在であることを知ってもらいたいと思っています。