活動報告・レポート
2014年7月17日(木)
半島振興
半島振興
半島振興

和歌山県はわが国最大の半島に位置しています。昭和60年に制定された半島振興法による振興策を実行してきた半島地域は、国土軸の府県に何とか追いつこうとしてきました。この半島振興法は10年の時限立法のため、これまで一度延長しています。平成27年度に再び期限が到来するので、再び延長するよう半島地域振興対策協議会で延長に関する決議を行いました。

半島地域の課題はたくさんありますが、その一部を記載します。

  • 半島循環道路や市町村道の整備は過去よりも進展していますが、半島地域以外と比較すると格差があります。
  • 大災害に備えて道路は必要ですが、迂回路なしの区間が依然と多いこと。
  • 携帯電話サービスの対人口普及率は全国と同等ですが、超高速ブロードバンドの整備は遅れていますし、未整備地域も存在しています。インターネットの普及によってビジネスチャンスが拡大していますが、超高速ブロードバンドがない地域は、地格格差の少ないインターネットビジネスへの参画も遅れることになります。都市部と比較してビジネスチャンスを逃しています。
  • 汚水処理人口普及率は大幅に低い水準にあります。
  • 人口減少が顕著であり高齢化率も高くなっています。若い人の人口減少が続くことによって生産人口割合の減少が続いています。また自然減も増えています。
  • 完全失業率は若年層において全国と格差があります。
  • 農水産業の経営主体の減少と従事者の高齢化が進行しています。
  • 製造業の事業所の全国シェアは低下傾向にあり、商業についても販売額が減少傾向にあります。
  • 観光入込客数は横ばいで推移しています。

以上のような条件不利性があり、課題が未解決のままとなっています。更に今後の展望も厳しいものがあると推測できます。

半島振興
  • 人口減少と高齢化の進展、生産人口の減少が本格的になります。これによって地域内の相互扶助力が低下していくと思われます。
  • 社会資本ストックは高度成長期以降に集中的に整備されていますから、今後は急速に老朽化していきます。施設の長寿命化と既存施設の集約が必要となります。
  • 南海トラフ巨大地震や、地球温暖化に伴う気候変動による風水害や土砂災害が心配されます。主要道路の代替道路が少ないため主要道路の複線化などの課題があります。
  • 地域に人を呼び込む対策を更に強化し、半島地域での労働力の確保が必要となります。

そして今後の半島振興のあり方を考えています。

  • 地域資源を活かした取り組み、産業育成を実行すること。
  • 既存の観光対策と共に、自然環境の保全活動との連携や定住促進対策などの環境整備を行うこと。
  • 道路交通網の整備と情報通信格差を是正すること。全国であるような基礎的な生活条件サービスの提供を可能とする地域の再構築を検討すること。
半島振興

これらの取り組みと社会基盤整備の必要性があり、そのためには国からの支援を受けるための半島振興法を延長させることが絶対に必要です。半島地域を振興することは地方都市に活力を生み出すとこになります。

参考までに、観光設備としてたくさんのお客さんを集めている東京ディズニーランドとユニバーサルスタジオジャパンですが、新しいアトラクションに1億円を投資した場合のお客さんの増加は一年間で5,000人と見込んでいるそうです。1億円を投資して、一年間で5,000人を増加させられますが、半島地域が自主財源で観光施策として毎年1億円を投資することは現実的ではありません。また観光施策の投資を行わないことには、新しい観光客の増加が見込めないという現実があります。

人気を誇る東京ディズニーランドとユニバーサルスタジオジャパンでさえ、毎年のようにお客さんを呼び込むための新しい投資をしているのです。地方都市でそれだけの投資ができることは難しいことです。

そのため平成27年3月末で法期限を迎える半島振興法を延長し必要な資金を確保することで、現在の課題解決とこれからの活性化を目指したいと考えています。

会社訪問

誰でも知っている大手IT会社本社を訪ねました。本社に入って職場を拝見させてもらい、また懇談した中で驚いたことがあります。

  • 従業員が自らの能力を伸ばすために必要な支援が設けられています。社内研修制度が充実していて、社長が校長を務める社内大学の設置、外国語講座、知恵マルシェなどの研修や教育制度が充実しています。選択するのは自分ですから、その気があれば自己を高めることができます。
  • 社長への直接の提言制度があります。新入社員であっても優れた企画があれば、社長に対してプレゼンテーションをすることができます。そこで企画が認められると即決で実現させるために必要な事業資金が提供されます。
  • 職場に机がありますが誰の机とは決まっていません。出社した順に好きな机に座って仕事をすることができます。そのため机に引き出しはなく自分の所有物を置くスペースはありません。
  • 仕事の基本はパソコン・iPadですから完全なレスペーパー化が図られています。データの出力は原則禁止なので職場や机の上に紙はありません。資料の出力が必要であれば部長の承認が必要となります。それだけレスペーパー化が図れ、情報の持ち出しを厳しくしているのです。案内してもらった職場には500人が在籍して仕事をしていますが、パソコン用のプリンターは5台あるだけです。
  • 会議室はユニークで、55分会議用の会議室など時間を制限しアイデアを出すための工夫がされています。

職場の雰囲気は活気があり、若くて活き活きとした感があります。仕事をするのにどこに居ようと、どこに行こうと構わないのですが成果を上げなければなりません。完全実力主義の会社は、こんな雰囲気であることを感じました。

都内の電車の最終電車で帰ることは珍しいことではなく、午前2時や3時の仕事のメールも当たり前のことだそうです。驚くことは午前2時や3時に上司にメールをした場合、即座にメールで返事が返されるそうです。いったい何時に寝ているのでしょうか。そして始発電車で出社しているのですから、体力と気力を持っていることが分かります。

雰囲気としては仕事をやらされているというのではなくて、自分のために仕事をしている。この仕事が好きだから時間に関係なくやっているという感じです。

職場を訪ねたことはとても刺激になり、これだけやればまだまだ伸びるという感覚を得ることができました。この本社の周囲は名だたる一流企業ばかりです。深夜でもオフィスは電気が明々としているそうで、一流企業本社の凄さを感じることができます。この感覚は会社と職場に入ってみないことには分かりません。

貴重な体験をさせてもらいました。