活動報告・レポート
2014年7月12日(土)
高校野球
94歳の絵画
94歳の絵画

大正9年生まれの亀井百合子さん。91歳の時に感動する絵画に出会い、自分も習いたいと思って始めました。「あんな絵を書きたい」と思って、それまで筆を取ったことはありませんでしたが一から習い始めたのです。本当に凄い91歳です。

それから2年余り、一ヶ月に二回、絵画の先生に来てもらって先生と一緒に絵を描くことが楽しみになりました。1回のレッスンは2時間から3時間ですが、没頭していることから、亀井さんも先生も「もう時間が過ぎたの」と思うようなレッスンが続いています。

2年間で作品をたくさん仕上げたので、平成26年9月に和歌山市民会館で個展を開催することになりました。かつて訪れた富士山が大好きなので、富士山を題材にした富士山の四季などの作品を展示する予定です。桜と富士山、紅葉と富士山などの作品を見せてもらいましたが、心が入った素晴らしい作品です。「旅行に行った時の富士山が忘れられないので富士山を描いています」と作品の説明してくれました。まだ習い始めてわずか2年とは思えない出来栄えです。

レッスンは先生が来た時に一緒に描くことを心掛けていました。自己流で練習をすると先生の教えを忘れてしまうと思ったからです。「90歳を過ぎると教えてもらったことを忘れてしまうので、勝手に書かないようにしていました」。その代わりに、テレビドラマを観て、服装や季節を見て、色使いやセンスを磨いてしました。「書かなくても勉強はできます」と話してくれました。

周囲の皆さんにお世話になっているので作品を書くことができていると、周囲の皆さんへの感謝の気持ちを伝えてくれました。亀井さんは、手近な人に手を合わすことを常に思っています。そして「小さな頃は絵を描くことはできませんでした。しかし90歳を超えて絵を描いていることは幸せだと感じています」と話してくれました。幸せな人生がここにあります。

高校野球
高校野球

高校野球夏の甲子園の予選、和歌山大会に応援に行ってきました。快晴そしてとても暑いスタンドに陣取り、お世話になっている高校の応援をしてきました。結果は一回戦敗退でしたが、最後までベストを尽くして戦っていることが分かりました。スタンドにいると選手の全力プレイ、必死さが伝わってきます。応援団も全力で応援しているので、熱い戦いに浸る時間となりました。

三年生の球児にとっては最後の夏です。負けたら高校野球が終わってしまう戦いですから力を残さずに全力でプレイしている心内が伝わってきます。三年生といっても4月から新三年生ですから、まだ4ヶ月目です。三年生の夏は4ヶ月で結果を出さなければならないので厳しい戦いです。ですから高校三年間といっても2年と4ヶ月です。

毎年繰り返されて同じように見える予選大会ですが、毎年、グラウンドに立っている選手は違います。三年前と同じ選手は一人もいないのです。三年間でプレイする選手は全て入れ替わっているところに感動があります。どれだけ頑張っても三年間で結果が出てしまうのです。結果が全てではありませんが、結果を出すために練習を続け、夢の途中で甲子園という最大の夢は突如として終えることになります。明日からも練習が続くように思いますが、もう甲子園を目指した練習をすることはありません。敗退が決まった時の、その切なさや喪失感が伝わってきます。

夢が突然消えてしまうことは味わいたくない感覚です。しかし18歳の夏に多くの球児達は挫折を味わってしまうのです。爽やかさと共に寂しさを感じるような青空が紀三井寺球場に広がります。

そんな選手の戦いに元気をもらって、限られた時間内に全力を尽くすことを再び思い出せるのです。紀三井寺球場には、心の状態をリセットしてくれるような作用があります。

そんな中、元宮崎県日南学園高校の小川監督を紹介してもらいました。故郷、和歌山県に戻って高校野球に関わってくれています。一度は高校野球の監督を引退しようと思ったそうですが、病気で野球ができなくなった友人から「この年でまだ野球をやれることは幸せなことです」という言葉があり、もう一度、高校野球に携わろうと思ったと聞きました。

限られた時間の中で好きなことに関れることは幸せなことです。今年の熱い夏は始まり、そしてもう終わった高校もあります。それでも、もう来年の夏が待っています。選手の夢に別れを告げさせた後に、もまた夢の舞台を整えてくれるのです。夏は厳しいけれども温かい季節です。

選手も応援団も、そしてスタンドで応援した人にとっても、感動の夏の記憶はいつまでも残ります。