活動報告・レポート
2014年5月25日(日)
友ヶ島探訪
地引網
地引網

和歌山市片男波で地引網イベントがあり参加しました。参加者は約200名で、快晴の海を楽しみました。主催者が挨拶した後に私も挨拶の機会をいただきました。和歌山市の海も人も夏に向かって動き始めています。

友ヶ島探訪
友ヶ島探訪

和歌山市にあるけれど中々行く機会がない島が友ヶ島です。本日は観光ガイド和歌山の松浦光次郎さんの案内で友ヶ島ツアーに行ってきました。率直な感想ですが、友ヶ島は本当に素晴らしく参加して良かったと思っています。

友ヶ島には最初から驚いたことがあります。加太から友ヶ島行きの船は満員で、しかも若い人が多かったことです。こんなにたくさんの人が友ヶ島を訪れているとは知りませんでした。報道などで、歴史の舞台であり第二次世界大戦前後の遺跡が残る島として脚光を浴びていると聞いていますが、本当に凄い人でした。正確な数字は分かりませんが、和歌山県外から来ている人が多いように感じました。

友ヶ島探訪

私達のツアーは松浦さんが島の案内をしてくれたので島の歴史と自然が良く分かりました。案内書は松浦さんの著書である『紀淡海峡に浮かぶ「友ヶ島」』で、現場に立つと更にこの冊子の良さが分かります。分かり易い口調で写真が豊富なので、現地の様子と合致するのです。そこに松浦さんの解説が入りますから楽しみながら学習することができました。

一緒に参加した方からも「丁寧な説明で分かり易い」、「本と説明内容が合致しているので自然と頭に入ります」などの感想を聞かせてもらいました。

今日の行程は徒歩で約15,000歩だったことを教えてもらいました。楽しみながら運動をしているような感じです。

友ヶ島探訪

この中で旧海軍聴音所を案内してもらったのですが、とても印象に残りました。太平洋から紀伊水道を北上する敵艦隊を侵入させないように監視していた機関です。この聴音所の調査をするために、戦時中、ここで勤務していた旧海軍の石本弘さんを訪ねて話を聞いてきたことを知りました。松浦さんは現場を歩き、専門書を読み、そして当時を知る人と会いインタビューをしているのです。この一つの出来事だけでも『紀淡海峡に浮かぶ「友ヶ島」』の出来栄えが分かりますし、内容の深さを感じます。インタビューをしたから表現できている文面があり、そのことは自信をもって解説できるのです。

友ヶ島探訪

海中に機雷が設置されていたのですが、海峡を通る船のスクリュー音を聴くことが毎日の仕事だったようです。続けて、「時には魚が鳴く声『キュッ、キュッ』という声も聴こえた」ことも話してくれました。当時の体験を語るためには、当時の人の話を聞いておく必要があります。この説明は特に奥行きがあり感動的でした。

石本さんは枚方市在住だったことから、松浦さんは枚方市を訪ねています。平成の時代になって石本さんは友ヶ島を訪れたことがあり、その時のことも語ってくれました。戦争中の様子はなく、聴音所に行くと火災の跡があり、当時の面影がないことを嘆いていたようです。また落書きがたくさん書かれていて、命を賭して日本を守った自分達の誇りを汚されていることを悲しんだと聞かせてくれました。

友ヶ島探訪

歴史的建造物には当時のドラマが宿っています。そのことを知らずに後世の人が好き勝手に扱うことはいけないことです。そこで勤務した人や思いを馳せた人の魂が宿っていると思うからです。

松浦さんの素晴らしい案内によって、友ヶ島を短時間で楽しく深く探訪することができました。この地は和歌山市にとっての素晴らしい観光資源だと思います。これまでは年間約2万人の方が訪れていましたが、平成25年は約3万5千人の方が訪れているように、人気は高まっています。このペースで推移すると平成26年は4万人の方が訪れることになりそうです。しかも県外から若い人達が来てくれるのですから嬉しいことです。

友ヶ島探訪

松浦さんが友ヶ島に魅力を感じ、研究するようになって10年以上が経過しています。見向きもされない時代があり、そして脚光を浴びる今があるのです。10年以上積み重ねた知識と体験を伝えてくれました。秋にも友ヶ島ツアーを開催したいと話し合って、案内を終えました。健康的で充実した楽しい一日となりました。