活動報告・レポート
2014年5月20日(火)
北京外国語大学視察三日目

外国語教育を離れた分野について意見交換を行いました。中国の経済成長は続いています。報道ではバブルが崩壊する寸前だとか言われることがありますが、そんなことはないようです。13億人の人口を抱えていて、世界有数のレベルにある北京大学、精華大学、北京外国語大学などを要して常に人材を輩出しています。しかも外国人留学生を受け入れて高い教育を行うと共に中国人との交友関係を築いています。単純計算ですが日本の13倍の人口がいるということは東京大学レベルの人が13倍もいることになります。そんな人材が国と社会を支えているのですから、簡単に経済成長を止まらせるようなことはしないと思います。バブルの歴史や日本のバブルとデフレなどへの対策を勉強していますから、簡単に崩れることはありません。金融機関の金利も高いし土地価格も上昇しています。法律は経済発展を支援していますし、人材教育では学生の受け入れと米国への派遣など、将来に向けての投資を行っています。

ただ都市と周辺部の格差は更に拡大しているように、経済格差は大きな問題になっています。ただ日本のように全て平等主義ではないため伸びるところは伸ばすことを方針としています。トップランナーをつくることでリードしていことしているのです。

北京外国語大学視察三日目

都市が直面する大きな問題としてPM2.5があります。訪問した三日間の空は青空でしたが、北京は曇り空が多く、霞がかっている時はマスクを着用しなければ街に出られないそうです。PM2.5は複合的な原因で生み出されているものなので、解決するとこは簡単ではないのです。中国政府は一気に解決することは難しいと認識しているため、個別の原因に仕分けをして対策を講じようとしています。自動車への対策、工場からの排出物の制限、環境規制など個別に原因を押さえようとしているのです。

自動車はガソリン車から天然ガス自動車への変更を方針としています。発電所は原油や石炭からLNGや原子力に切り替えを行う計画です。2017年までにエネルギーの総消費量に占める石炭の割合を65パーセント以下に引き下げます。エネルギー源の転換をしようとエネルギーの構造の調整を急いでいます。環境問題を放置しているのではなくて、現在は環境問題への関心が高くなっていることを知ることができました。

またストレスも問題になっています。都市部のストレスを解消するためにお茶が流行しています。中国のお茶を提供するサービスが増えているのです。日本の喫茶店のようなスタイルのもので、コーヒーではなくてお茶を提供してくれるのです。お茶はストレス解消、血圧を抑えたり糖尿や肥満防止などの効果があるものがあり、お客さんが求める効用のものを提供してくれるのです。

ある会社の社長室に案内されておもてなしを受けたのですが、ここでも中国式のお茶を提供してくれました。コーヒーやジュースは何杯も飲めませんがお茶なら何杯でもお代わりできます。お茶の時間をビジネスの打ち合わせの場として活用している経営者も多くいて、約2時間お茶を飲みながら交渉を行うこともあるそうです。この会社の経営者も自らお茶で接待してくれたように、最近の若い経営者はお茶によってリラックスとビジネスの機会にしているようです。

北京外国語大学視察三日目

三日間を総括すると、今回は北京首都国際空港から北京外国語大学に入り、一社の会社訪問と関連したお茶の施設を視察しただけでそれ以外の場所に行くことはありませんでした。短時間でしたが外国語教育の真髄を学ぶ機会になったと感じています。また複数人の経営者と懇談する時間を確保できたので、日本との関係やビジネスの知識や技術レベルなどを知ることもできました。中でも環境とエネルギーは大きなテーマで解決すべき課題が残されています。同じ問題を抱えている日本と連携できる部分があると感じました。

決して中国のレベルは低くなく、場合によっては日本を超えているものもあります。「現代の技術で中国にないものはない」という話がありましたが、日本だけが技術大国でない時代に突入していることも知り外交をすべきです。また日本が思っている以上に米中は接近しており、日本にとって外交は生き抜くための生命線とも言えます。

多くの学びを得たことはこれからの活動、そして生き方にも影響を与えるものになったと感じています。午後9時前に関西空港に到着し、明日からの活動に備えています。