今朝7時30分に関西空港に到着し北京へと向かいました。午前11時55分に北京首都国際空港に到着し、そのまま北京外国語大学へと向かいました。同大学は天安門を西に過ぎてから40分位の場所にあります。北京大学や精華大学も近くにあり、国立大学が集まった地域にあります。
中国の外国語教育に関してはナンバーワンのレベルの大学で、世界各国から留学生が学びに来ています。教育レベルは日本でいうと東京大学並みで、優秀な学生が集まり高いレベルの教育を受けています。大学内に入り教室や寮、その他の施設などを拝見し、話を伺いました。参考になる点を記述します。
高いレベルの外国語教育になっているのは、中国に学び来るというスタンスではなくて世界の国の学生が学んでいる中に入るという感覚があることです。中国に留学するのですが教室内は中国人と外国人に分けています。中国語のレベルが違うので同じクラスではなくて、最初は外国人クラスの中で学びます。原則、一クラスには一つの国から一人だけなので、同じ国の学生がクラスメイトにならないようにしています。そのため教室は日本人、韓国人、フランス人、イタリア人などの国の学生で占められています。
教室内の公用語は中国語ですが、補完言語は英語なので英語はそれぞれの国の学生間の共通語となります。中国語と英語で授業が進められるので。最低限英語ができないと授業についていくことはできません。勿論、北京外国語大学に入学するような生徒は、英語はできますし中国語も自国で基礎は学んできています。ですが母国語と英語はできて当たり前なので、英語は共通語という認識で外国語には分類されていません。外国語ができると言うには、母国語英語以外の言葉が話せて外国語ができるとなります。
さて授業は毎日宿題が出され、翌日の授業で発表することになっています。中国語を短期間で学ぶために宿題は毎日出され、自分で身に付ける努力をさせています。教えてもらうのではなくて自ら学び取る意識と姿勢を持たせているのです。金曜日になると土曜日と日曜日を挟むため宿題の量は増やされます。兎に角、外国語を習得するには学習時間と自己の努力を求めています。時間×努力の量が外国語を習得する公式です。
また短期間にマスターするための制度として、ランゲージ・パートナー制度を設けています。例えばイタリア人と日本人がペアになり、イタリア人は日本人から日本語を教えてもらい、日本人はイタリア人からイタリア語を教えてもらう制度です。これによってコミュニケーションを図り言葉を覚えられることになります。中国人と日本人がランゲージ・パートナーになると中国語と日本語を覚えることに役立ちます。
このように各国の学生がパートナーを組むことによって、数ヶ国語を同時に学んでいく環境を設けています。また留学生は寮生活ですから、寮生活を通じて仲良くなり外国語を習得していく環境が与えられています。学生の一人に聞くと「外国語は環境です。この大学では学べる環境の中に身を置いているので比較的早く上達します。自分から環境の中に飛び込むことで学習効果がでると思います」と話してくれました。
寮の公用語は中国語、懇親会などでは英語が入り、その後、各国の言葉が飛び交うようになるそうです。
また留学前の学習についても聞き取りました。毎日、4時間から5時間は中国語の勉強をして留学しています。全く白紙の状態で留学できるような甘いものではなく、基礎レベルに実力を引き上げてから中国に来ています。日本人学生の特徴ですが、短期留学制度を活用して集団で短期留学している生徒がいますが、外国人との交流機会が少ないため中国語ができない生徒がいるようです。3年在籍していても、三ヶ月真剣に外国人クラスで勉強をしている生徒と同じレベルの人もいるように、日本人が多い特別クラスに留学しても語学教育には適さないようです。