伊丹空港から松山空港に入り、そこから伊方発電所に移動して視察を行いました。空路約1時間、車での移動が約1時間40分で伊方に到着しました。午前11時から12時まで伊方ビジターハウスで現状の説明を受け、午後からは発電所構内に入構し見学させてもらいました。四国電力の伊方発電所三号機は現在停止中で再稼動に向けての審査を申請中の段階です。発電所近くに活断層が通っていないことから最も再稼動が早いのではないかと言われていたのですが、発電所の北側を通る中央構造線も考慮すべきという審査委員会からの指摘があり、その揺れが発生した場合の地震動のエネルギーに備えた対策を実施しているところでした。従って審査委員会からの指摘に対応している段階で、まだ対策途中ということになります。
伊方発電所では審査委員会の指摘に基づいた対策を実施していく方針で、電力の安定供給のために早期稼動を目指しています。
ところで四国電力の企業スローガンは「しあわせのチカラになりたい」というもので、言葉にとても温かみがあり温かい家庭の様子が浮かんでくる素敵なものです。2年位前に四国電力千葉社長のインタビュー記事を読んだことがあり、その時に素敵なスローガンだと思ったのですが、今回の説明の最後にこの「しあわせのチカラになりたい」という言葉を見て、改めて四国電力の企業姿勢を感じることができました。言葉のチカラは偉大で、言葉によって私達の心が優しくもなり温かくもなります。こんな素敵なスローガンを掲げお客さんに接している企業ですから、きっと企業姿勢は理解される時が訪れると思います。
それを示すように伊方発電所の士気が低下していない要因を話してくれました。小さなことを続ける気風があることです。朝の挨拶をすることや、議論を交わした後は意見を合わせることなど職場の人間関係が良好なので厳しい環境にあっても士気を保っているようです。日常当たり前に行っていることを普段と変わらずに実行すること、小さな行為を大切にすることが大切だと気付かされました。
伊方発電所からは、人は何もすることがないことが一番辛いことだと話してくれましたが、社会的役割を果すという強い使命を持ち、再稼動に必要な改修と日常点検を行う姿が見えました。ただ平成26年の夏の電力予備率は5パーセントに過ぎないので、もし火力発電所でトラブルが発生すればこの予備力は消えてしまいます。四国電力の予備率の5パーセントは約35万kWとなっています。火力発電所一基が止まると電力が不足する事態になる数字ですから、今から緊張した夏に備えています。
また四国は大企業が少ないことから四国から外に出て行く若い人が多く、地元に留まってもらうことが課題になっているようです。四国の特徴として長男長女が地元に残り家業を継いだり地元企業で働いたりしています。伊方発電所も地元採用が大半ですから、地元で働く機会を提供している職場だと言えます。地方都市にとって大企業の雇用が地域に貢献していることを感じることができます。
伊方発電所視察を終えた後、愛媛県議会議員の玉井敏久議員からの議会報告と懇談の研修に入りました。玉井議員は愛媛県西条高校の卒業生で野球部OBです。スポーツマンらしく考えるよりも行動するタイプで、議会における実行力のある取り組みを話してくれました。
議員の仕事のひとつに、人と人をつなぐことでそれぞれの力を融合させることがあります。情報イコール信頼という話がありましたが、情報を必要としている人や部署に情報の漏れがないように心掛けているようです。情報の発信漏れは信頼を失うことにもつながる恐れがあり、必要な人に対しては漏れのないようにしていることを聞かせてもらいました。そして情報はインパクトとタイミングが大切で、言い換えると重要性と把握する速度と伝える速度です。これらを大切にして行動していることが伝わってきました。
玉井議員と有意義な懇談時間を過ごせたことに感謝しています。