経営者と法律家を初めとする皆さんとの時間をいただくことができました。一流の人と過ごす時間は学ぶことばかりで貴重な時間です。学問は大事ですが、それと共にマスターとも言える人との会話や仕事の進め方に学ぶことはたくさんあります。
物事を進めるには、現状を調査し問題点を把握し、それが解決できる方法を推理していきます。推理は想像ではなくてある程度確かな根拠に基づいて推理していきますから、安全で確実な道を見つけ出すことができます。経験は勿論のこと、経営や法律の知識だけではなくて建築やサービス業の運営などの知識も持ち合わせて、各方面から置かれた状況と将来性を推理していきます。事業の先行きの見通しも建築物と同じで、基礎をしっかりと固めてから進めると、地上階での揺らぎ押さえられます。
推理していく中で問題の所在を見つけ、それに対処する方法を探していく手順は見事です。方法を見つけることができたら、それを実行するために必要な金額に換算していきます。それが事業を進めるために必要なことで、投資するよりも必要な資金が多ければ決して関ることはしません。投資額よりも得られる利益の方が大きければ検討の余地があるのですが、そこに心も入っています。事業には人が関わりますから、問題の所在には関係のない人に迷惑を掛けないことを心掛けて、なるべくソフトランディングさせることを追及していきます。この手順の見事さは、他に探すことはできない経験と知識、そしてノウハウです。
事業は収益を上げることが命題で、収益を上げられない事業家は身体を縛られて自由を奪われているのに、それでも動かそうとバタバタさせているようなもので、何の影響力もありません。収益を上げて活動できると考えるべきものです。そのために必要な能力は計算力で、それも人が動くことによって必要な経費を即座に計算できる力です。そしてその事業規模は、業界の一般的な適正規模と比較して大きいのか小さいのかで利益計算ができます。事業規模が小さければ利益はできませんし、大きすぎても経費が増大しますから、適正規模より少し大きなスケールを持っていることや固定費が抑えられていることなども事業を計る際の目安となります。
一流同士の高い水準の議論の傍にいるだけで勉強になります。現状把握とどう進めたら利益が出せるかの推理、そして必要な資金の計算とスピード感を持って関る場合の期限を決めることが流れの中で必要です。この流れが滞ると関っても誰も得になることはありませんから参入しないことです。
もしこの流れができるなら検討の余地がでてきます。その場合は信頼できるメンバーとの協同作業になります。役割を決めてから、スピード感を持って仕事に着手するのです。現状のままでは事業が行き詰ると推理した場合、核心部分に入る前に必要な作業を行い、解決に向けての環境を整えてから一気に行動します。いきなり最終回を迎えた場合、どんな人が関っても解決することはできないのです。やはり物事には初回があり中盤があり、そして最終回があります。途中を割愛して、最終回だけで問題を解決できることはありません。早い段階からの相談や協力によって問題は解決できるのです。
最終回だけで問題を解決しようとすることは、サッカーで言うなら、ゴールキーパーだけが自陣の守りをしているようなものですから、どんな名キーパーがいても相手の攻撃を防ぐことはできません。ディフェンスと共にキーパーがいることで相手の攻撃から自陣を守りきれるのと同じです。
一流の人の先を見通す力はとても大きくて、見通す力のイメージとしては安全に、より遠くまで行ける、そして着地点が見えているような感覚です。見通せる力は大きな武器になります。