活動報告・レポート
2014年4月16日(水)
経済対策
経済対策

ソーラーパネルの製造機器を作っている会社があります。ソーラーパネルの需要は伸びているのですが、価格が下がっていることから利益が出なくなっています。価格で優位に立っている台湾製品や中国製品に押されているため、ソーラーパネルの製造機器の工場にも影響が出ています。国内のソーラーメーカーも製造は海外に拠点を移しているので、国内市場は冷え込んでいます。

活況があると思っているソーラー市場がそんな状況であることから、和歌山市内の経営者と経済について話し合いました。景気が回復していると言うけれども「和歌山市内ではそんな波は来ていない」という見解でした。年度末から相当仕事は増えているのですが、請負単価は上昇していないので物価上昇分を差し引くと、利益はむしろ少なくなっているようです。従業員さんは時間外の仕事が増えているのですが、忙しさと比例した賃金になっていないのです。「これだけ働いているのに給料が増えない」と不満の声がありますが、利益が出ていないので給料に反映できない経営実態であると話してくれました。

「和歌山県は災害への備えなどの話をしています。確かにそれも大事ですが、和歌山県に必要なことは経済対策につきます」と言い切っています。

まず県内経済を回復させることが波及効果を生み出します。県外資本の工場が事業撤退することで県内雇用が失われる事態も出ていますから、経済の回復と雇用が確保されることが和歌山県で最大の課題です。

県内企業が利益を上げること、それに伴って給料を上昇させることが目指すべきことです。経営者は利益を生み出さなければ、政府や和歌山県からどれだけ依頼があっても給料を増やすことはできせん。仕事は忙しいけれども、利益は薄く経費は高くなっていることから給料に変化はないという状況が続いていると聞かせてもらいました。

「和歌山県の最大の課題は経済対策です」という経営者の言葉が響いています。

技術の進歩

自動車関係の方と話し合いました。自動車の技術はF1の技術と共に進歩してきた歴史があると聞きました。F1で試された技術が一般車両の技術に展開されているようです。今では当たり前すぎてカタログにも書かれていないパワーステアリングもF1に搭載された技術だと聞かせてもらいました。最高レベルの場所で競い合うことが技術を高めることにつながっています。F1に技術を送り込むことで技術は進歩していく実態もありますから、F1から撤退した場合、企業としての費用削減につながりますが、技術の進歩という企業にとって大切な価値も失われることになります。現在の利益を優先させることで将来の価値を失うことはもったいないことです。

同じことがオートクチュールでも言えます。パリコレクションを目指したデザインがあるので市場で販売される衣服のデザインが進化していくのです。ファッションショーで着衣する衣服は街中で着ることはありませんが、パリコレなどで好評を得た衣服の流行を取り入れたものが、その次のシーズンに販売される衣服になります。

常に世界最高レベルの場所で技術やファッションは進歩していくようです。芸術でもスポーツ、そしてビジネスでも同じことが言えます。世界で競い合うことでレベルは高められます。競争のないところに進歩はありません。

自動車の話を聞かせてもらいましたが、レベルの高い場所での競争によって進歩するという法則は、どの分野にも当てはまることだと感じました。

政策制度セミナー
政策制度セミナー

第三回政策制度セミナーにお招きをいただき、議会活動の報告を中心に和歌山県の経済対策、輝くまちづくり、防災、安心と安全な暮らしについて説明を行いました。毎回、講師としてお招きをいただき講演させてもらっているのですが、とても熱心に聞いてくれますし、関心を示してくれていることが分かるので、やりがいを持って説明できています。今回は午後6時30分から午後7時40分までの70分間、議題に沿って説明を行いました。

議会の質疑の中で取り上げた項目は、平成26年2月議会での都市空間の再構築戦略についてと海洋再生エネルギーのふたつです。和歌山市中心市街地を再生する必要性と将来計画、そして海洋再生エネルギーの中でメタンハイドレードと海流発電の取り組みが成功すれば資源産業が和歌山県に誕生することになり、経済も雇用も活性化することを説明しました。実験を開始して10年後を目標に、実用化とそれ以降の新しい産業の実現を目指すことにしています。和歌山県が輝くまちになるためには経済対策と雇用の確保が必要ですが、それを両立させられる可能性を秘めた取り組みが資源産業なのです。

政策制度セミナー

また安心と安全の政策と未来の投資について主な施策について説明を行いました。和歌山南スマートインターチェンジと海草振興局建設部の移転、東牟婁振興局串本建設部の高台への移転、がん対策への取り組みと都市再生の考え方などを取り上げました。

質問も複数頂戴しました。JR紀勢線は利用するには不便なので、運行本数と列車の速度のスピードアップなどの要望をいただきました。またJR和歌山駅前の再開発は賛成で、マンションや交流施設の早期完成を期待していることを伝えてくれました。

参加して熱心に聞いてくれた約50名の皆さんに感謝しています。政策制度について少しでもお役に立てたなら幸いです。

その他
  • 5月の議会報告会などの日程の調整を行いました。新宮市や串本町などにも出掛けて、当該地域の課題を聞かせてもらう予定です。
  • 介護用のおむつについて話を聞かせてもらいました。日本製のおむつは吸収力、肌触り、扱いやすさなどの面から世界で一番の品質を保っているようです。日本以外の国で介護用のおむつの市場は確立されていないようですが、高齢化が進展していく中で新たな需要が生まれていくことを聞かせてもらいました。