和歌山県下の公立小学校が春休みに入った初日。先月から計画していた社会見学会に参加しました。小学生の子どもと保護者、そして子ども達のスポーツ指導者の皆さんと共に、御坊市と川辺町を訪れました。子ども達は御坊市にある新エネルギーについて学べるEEパークと火力発電所の御坊発電所、そしてかわべ天文台の三箇所を訪ね、社会勉強をしてきました。
子ども達は、自分が関心のあることに対して夢中になります。エネルギーのことも宇宙のことも、熱心に学んでくれました。大人は知っている知識があるので、時間をもてあますことがありますが、子ども達は新しい知識をどんどん吸収していきます。一緒の場所で学びの機会を得ることで、大人と子どもの時間の流れの違いを感じることができました。それは集中していると時間の流れは短く感じ、全てに集中していなければ長く感じるということです。子ども達の好奇心の旺盛さは見学施設の説明者に対する質問で分かります。
「プラネタリウムは真ん中では無くて後ろの席の方が見やすいですよ」。
「どうして」。
「真ん中の席は後部に背もたれが倒れるので眠たくなるよ」。
「僕はならないから大丈夫」。
「暗くなると人は眠くなるから」。
「人は暗くても眠くならないよ。僕は眠くならないから」。
というように、説明したことに対して疑問を投げ掛けていきます。説明者は次々に説明して行きますが、子ども達の好奇心は尽きないのです。最後に「会場に入って眠くならないかどうか試してみよう」と誘導することになりました。何気ない会話を聴いていると、説明者の根気良さが子ども達の学習を支え、伸ばしていることに気付きました。短気で人を育てることよりも、気長に疑問を引き出し回答していくことが成長を支えていると思います。子どもの言うことを否定してしまうと、子どもは次の質問をしなくなります。周囲の大人の果す役割はとても大事なのです。
同行してくれたスポーツの指導者の人に聞きました。子ども達に指導していることは基本だということです。それは挨拶ができること。感謝の気持ちを持つことだそうです。社会見学に際して子ども達は、「よろしくお願いいたします」と「ありがとうございました」の挨拶をしてくれました。
挨拶をすることが人間関係の基本であり、今日の社会見学に連れて行ってくれていることへの感謝の気持ちを持つことが大切であることも教えているようです。子どもの間に、当たり前のことは当たり前にできることを身に付けて欲しいものです。
挨拶をすることと感謝の気持ちを持つこと。子どもに教えていることは、当然、大人ができている必要があります。子ども達に教えることは、自分の日常の心構えを再確認することでもあります。凡時徹底することが習慣になっていきます。子ども達には、意識しなくても自然に挨拶ができるように、自然と感謝の気持ちを感じるような大人になって欲しいと願っています。
人との信頼関係を築けていることで人の意見を聞くことができます。信頼関係が構築できていない人が、立場上話を聞いたとしても、本音は話しませんし解決には結びつきません。人の話を聴くためには、信頼関係を作り上げてからでないとその役割を果すことはできないのです。自分に置き換えると良く分かります。余り知らない人に大切な相談をすることはありません。聞いてもらえる人は信頼できる人であり、信頼できない人に相談することはないのです。
ビジネスでもプライベートでも全く同じ、こんなことを話し合いました。