活動報告・レポート
2014年3月8日(土)
教育談義
事務所清掃

午前中は、お手伝いをいただき事務所の清掃を行いました。清掃してから一年も経過すると、資料が山積みになるなど必要な書類と今はそうでないものがあります。それらを分類して処分するなど行いました。

教育談義

高校や大学の教育について意見交換を行いました。今回は中国の公教育との比較をしてみました。中国は一人っ子政策を取っていますから、子どもの教育には熱心ですし、教育への投資をしています。将来の国を支える子どもへの教育は、最重要課題としての位置づけです。以下お伝えする話の内容にある大学のレベルは、最上級レベルの大学を意味しています。

中国の子どもは英語ができるのが当たり前だそうです。「外国語はできるか」という質問に対して「英語ができます」と答える子どもはいません。その理由は、英語は世界標準語であり、いわば自国語なので外国語にはならないそうです。従って「外国語はできますか」という質問に対しては、「ドイツ語ができます」だとか「フランス語は話せます」という答えになります。今や中国では三ヶ国語以上話せることが人材として求められています。

英語は自国語なので武器にはなりませんが、それ以外の外国語ができると世界で戦える武器になります。ビジネスや政治力で世界を目指していますから、三ヶ国語できることが活躍できる人材の条件となっています。

世界を目指していることを保護者も子どもも理解しているので公教育は厳しくて保護者が学校教育に口出しすることはありません。保護者が学校に行く時は、子どもが悪いことをして謝りに行く時です。日本のように保護者が学校に文句を言うために行くことはありません。

授業は厳しく試験を繰り返していますし、遊ぶような授業はありません。「日本の大学生は勉強していないから意味ないですよ。アルバイト、ゲームなどの遊びをしているので授業中は寝ていたりしていますが、中国ではそんな光景はありません」と話してくれました。

ですから中国の優秀な生徒が留学するのは、男子ならアメリカ、女子ならイギリスが多いそうです。「日本の教育レベルは落ちています。本気で勉強しなければ駄目です。子どもの自由を認めすぎていることや、一時期のようにゆとりある教育などと言っていると将来はありません。日本の子どもに覇気がないでしょう。中国の子どもは優秀ですよ」と続けてくれました。

その自負は世界の5人に1人が中国語を話せる現実があります。中国語ができることが、世界でビジネスをするめたに必要条件になっているのです。世界で日本語が使えるビジネスの機会は少なく、日本語で取引できるその市場も小さいと思うべきです。外国語力が世界の市場を制する武器になっているのが現実ですから、本気で英語と中国語を学ぶことが必要だと思います。

もうひとつ中国の教育で素晴らしいことがあります。高校生は目標を持って勉強しているということです。目指すべきものがあるので、どの大学に進学するかを考えて勉強しています。外交官を目指すのか、資源産業を目指すのか、公務員を目指すのか、学者になるのか、政治家になるのか、高校生になれば目標を持って明確に将来を意識しています。

何も目標を持っていなければふらふらして一年を過ごすことになります。あっという間に一年は過ぎてしまい、またその次の一年も何もしないで過ぎていく。そんな生活を過ごすことは無駄な時間であることを伝えてくれました。「そんな生活をする人は少ないと思いますよ」と言うと、「日本の高校生や大学生を見て下さい。中国の生徒と将来を目指す力と勉強する姿勢の本気度が違いますよ」と答えてくれました。

教育は国を形作る根幹部分です。教育で劣後していることは、将来生じるであろう国力の差を意味しています。目指しているのは「日本ではなくてアメリカ」のようです。

中国には本気で勉強する環境があり、世界で戦う環境があるようです。そのためヨーロッパやアメリカから中国に留学してくる学生が多くなっています。教育のレベルの差と甘さを教えられたように思います。

「子どもを自由にさせたら駄目。上に向いて才能を伸ばすためには厳しく教育しなければいけません。自由にしておいたら枝は横に向いて生えますし大きく育ちません。上に伸ばす教育が必要です」という言葉で、今日の教育談義を締め括ります。