活動報告・レポート
2014年2月2日(日)
侍フラメンコ
絵手紙展
絵手紙展

今年も絵手紙展に行ってきました。展示会場には新しく制作された作品が並んでいました。絵手紙の楽しさは葉書大の大きさの紙に、好きな絵と好きな言葉を書き込み、そのイメージが合っていることにあります。絵と言葉がしっかりマッチしているので安心感があり、教訓にもなっています。

朝顔の花の絵に対しては「一日一生朝の顔が大事」。今年の干支の馬がゴルフをしている絵に対しては「アイアンのターフの後に春の芽が」という言葉を添えています。とても楽しく拝見できます。季節感のある絵、人生訓になるような言葉が並んでいて、作者の生き方や感じ方などが分かります。

絵手紙展

そして和歌山電鐵貴志川線では絵手紙列車を運行しています。期間は平成26年2月1日から4月6日までで、電車一編成のスペース全面を使用して、絵手紙を展示して列車は走っています。

アイデアたっぷりの貴志川線ですが、今回は絵手紙列車を走らせてくれているのですから実に楽しい企画です。貴志川線は地域になくてはならない列車ですから、沿線の皆さんを中心に列車に乗車して存続してもらう運動を続けていますが、採算分岐点となる年間250万人を達成するためにも、この絵手紙列車に乗車して車内を楽しみたいものです。

貴志川線の素晴らしいところは列車に乗る目的を拡大したことです。通常、列車に乗るのは行き先があり、その移動手段として利用することにあります。貴志川から和歌山市まで買い物に行くので乗車することや、通勤や通学を目的として利用しています。

ところが貴志川線は、列車を楽しい乗り物に変えてしまいました。いちご電車やおもちゃ電車、そしてたま電車などを運行させることで、列車に乗ることを目的にしてしまったのです。列車に乗り、往復する列車の時間を楽しくすることで、買い物や仕事などの目的がなくても乗車する人を増やしています。貴志駅にいるたま駅長に会うことを目的としたお客さんが他府県から訪れているように、列車が楽しいものであることを全国に伝えてくれています。

そんな貴志川線の新企画は絵手紙列車ですから、和歌山市民の一人として楽しいみたいと思います。

このように絵手紙から楽しさが湧き出しています。作者も鑑賞する人も楽しい絵手紙展だと思います。

侍フラメンコ
侍フラメンコ

和歌山市民会館でサムライフラメンコが開演されました。和のフラメンコを創作し続けている森久美子先生が、紀州藩主で八代将軍徳川吉宗を題材として侍フラメンコとして仕上げてくれました。

時代絵巻をフラメンコで取り上げるという発想と、それを実現する難しさがあったと思いますが、拍手が溢れる見事な舞台となりました。参加した方と話をしたところ、「迫力があり本当に見応えがあった」、「絵巻のような美しさがありました」などの感想を聞かせてくれました。

大奥での陰謀や権力を争う人達の内面の戦いを、フラメンコの踊りで表現してくれました。向き合う強い視線、身体から溢れる自分が権力を得ようとするオーラは観客席にいても感じることができました。権力者を取り巻く大奥の女性の怪しい心の炎も踊りの中から見え、実際の社会でも相手の内心の炎が見えると楽しくなると思う程でした。踊りは内面を表現してくれるので、権力争いがとても理解し易いのです。実社会では内心は表面に出すと負けなので相手の考えは分からないのですが、舞台ではそれが表現されているので楽しいのです。それはフラメンコの踊りの後ろ姿に、内心を伝えるオーラが発生しているように見えるのです。

吉宗公は、大奥や権力者の将軍の地位を争う静かな戦いの中から選ばれたことをストーリー化していました。人にとって運というものがどれだけ大切なものであるかを感じることができます。見えないところでの力加減が、それに関わる人の運を決定していくのです。

フラメンコは人の苦悩や悲しみ、喜びなどを表現しています。どんな時代であっても人は自分の感情と共にあります。感情をとても上手く表現することのできるフラメンコは、日本の歴史の中にある人間ドラマを表現するのに適しているように感じました。

またひとつ、和のフラメンコの魅力を発見したように思います。