活動報告・レポート
2014年1月31日(金)
東京出張二日目

東北再生に向けた取り組みについて議論を行いました。多くの支援を継続していますが、依然として東北は復興途上にあり、中でも福島県の復興は課題になっています。放射能汚染地域の土壌改良ができていないので、思うような復興が進んでいない現状をうかがいました。エネルギーを創出することや地球環境保全、省エネルギーに資する産業などが有望なようですが、まだ取り組み途上にあります。これらが産業として具体化していくのはこれからのことだと感じました。

また昨日から東北に入って支援のための話し合いをしている方と、復興支援策についての話を交わしました。農産物の水耕栽培や再生可能エネルギーなどの支援が有効だと考えて計画を進めているようです。

もうひとつのテーマが円安の影響についてのことです。現在、円安で原材料費が高騰していることからから、商品価格に転嫁すると物価が上昇することになり、価格に転嫁できないと企業は利益率が低下することになります。大企業は価格に転嫁しているようですが、中小企業は価格に転嫁できないところがあり、利益率が低下して経営が厳しくなっているようです。そのため中小企業の従業員の所得は増えないので、物価上昇により生活は苦しくなっています。働く人の給料が増えなければ生活が苦しくなり、消費を控えるのが常です。円ドルレートがどの程度が適正なのか正解はありませんが、1ドル100円程度の水準が好ましいという考え方の人もいました。

では企業の収益性が悪いので所得が増加していないのかという質問に対して、労働分配率を見ると違う一面が見ることができました。1999年の上場企業の労働分配率は53.7パーセントでしたが、2008年は45.5パーセントに低下しています。それに対して株主配当金は、1999年頃は約2兆円でしたが、2008年になると5兆円を超えています。多くの上場企業は株主配当を優先させる環境になり、従業員への給与支払いは減少させているのです。

このデータの出典は「日経NEEDS企業財務データベース」ですが、かつての日本企業は従業員を大切にしていたのが、現在はそうとは言えなくなっているように感じます。労働分配率が下がると給与は増えませんから消費拡大につながりません。しかも上場企業の株式保有率を見ると、2012年データによると外国法人が28パーセントを締めています。この10年で外国法人の株式保有率は高くなっているのです。株式配当金が増加しているのと同時に外国法人の株式保有率が増加していますから、日本企業が収益を上げて配当したお金が配当金として外国に流失しているのです。

かつては日本企業の株式は銀行や生命保険会社の保有率が高かったのですが、10年程前から外国法人が逆転しています。数字で見ると、見るまで分からなかった事実が浮かび上がってきます。

東北支援のために有効な産業について、円安の経済への影響について、そして労働分倍率の低下が消費低迷につながっていることの話を行いました。とても刺激的な話し合いになりました。

また懇談の中で、東京都知事選挙に関して現状を伺いました。「盛り上がっていませんね」という答えでした。かつて自民党を除名された人と、忘れ去られていた過去の人の争いになっているようですから、それほど関心事項ではないようです。東京都は都知事によって小さくなったり、都市機能が減速するような都市ではないという自信と誇りを都民は持っているようにも感じました。

昼過ぎに全ての行程を終え和歌山市まで帰路につきました。最後に、平成27年の議員団会議を和歌山県で実施することの提案をいただきました。和歌山県で開催する国体の視察を兼ねて訪問したいという意見です。和歌山県に注目してくれることは歓迎すべきことなので、実現できるようにしたいと答えています。