活動報告・レポート
2014年1月30日(木)
日本再生の処方箋
日本再生の処方箋

今朝から東京に出発です。今回の目的は議員団研修会に出席して研鑽するためです。午後1時30分からの研修では4つの講義を受けましたが、内容が多いためその中から「日本再生の処方箋」について学んだことを記します。講義をしてくれたのは参議院議員で医師である桜井充議員で、データを基にして分かり易く日本の現状を伝えてくれました。

日本はこの20年間で何が変わったのかという設問に対しての答えは、公債残高(対GDP比のパーセント)が10倍以上に増加しているということです。つまり20年間で借金だけが大幅に増加したというのが日本の姿です。

その他で主なものは、名目GDPは1990年では449兆円、2011年は468兆円。一人当たり名目GDPは1990年では364万円、2011年は366万円。失業率は1990年、2.012パーセントに対して2011年は4.549パーセント。人口は1990年の時は1億2,343万人ですが、2011年では1億2,782万人と増加しています。

失業率が増加しているのが問題ですが、その内訳を見ると、若い人の失業率が高いことと非正規雇用の割合が増えていることが更に深刻です。

そして所得ですが、20年前までは年収400万円から800万円以下の層が40パーセントあり、わが国で一番多い層でしたが、現在は200万円から400万円以下の層が35パーセントで一位となっています。そして100万円から200万円以下の層が15パーセントに増加していて、100万円以下の層も10パーセントに迫っています。このように一時期、日本人課程は総中流と言われた時代は去っている点が問題です。日本人の所得が右肩下がりで減少しているのです。これでは個人消費は増加することはありません。

またGDPの需要項目別内訳を見ると、民間最終消費支出はバブル期以降、横ばいになっています。個人消費が増えていないことからGDPは横ばいになっているのです。大きく言うとGDPが伸びない原因は、個人消費が伸びていないこと。生産人口が減少していること。企業の設備投資が伸び悩んでいることが挙げられます。

特に個人消費の減少は消費する人が減少していることが問題です。消費が活発な15歳から64歳までの生産年齢人口が減少傾向にあることが原因になっています。それでは何故生産年齢人口が減少しているのかと言うと、非婚率が高まっていることが直接的な原因で出生率が低下していることにあります。35歳から39歳までの非婚率は、2010年のデータでは男性が35パーセントを超え、女性が25パーセントに迫っています。1960年代は男性も女性も非婚率が5パーセント程度だったことを考えると、非婚が子どもの数を減少させていることになります。

では何故、非婚率が高まっているのかという設問に対して、男性の雇用形態による結婚比率のデータを示してくれました。30歳から34歳までの男性の結婚率は、正社員の男性は59.6パーセント、非典型雇用の男性だと30.2パーセント、非典型雇用のうち周辺フリーターになると16.8パーセントになっています。男性が安定した所得を得られていることが結婚と関係があるようです。

参考までに2012年では非正規雇用は1,813万人で、その割合は36.2パーセント、2013年7月現在では1,879万人で、その割合は36.2パーセントにまで上昇しています。その分正規雇用は増えていないことになります。

GDPが増加していないのは個人消費が増加していないためであり、個人消費が増えないのは生産年齢人口が不増加していないためです。生産年齢人口が増えていないのは非婚率が高くなっていることが原因のひとつであり、非婚率が高くなっているのは所得が安定していないことに原因があります。所得が安定していないのは非正規雇用が増加していることに行き着きます。

このデータは桜井参議院議員のデータ分析によるものですが、日本再生に向けたヒントが隠されているように感じます。日本再生のためには低迷している原因を突き止めて、それに対する政策を講じることが求められます。