活動報告・レポート
2014年1月28日(火)
Yさんの教え

Yさんが知人を紹介してくれました。「社会は人というピースで埋め尽くされています。仕事を完成しようと思ったら、ピースという多くの人脈を持たなければなりません。人と出会う以外に仕事を発展させることはできません」という教えをいただきました。

どうしても人は大きなピースを欲しがります。役員や幹部、知事や市長などを知っていることを自慢する人がいます。確かに立場のある人との人脈は大事ですが、社会はそんな一部の人で回っているものではありません。役員を支える人や首長を支える人がいて会社や社会は成り立っているのです。

もし担当者を飛び越して役員とだけ打ち合わせをしているならば、その仕事はいつも上手く進展しません。役員と共に担当者とも話し合いを進めておくことが大事です。家を建築しようと思うなら強い土台が必要となります。土台は大きな部材だけでできるものではありません。小さな部材も組み合わさって成り立っています。

人とのご縁とは小さな人脈がつながることです。トップを知っている、首長を知っていることは大事なことですが、常にトップや首長と連携できるものではありませんから、担当者とのご縁も築いておくべきです。担当者はやがてその地位を高めていくことも覚えておきたいものです。

そしてもう一つの教えも授けくれました。仕事にはセオリーというものがありますが、いつもセオリー通りしていれば、上手くいくとは限りません。そのことを野球に例えてくれました。

ノーアウトランナー一塁の場面。手堅い会社であればこの場面のセオリーは送りバントです。そして会社の中間管理職は、担当がセオリー通りしていれば成功しても失敗しても役員から咎められることがないので、状況に関係なく常にバントを行います。

ところがセオリー通りだと相手が分かっていると、ボールを外される場合がありますし、バントがやり難いゾーンに投げられることもあります。駆け引きによっては、二塁にランナーを送れる確率は小さくなって行きます。

このように相手チームにこちらの戦法を知られていると、成功する確率は小さくなっていくのです。それよりも同じ場面において、盗塁という手段を選択する方法があります。

盗塁はリスクがありますが、カウントによって、または投手の決め球によっては成功する確率がバントするよりも高くなるケースがあります。ツーストライクからの勝負球がフォークボールの投手がいれば、そのカウントから盗塁することも戦法です。

つまりセオリーは大事ですが、常にセオリー通りの戦いをしていると成功しないことがあるのです。状況や相手の得意なものを察知して、セオリーを無視するような戦法も取り入れたいものです。

それにしても、Yさんからはいつも学ばせてもらっています。年齢が違うこともありますが、経験値や人脈の広さは行動して得た結果であり、ここに至るまでの行動力の凄さを感じます。

最後にこんな話で締めくくってくれました。バッティング投手のボールを打っていると気持ちが良いものです。打ち易いコースに投げてくれるので、そんなバッティングはとても楽しいのです。しかし試合になると打ち易いコースに投げてくれることはありません。相手投手は常に打ち難いコースに投げ込んできます。私達は仕事や人付き合いにおいて、バッティング投手のような環境を求めていますが、そんな環境の中で仕事ができることはありません。気をつけたいことは、会社内で完結する仕事はバッティング投手のボールを打っているようなものだということです。会社の外の人が関わる仕事では、打ち易いボールは投げてくれませんし、危険球も来るかも知れません。そんなことに苛立っていては勝負に負けてしまいます。

たくさんの人と会い、難しい仕事をしていくことが野球で言うところの試合に慣れていく方法です。多くの人と出会い人脈を大切にすることが、バッティング投手のボールを打つのと違い試合経験をするということです。

判りやすい事例を交えての教えに感謝しています。