平成26年の和歌山市消防出初式が開催されました。青空の下、清々しい気持ちで参加いたしました。消防関係者が一堂に集まるこの式典は新春の到来を告げるもので、勇ましく、溌剌と、そして空気が緊張しているので気持ちが引き締まります。
式典は和歌山城の砂の丸広場で開催され、約2,500人の皆さんが参加した大規模なものです。消防は従来の火災だけではなく、台風、大雨、そして津波などに備えた体制を整えようとしてくれています。いざという時に和歌山市民の生命を守ってくれる存在ですから、今朝の行進や凛々しさを見ると安心感を覚えました。
行政改革の中で行政コストの問題が出されることがあります。人件費の削減などが話題になるのですが、警察や消防の人件費の削減は好ましいとは考えていません。むしろ必要な人員確保のために人件費を増やすことが必要だと考えます。災害に備えて安全と安心を守ってくれるのは警察であり消防です。採算計算が似合わない分野ですから、どうしても行政に担ってもらう必要があります。安全のコストを市民である私達が支出することで、まちは平和で安全であり、非常時が訪れるとしても存在してくれていることで安心感を得られるのです。
仮に市場原理を適用し、警察が事件で出動した場合の費用請求があったり、消防や救急車が出動した際に請求されるとすれば、どれだけの費用になるか想像できません。設備費、備品、人件費をコストとして考えるなら、個人の支払いで対応できるものにはならないと思います。空気のような存在として和歌山市の安全を担ってくれているのですから有り難いことです。
式典を拝見して以上のようなことを思いました。但し青空の下での式典でしたが、空気は冷たくて大地も冷えていきました。そのため身体とつま先が冷たくなり厳しい環境でしたが、大災害は寒い時期に訪れていることが多いように思うので、この新春の時期に集合して誓いを新たにすることは意味があります。
最近は大災害に備えて意識の高まりがあり、和歌山市内の某自治会では平成26年度の災害避難訓練を夜間実施することを検討しています。寒い時期や夜間に災害が発生したと想定し、その時期や時間帯に訓練を行うことで、現時点では見えない課題が浮かび上がります。それを見つけて自治会で共有し、自分たちでできる対策につなげようとするものです。
自助の考え方が浸透しているように感じます。その基本となるのが消防の体制作りと活動ですから、式典に参加できたことに感謝しています。消防関係者の皆さんの活動に敬意を表します。
大阪市内で通信会社を経営している社長が和歌山市を訪れてくれました。この会社では訪問スタイルの営業は廃止していると伺いました。人件費の要する営業は廃止した企業活動を行っています。そのため従来のようなポスティングや訪問コンサルや訪問販売は実施していません。外勤の営業担当がいなくなり、全ての業務をインターネットで受付をしているのです。従来の営業担当は電話対応に回っています。この会社ではインターネットで注文を受ける方法と電話で受ける方法を併用していて、従業員は電話対応をして販売活動につなげています。
しかもお客さんからの依頼があっても、原則としてお客さん宅への訪問はしません。それでも要望があった場合は、同様の仕事を受けてくれる他の会社を紹介しているのです。
徹底して営業経費を切り詰めている理由は、営業コストを価格に乗せないためです。お客さんは気付いていないのですが、営業経費も商品価格に含まれているので営業部門の人員が多い企業の商品価格は高くなります。
究極の企業のスタイルは、アマゾンのようにインターネット注文だけを受け付け、極力人を介さずに商品を発送するシステムを確立することです。営業も電話受付もしない企業を目指していることを聞きました。
その理由として、お客さんは欲しいものは買いますし、いらないものは買わないからです。いらないものを買ってもらう営業よりも欲しいものがあれば注文してもらえる方法を作ることを企業戦略として優先させているのです。
社内的には訪問販売や飛び込み営業は新人研修などで実施することがありますが、目的はあくまでも研修で、それによって営業成績が上がるとは考えていないのです。地方都市では顔を見せることが信用ですから現時点では真似はできませんが、やがて地方都市でもそんな時代が来るかも知れません。