新年の挨拶のためOさん宅を訪ねました。「和歌山市は衰退する一途のように思います。何か方策はありませんか。新しい市長に対しては、衰退から反転するような施策を示して欲しいと思います」という質問がありました。
衰退の原因は人口減少と働く場所が少ないことです。和歌山市を一気に元気にするためには、基幹産業の工場が進出することで500人から1,000人の雇用を生み出すこと以外に短期的な打開策はないと思います。雇用を確保出来れば地元雇用が図れますし、人口減少にも歯止めを掛けられます。若い人が地元で働くことができると、和歌山市の市場は拡大しますから、若い人向けのお店やファッション系のお店が出店してくれます。人口減少はわが国の大きな流れですが、それでも人口を増加するための対策は必要です。企業誘致と雇用確保が和歌山市に最も必要な施策だと思います。簡単ではありませんが、諦めないで継続した取り組みを実施したいと考えています。
「楽しくショッピングができる場所と娯楽施設が少ない」という意見もありました。買い物を楽しめる場所がないので大阪まで行っている若い人が多いようです。また娯楽、エンターテイメント性のある施設が少ないので、遊び場所が欲しいという要求もあります。
若い人はまちを支える活力を与えてくれますが、その活力を生み出せるエンターテイメント性のある場所が必要です。ただ地方都市においては、娯楽が少ないという同じような悩みを持っています。これは日本だけではありません。以前、ボストンを訪れた時のことです。地元の人と話をした時に「ハーバードやMITなど世界を代表する大学が多く、歴史と文化がある素敵な街ですね」と言いました。しかしそこで返ってきた答えは「ボストンにはエンターテイメントがないので暮らすには退屈です。若い人達はニューヨークを目指しています」というものでした。
ボストンはアメリカで最も歴史のある街ですし、美術館やメジャーリーグもあります。世界的な大学も多く観光するには楽しい街ですが、暮らしている若い人にとっては退屈な街なのです。
ボストンでも同じような思いを感じているのですから、和歌山市でエンターテイメントシティを目指す課題を解決することは難しいと思います。ただ和歌山市の活力のための大きな課題だという認識を持っています。
和歌山市再生のためには、大規模工場の進出、雇用の確保、エンターテイメント性を持つ街への変貌などが必要と考えます。これら全ての課題は短期間で実現することは難しいので、中期的に世代を超えて取り組みたい問題です。
和歌山市の現状から将来に必要な課題を抽出し、楽しい議論交わすことができました。
最後にOさんは「市長候補に4年間で和歌山市再生の道筋をつけるための具体的施策を聞きたいものです。和歌山市の衰退に歯止めを掛けるような公約がなければ、そんな市長はいりません。これまでリーダー選びに失敗してきたので、今度こそ和歌山市にとって必要なリーダーを選びたいと考えています。もう和歌山市の衰退レベルは限界で、再生のための最後の機会になりそうです」と話してくれました。
午後からは入院中の父親のお見舞いです。年末から予定が入っていたので、顔を見に行く機会が少なかったので、今日は時間を確保してお見舞いに行ってきました。前回のときよりも言葉数が多く、食欲旺盛で安心しました。ベッドから座って話ができるなど、元気な姿に接することができました。年末のお見舞いの時は「座るのが面倒くさい」と話したり、食欲もあまり感じなかったので少し心配していたのですが、今日の様子なら大丈夫だと確信できました。
考えようですが、風が冷たく体調管理が難しい季節ですから、病院でいる方が安心できます。発熱の原因を除去して回復してから退院する方が良いので、春になるまではゆっくりして欲しいと思います。