活動報告・レポート
2013年12月5日(木)
ブルネイからのお客さん

ブルネイから和歌山県に10人の方が来てれました。ブルネイは仁坂知事が大使として赴任していた国で、そんなご縁から一行は和歌山県を訪問してくれたものです。ブルネイの国立の学校の学生と付き添いの先生と朝合流し、社会勉強に出掛けました。

最初の訪問地は有田市にあるふみこ農園です。ふみこ農園は和歌山県を代表する食製品を生み出しています。梅製品のイメージがあったのですが、梅製品だけではなく和歌山県産の果実を生かした製品やジュースなど約300種類を開発して全国の市場に出しています。

東京や大阪の百貨店のギフトカタログには、ふみこ農園の数多くの製品が掲載されていますし、大手スーパーでの取り扱いもされています。和歌山県産の農産物を取り扱い、全国に流通させている和歌山県として誇りに思える企業です。

製品の中でジュースやドライフルーツを試食させてもらいました。ジュースは完熟梅と桃、ミカン、ドライフルーツは柿をいただきました。どの製品にも共通していることですが、とにかく何ともいえないくらい美味しいのです。口の中での味の広がり、爽やかさ、口の中の風味と余韻が飛び抜けています。そしてこれまで味わったことのないミカンジュースであり梅ジュースです。ドライフルーツも美味しくて、生の柿よりも風味があり美味しいと思いました。

また桜のゼリーと餡があり、桜の風味と独特の桜味が漂います。桜の花びらを新鮮な状態で閉じ込めて食しているような感じがあります。この味も体験したのは初めてのことでした。兎に角、どの味も美味しいという以外にありません。首都圏の百貨店では高級食製品として取り扱われ、供給が追いつかないほど売れに売れています。事実、製品工場では東京行きの宅配便がギリギリまで待ち、製品が完成した途端に走り出します。それでも必要な数量が揃えられないほど需要があるのです。

例えば3個入りの柿の製品を15,000個製造するためには、柿が45,000個必要となります。しかも形や大きさ、品質が規程以上のものが必要となります。45,000個もの柿を農家から入手することを考えると大変なことだと理解できます。

製品開発のアイデアとスピード、パッケージのデザインそして供給体制など、スピード感のある仕事がここにはあります。製品開発のアイデアとスピードがふみこ農園の絶対的な長所です。

最近は六次産業と言われていますが。生産者が商品化と販売まで手掛けるのは、現実的には難しいと思います。一次産業は一次産業で品質の良い果実などを生産してもらい、二次産業と三次産業をミックスさせて五次産業を目指すことが競争力をつけることになるという考えに共感しました。社長の仕事とスピード感に接するとそう感じます。誰でもできる仕事ではないものが存在することが分かりました。

続いて海南発電所を訪問しました。和歌山県が誇る火力発電所です。原油を原料とした発電所で合計出力が210万kWの大型火力発電所です。発電のしくみの説明とタービン室見学、そして構内一巡をさせてもらいました。この発電所としての特徴は隣接する和歌山マリーナシティに向かう橋からの前景がきれいなことです。海と空に溶け込むような色彩の発電所なので、ブルネイの皆さんが橋の上で「STOP」と叫び写真撮影をした程です。

最後の訪問地は和歌山県議会の議場です。議場の案内と説明をした後、ブルネイから贈り物の贈呈を受けました。「初めての和歌山県訪問を記念して贈らせてもらいます」という意味の発言と共に、記念品を受け取らせてもらいました。

ブルネイの皆さんの好奇心に接し、同行した私にとっても充実した社会研修となりました。

ただブルネイ国の気温は約35度前後で推移していることと寒くても27度と聞き、皆さんが厳寒期のような重いコートを着用し、それでも「寒い」を連発している理由が分かりました。ブルネイと比較すると寒い日本であり和歌山県ですが、滞在期間を楽しんでもらうことを祈念しています。