和歌山県が主催する津波災害対応実践訓練に参加しました。和歌山県庁内に設置された災害対策本部に入り、本番と同じような緊張感のある中で訓練となり、大災害発生時の一連の流れに接することができました。これは防災対策を考える上において、とても有意義であり参考にできる内容でした。
訓練開始の呼び出し時刻は知事にも知らされていませんでした。訓練開始は午前9時からですが、幹部職員の呼び出し時刻は所管が決定するもので、参加者には事前に召集時間は告げられていませんでした。今朝の呼び出し時刻は午前6時10分で、訓練に参加する幹部職員は大災害発生の状況を想定して自転車などを利用して県庁に出てきたようです。
県庁の災害対策本部に会議組織を設置し、災害発生から1時間後、8時間後、2日後を想定して状況把握と本部長からの指示事項への対応などを行っていきました。
刻々と変化する現場に合わせた対応と、本部長からシナリオにない質問があり、各部長はそれに対応していきました。道路や医療、学校の被災状況の確認は当然のこと、想定外の質問に対応して各部長から答えが示されました。的確に現場状況の把握と対応ができていると感じました。非常時の場合はリーダーの資質が試されますから、如何に変化する現場の情報を把握して対応していくかが課題となります。本部長以下、リーダーとしての役割を果していたと感じます。
その中でのいくつかの問題です。
- 情報把握は業務団体から得ているものが多いのですが、それだけでは的確な情報は集まらないこと。本当に大事な情報は自分の所管で集めることが大切だということです。燃料や食料状況がどうなっているのかは、業界団体の情報が的確で早いのですが、避難所の様子と対応状況と照らし合わせて、何が必要なのか把握して対応することが災害対策本部の役割です。従って現場、市町村との連携を図りながら、必要な措置を取る構えが必要だと感じました。
- ラジオの活用に関する訓練が少なかったこと。ラジオは現場と災害対策本部をつなぐ重要なツールです。NHK、地元放送局、コミュニティエフエムへの情報発信力が弱いように感じます。特に本部から通信回線を使ってラジオ局に情報を発信するような動きがありましたが、企画部長からの報告では通信回線が切断され、メールの遅延、電話が不通になるなどの状況を想定している中でラジオ局への情報提供はできないように思います。ラジオ局への情報伝達方法について再考して欲しいと感じました。
- 避難場所の二次的な移動に関しての問題があります。津波が到来する想定なので、高台への避難が好ましいのですが、時間的余裕がなければ近くのまずは避難場所に逃げます。津波発生から時間が経過した後に、二次的避難として、より高台の避難所に向かうことになりますが、その移動に関する指示は誰が、どのタイミンクで行うのかという問題です。和歌山県の過去の事例からすると津波発生から6時間経過した後は、津波、第二波は来ないと想定されているようです。しかし6時間が経過すれば安全だと宣言できるものではありませんし、津波警報が発令されている中で、最初の避難場所から外に出ることは避けたい行動でもあります。その対策として、権威のある人の考え方を確認し、どのタイミングが二次的な避難行動に適切なのか検討が必要です。
- 透析患者さんや重度の病気で入院している皆さんの避難についての問題です。電源が喪失なると、忽ち命の問題に直面します。これらの病院を把握し、優先的な電源車の配置や、救助方法を確立する必要があります。また病院や患者さんに対するラジオでの呼び掛けも対応としては必要です。
- 災害協定を締結している団体との連携や依頼事項の問題です。誰が何の要件について締結先に依頼するのか。締結先の企業などに行政との連携について自覚してもらうことも必要なことです。
以上のような内容でした。実践的で緊張感のある訓練に参加できたことは有意義でした。
夕方4時から議会報告会を実施しました。若い皆さんに対して県議会、そして議員活動について説明しました。20歳代の皆さんへの議会説明を行いましたが、自分が20歳代の時は政治に関心がなかったと思いますから、聞いてくれる側も良く聞いてくれたと思います。でも政治が私達の生活に直結していることを早い段階で知り、黙っているのではなくて言うべきことは言うことを知って欲しいと思います。間接民主主義の日本ですから、自分で言えないことでも代議員を通じて思いを伝えることができます。
ひとりの発言の力は世論を形成し強い力になりますから、自分の思いを伝えるようになって欲しいものです。そのための協力は行いますから、若い人の力に期待しています。
午後6時過ぎから懇親会に参加しました。異業種交流会でもあり、地域を越えた信頼関係の交流会となりました。半年振りくらいの参加でしたが、皆さんとも温かく迎え入れてくれました。和歌山市のこれからについて話し合いましたが、期待の持てる動きはないということです。