午前中は後援会役員会を開催しました。報告事項として東北の被災地を視察した内容について説明を行いました。東北の津波被害の跡は依然として復旧が進んでいません。と言うよりも津波被害に遭遇した土地に再度家屋を建設することが好ましいのかどうかの議論が交わされています。過去数回にわたって津波被害を受けた土地に、例え防潮堤を建設するにしても家屋を建設することが適切なことなのか分からないからです。数年単位で見ると形の上では復興したように見えますが、世代を超えた安全確保には至らないと思います。津波は100年単位で考えるべきものであり、今から数十年が良くても、肝心なのは津波被害の恐ろしさと防災意識を継続することにあります。親から子どもに伝えることが恒久的な対策となりますから、3月11日の津波のことを語り継ぐこと、そして高台への移転を含めた再興の検討が必要です。
和歌山県でも同じことが言えます。現在、津波被害はありませんが、近く到来が予想されている東南海・南海地震の津波規模は10メートルを越える地域があり、高台移転を含めた防災対策を検討する必要があります。尤もまちの移転は短期的に実施できるものではありませんから、将来の姿を描いて考えるべき課題です。しかし今の時期に考えなければならないのです。
移転というと市役所や役場、警察署や消防署など公共機関が最初に移転することになります。このことは賛否がありますが、非常事態が発生した場合、指揮命令組織と救助の実行部隊が機能することが求められます。それがなければ災害救助も応援体制もあったものではないのです。つまり役所や警察署、消防署が安全な場所にあり災害時に機能できることが安全確保の第一歩です。その態勢を確立させておくことが防災対策であり、安全で安心できるまちづくりです。
東北から得た教訓のひとつは、まず指揮命令組織の安全を確保することです。ヘッドクオーターが壊滅すれば人命救助や被災地の復旧はあり得ません。東北に倣うことは情報の伝達体制と現場の状況把握、そして役所機能が健全に働くことです。これらの教訓を和歌山県で反映させたいと考えています。
最初に以上の説明を行いました。質問として、海南市役所の移転について、東北楽天と東北復興について、の二点がありました。
海南市役所の移転は、海南市赤坂台にある海南インテリジェントパークの県所有の建物を海南市に売却し、そこに新市役所が入るという計画です。津波から逃れ役所機能の維持を図るための海南市役所の移転は、その方向で検討されています。
また東北楽天の日本一は東北地方に勇気を与えていると感じました。宮城県庁内でも東北楽天の優勝を祝うポスターが掲示されていました。県庁も優勝歓迎ムードがあり、復興への力に転換されるように感じます。スポーツが地域に与える力の偉大さを感じています。
続いて年末行事の計画案の提案と確認などを行い、正午過ぎに役員会を終えました。今月も集まっていただいた皆さんに感謝しています。
午後から和歌山県立図書館での講演会に出席しました。和歌山県にユニバーサルトラベルの概念を持ち込み、事業化している仲岡社長の話を聞かせてもらいました。ユニバーサルトラベルを始めたのは、がん患者さんの「もう一度、思い出の地にある温泉に旅行したい」という希望を叶えたいと思い行動し、それを実現した結果、とても喜んでくれたことがきっかけです。
それ以降、高齢者や病気と闘っていて旅行にいけない人の旅行のお手伝いをしています。旅行にいけることは非日常の時間であり、一人では行けない場所に行けることは大きな楽しみと喜びなのです。そんなお手伝いを仕事にして、皆さんから喜ばれています。その取り組みを始め、これから始める事業について話をしてくれました。
講演会終了後、仲岡社長を囲み、講演会の続きを聞かせてもらいました。元気の集まるメンバーとの懇談は楽しい時間となりました。