活動報告・レポート
2013年10月10日(木)
福祉環境委員会視察三日目
下川町
下川町

下川町役場を訪ねました。下川町で取り組んでいるバイオマスエネルギー熱供給施設についての説明を聞かせてもらい、その後、発電現場とバイオマスチップを製造している現場、そしてバイオマス発電による熱供給の集合住宅を建設している地域を訪ねました。

下川町の全公共施設の約42パーセントがバイオマスによる熱供給を利用しています。熱供給施設の能力は1,200kWと小さい規模ですが、役場や公民館などで熱利用をしています。

下川町

公共温泉の五味温泉は180kW、幼児センターは100kW、育苗施設は581kW、高齢者複合施設が460kwの熱を利用しています。そしてこの施設は役場の敷地内にあります。

このように下川町は「環境未来都市しもかわ」をスローガンに掲げ、森林活用小規模自治体モデルを構築しようと取り組んでいます。下川町は人口3,607人、面積は644.2m2の小さな町です。産業は森林林業と林産業、バイオマス活用など、一次産業に偏っています。そのため町では森林資源活用する以外に域内経済は成り立たないので、これらの産業に特化することを目指しています。循環型森林経営として50haに植林を行い、成長するまで60年間を要しています。このことが基礎となり50ha×伐採まで60年の3,000ha分の森林資源を育成しました。伐採し植林、育成してから伐採すると言う循環を昔から作り上げています。

下川町

これが今日の就労と雇用の確保につながっていて、かつ地元製材事業者への安定供給に資しています。そして循環型森林経営ということから、森林資源をバイオマスエネルギーや建材、化粧水や割り箸などの製品にも応用しています。

下川町が描く森林未来都市とは、森林で収入を得て、森林で学び、遊び、心身の健康を養い、森林に包まれた心豊かな生活を過ごすことのできる町です。そのため森林を町民が収入を得られる産業として育て、バイオマスによってエネルギーの完全自給を目指しています。そして安心でき活躍できる社会を構築することが目指すべき姿です。2030年の目標達成に向けた取り組みが行われているところです。

下川町

さてもうひとつの特筆すべきものとして、衰退集落を次世代コンパクト集落に転換する取り組みがあります。下川町の一の橋地域は高齢化率52.6パーセントの衰退集落です。人口は150人であり、同地域での生産活動はほぼゼロの状態となっています。この地域で年金生活者以外の人は、下川町への通勤者と同地域内にある障がい者施設の職員さんだけです。この問題を解消するために平成22年から「一の橋地区バイオビレッジ創造研究会」を設立し、地域活性化策を検討してきました。

そして完成したのが集住宅エリアの開発です。平成25年5月末に町営住宅22戸が完成しています。ここはバイオマスによる熱供給施設と太陽光発電によるエネルギー自給システムを導入し、高齢者のコミュニケーションが図れる住宅形式にしています。

下川町

またこの用地の隣にも同様の集合住宅の建設が進められています。高齢者住宅とは違う地域コミュニティのあり方を模索する地域として超高齢化に対応した地域づくりを目指した先進的な取り組みが進められています。

下川町のエネルギーの自給自足を目指したバイオマスの取り組みやエネルギー自給モデルの地域づくりのことは知っていましたが、実際に訪れることで理解が深まりました。予算は国策のため国の補助事業として採択されているもので、小さな町が先駆的取り組みをすることで展開が図れるためのモデル地域としての役割を果たしてくれています。バイオマスによるエネルギーの自立は困難なことがありますが、エネルギーの消費が少ないこと、地域が狭いこと、そして先人の取り組みのお陰によって森林資源に恵まれていることなどから、先進事例としての役割を担えているのです。

下川町

三日間、地域医療と先進医療、そしてエネルギーに関する調査で充実した北海道視察を終えました。和歌山県とは地域や自然環境の違いはありますが、医師不足による地域医療の課題や地球環境問題への対応としてのエネルギー問題など取り組み事例から学ぶことがありました。次回の議会に反映できるようにしたいと考えています。