活動報告・レポート
2013年10月8日(火)
福祉環境委員会視察
和歌山県立医科大学地域医療支援センター
和歌山県立医科大学地域医療支援センター

福祉環境委員会の視察に参加します。初日は和歌山県立医科大学地域医療支援センターと北海道公立大学法人札幌医科大学の二箇所の調査を行いました。

和歌山県立医科大学は全国でトップ10を目標に掲げています。その中で地域医療支援センターは地域医療の核となる施設として重要です。現在建設工事が進められていて、平成26年3月に竣工し同年4月にオープンする予定となっています。

そして同大学の大きな役割は地域医療に従事する医師を養成することにあります。20名の県民医療枠を設置して卒業後和歌山県で医師として仕事をしてくれる学生を養成しようとしています。今年初めて卒業生を輩出し地域医療やへき地医療に尽くしてくれることを期待しているところです。

ところで県民医療枠で入学した生徒は、卒業後の9年間は和歌山県内で勤務することを義務付けられています。医師不足が問題になっている地域の病院に勤務することで地域医療に貢献してもらえることになります。現在県内で医師不足が問題になっている医療圏があり、県民枠の卒業生が将来に向けて増えることで、医師不足を解消する予定です。

ただ医師を一人前に養成するためには最低でも10年は必要だと伺いました。ようやく一人前になる頃に、和歌山県内での勤務する義務が外れてしまうと県外に行ってしまうことや開業するなどの可能性はあります。将来の課題となりますが、今は県内で勤務する意思のある医師を養成することが先決だと思います。

ところで医師に求められる資質は、医師としての技術と患者さんと向き合える人間的素養です。優れた医師は技術も去ることながら、患者さんと向き合い不安を取り除く言葉を持っています。不安を和らげる人間的資質も医師に必要な資質です。

その医師としての技術ですが、外科の場合、執刀し始めて5分もあればどの程度の技術か判別できるそうです。そこから指導できるのですが、人間的素養は内面に関るものなので見極めは極めて難しいようです。両方を備えた医師を輩出することを目指している和歌山県立医科大学の取り組みに期待していますし、和歌山県立医科大学地域医療支援センターの完成を楽しみしています。

北海道公立大学法人札幌医科大学

和歌山市から北海道に飛びました。ここで北海道公立大学法人札幌医科大学を視察しました。ここでの調査は高度先進医療の取り組みと地域医療機関への医師の派遣についてです。驚いたのは高度先進医療の取り組みです。日本人の死亡原因の30パーセント強を占める脳卒中の患者さんの破壊された脳細胞を再生しようとする取り組みです。脳卒中の患者さんはどうしても後遺症が残る場合があります。同大学病院では患者さんに後遺症が残らないような治療を試みています。これまで12人の患者さんに高度先進医療を施した結果、12人とも身体の機能が回復し、職場復帰した人もいます。治療前と治療後の様子をビデオで見せてもらいましたが、信じられない回復をしています。手が動かなかったのに数週間で回復している事例や、手の指が動かなかったのに動くようになった事例などを拝見しました。

治療方法は自分の骨髄液を採取し数週間培養します。その培養した血液を再び静脈から身体に輸血します。たったそれだけで治療は一度限りです。その治療を施した翌日から身体が回復に向かうので信じられないのですが、回復していることは真実です。

この治療方法は国の認可を求めているところですが、認められると健康保険適用となり普及することも考えられます。脳卒中になっても身体機能が回復して日常生活や職場復帰が果せるのであれば、早期に認めて欲しいと思うばかりです。

未来の脳卒中の治療が確立されていくかも知れない現状を聞かせてもらいしました。本当に素晴らしい成果をいだきました。

ところで札幌オリンピックのテーマ曲であった「虹と雪のバラード」を作詞したのは北海道公立大学法人札幌医科大学の医師だったそうです。大学内にはその歌碑が設置されていることを知りました。残念ながら歌碑を見ることはできませんでしたが、医師があの名曲を作詞したことを知り感動しました。