秋恒例の鷺森別院岡崎支坊で2013オータムコンサートが開催されました。案内をいただいているので参加しました。毎回、春と秋の二度、この別院でコンサートが開かれます。お寺の中でのコンサートは珍しいと思いますが、この雰囲気と洋楽器が良く似合っているのです。今回のテーマは愛、そして人生です。シンガーから、人生は「歌って踊って楽しんで」という話がありました。人生は楽しむためにある。そこには意味が隠されていました。今回、いつも参加してコンサートを盛り上げてくれているテナーサックスの奏者が参加していないのです。コンサートの最後になって、その奏者の身体に病原菌が入り、身体が動かなくなっていると聞かされました。とても元気な演奏とスイングをしていただけに驚きました。そして「元気に皆さんの前で演奏活動ができることが特別なことで、嬉しいことだと気付きました。こうして皆さんの前で楽しく演奏できていること、聴いてもらえることは有り難いことだと思います。そして彼が元気になって戻ってくれることを信じて演奏を行います」といいうコメントがありました。
当たり前のことなんてない。そんなことを感じています。奏者が元気に演奏できるのは当たり前ではないのです。聴いてくれる人が集まってくれる。演奏ができる。そして健康であることなどの条件が揃ってコンサートを開くことができるのです。
当たり前のことは何ひとつないことを分かって、全ての活動をすると感謝の気持ちから入れます。感謝の気持ちが根底にあって全ての良い出来事は始まります。そんなことを感じるコンサートでした。
そして選曲は秋の曲が中心でした。深く染み入るような秋、収穫の秋に相応しい元気な秋。人を想い切ない秋。そんな様々な秋を表現してくれました。秋は寂しいだけではなくて元気な秋もあることを伝えてくれました。いつもは日本の季節を感じるような日本の曲が多いのですが、今回は賑わいを感じられるような曲がありました。スティービーワンダーやボーイズタウンギャングなどの懐かしいヒット曲の演奏があり、それまでと違った秋を感じることができました。
コンサートでは日本には美しい季節があることを伝えてくれています。「そんな美しい季節を感じないで何の生活を過ごしているのですか」という問い掛けがあるように感じました。仕事に追われ、日常に追われている生活を過ごしていると季節は感じられません。この季節の中にある空気や音を感じ、生きていることは特別なことだと感じたいものです。
別院において約2時間でしたが、小さな秋の一時をコンサートで過ごすことができました。少しだけ仕事から離れて秋を感じられる環境に身を置くことで、心身ともゆったりとできました。今ここにあることを目的にすること。ライト・ナウの心の持ち方ができた時間でした。今ここにいること、今ここにあることに集中すること。それ以外の目的はないと知って行動すると幸せ感が増します。そんな秋の一時になりました。いつもお誘いしてくれている主宰者の皆さんに感謝しています。
突然、心臓発作でお亡くなりになられたUさんの自宅にお悔やみに伺いました。夕食を食べて懇談している最中、胸を押さえ込んだそうです。救急車で運ばれて病院に到着した後、お亡くなりになったそうです。その間、約2時間の出来事だったので、伝える余裕がなかったそうです。突然のことで言葉はありませんが、残された奥さんからその時の話を聞かせてもらいました。
Uさんは何をするのも一番でなければ気が済まない性格で、職場に行くのも一番、旅行で集合するのも一番、投票に行くのも一番と言う方でした。何でも一番に実行することが生き方だったのです。必要なことは先に済ませておくこと。その後にゆとりを持って自分の時間を確保すれば良いという考え方です。
しかし今回は余りにも急でした。心からお悔やみ申し上げます。