市内自治会の役員の皆さんと福井県へのエネルギー研修会に参加しました。午前7時に和歌山市内を出発して、戻ったのは午後8時30分という日帰りの行程でした。熱心な研修機会を設けてくれた皆さんに感謝しています。
道中、豊臣秀吉による太田城の水攻めについてのDVDを見ながら地元和歌山市の歴史の勉強を行いました。豊臣秀吉は水攻めが得意な戦法であり、三大水攻めのひとつが太田城の水攻めとされています。
豊臣秀吉と対峙した太田左近や雑賀衆との戦は豊臣軍が勝利したことから、豊臣秀吉が天下統一に向かうことになります。その歴史は表舞台から埋もれているため、和歌山市に住んでいる人でもあまり知らないと思います。
ただ紀の国わかやま国体において和歌山インターチェンジを降りたところにある太田城址は、県外の皆さんに是非とも知ってもらいたい歴史であり、語り継ぐことや史跡を整備するなどして皆さんをお迎えしたい、そんな話し合いを交わしました。これから2年間の課題だと意識しておきます。
もうひとつが高齢社会にある現代、ラジオ体操で元気になる提案がありました。大人のラジオ体操のDVDを見ながら生涯健康でいることについて話し合いました。その結果、この自治会では10月1日から、毎朝6時30分から毎日ラジオ体操を実施することになりました。夏休みや冬休み限定ではなく一年中、ラジオ体操を継続することになりました。但し方法としては、一箇所に自治会の参加希望者が集まるのではなくて、会場を数箇所に分散し自宅から近い会場に参加することにしています。その方が参加しやすいこと、そして少人数であってもみんなと一緒に参加する方が継続できることから、この分散方式を採用するようです。
この自治会での年間を通じたラジオ体操の企画に関しては、ひとりの自治会員からの意見がきっかけになったと聞きました。90歳代の人が「これからも健康でいるためにラジオ体操に参加したい。しかし公園までは遠いので近くで実施してくれると参加できる」という意見が発端になっています。90歳を超えた女性からの提言を自治会役員で検討した結果、みんなで健康を維持する案を出し合い、ラジオ体操を採り入れることになったのです。
誰でも知っていること、参加しやすいこと、そして大人のラジオ体操にあるように本気で取り組めば効果があることが決め手となりました。こうして10月からラジオ体操が実施されることになりました。自治会での一年を通じての健康の維持増進の取り組みは素晴らしい決定です。
さて研修会の大きな目的は大飯発電所の視察です。エネルギー問題を考える契機にしてもらうため企画したものです。エネルギー問題の中でも原子力発電に関しての是非が議論されていることから、実際に見て自分で判断できる材料を現地で提供するために実施したものです。
研修会における私の挨拶の主旨は次の通りです。
皆さん、おはようございます。今日はエネルギー問題を考える研修会を企画したところたくさんの方に参加していただいたことお礼申し上げます。特に電力が不足する問題の原因となっているのが原子力発電であり、現地を視察することによって自分で判断できる材料を持っていただきたいと考えています。和歌山県には原子力発電所はありませんし、これまでは関心事ではなかったと思います。しかし関西において、和歌山県においても将来にむけてのエネルギー問題は避けて通れない問題であり、今日の研修会を考える一日にして欲しいと思っています。
国の形が変わろうとしている中、エネルギーの問題もこれまでと同じだと考えてはいません。例えば9月県議会でも取り上げられたことですが、政府では地方分権のあり方として道州制の議論が交わされています。道州制とは、日本国があり州がある、そして基礎自治体があるという形です。私達の暮らしている地域に当てはめると、州とは関西州、府県は廃止ですから、関西州和歌山市という形になります。和歌山県は存在しなくなり、関西州の中に和歌山市がある、大阪市がある、奈良市があるという形です。現段階では府県を廃止するとだけ記されていることからそれ以上のことは分かりませんが、私達の地域の姿も変わろうとしていることを認識して下さい。地域の姿が変わる中に地域を支えるエネルギー問題は関係しています。
そして7年後の2020年の東京オリンピック開催、2025年の東京・名古屋間のリニアモーターカーの開通、そして2040年の東京・大阪間のリニアモーターカーの開通など、これから将来に向けて日本は発展していくと考えるべきです。しかも東京だけではなく日本全体が発展時期に入ると見るべきです。
そうした中、そんな発展していく日本社会を支えるのがエネルギーであり電気なのです。電力の使用量が増加していくと予想できる中において、エネルギーのベストミックスをどう考えていくのかは大きな課題です。再生可能エネルギーもシェールガスなどの使用を含めた火力発電も当然比率を高めていくべきですが、大きな電源構成を占めている原子力発展の比率をどうしていくのか。これは国策であり州になっていく私達の地域の問題であり、決して報道に惑わされない自分の問題でもあります。
現地視察をすることによって自分で考える契機にしてもらいたい、そして自分の価値で判断できることを目指して欲しいと思います。その判断材料を提供させていただく研修会でありたいと考えています。
日本が低迷期を脱しこれから発展していくためにはそれを支えるエネルギー問題は避けて通れない問題です。電力が必要なのにそれが不足するようでは、これからの私達が望む社会は完成しません。是非論と共に将来の日本全体を考えていただき、発展を続ける社会で何が必要なのか考えて欲しいと思います。
そんなことを考える機会にしたいと考えていますので、今日一日、何卒よろしくお願いいたします。
午後から大飯発電所を視察して津波対策の考え方と実際の補強について、そして破砕帯の現場を確認しました。現地視察と意見交換によって、良い研修機会になったと考えています。