活動報告・レポート
2013年8月27日(火)
議会報告会
講演会

講演会に参加しました。この中で日本はヴィジョンのない国家になったことに触れていました。明治維新以降、世界に冠たる国になるまでは富国強兵や殖産興業というヴィジョンがありました。しかしバブル崩壊後は漂流の時代に入り迷走していることを話してくれました。ヴィジョンとは200年から300年先の国家の目指すところを定め、実現させていくことを指します。明治維新から120年はそのヴィジョンに基づいた国を築いてきましたが、その後、目指すものを見失い現在に至っています。そこから脱出することが現在の政治の課題となっています。

国にヴィジョンがないと個が崩壊していきます。無縁社会や親族間殺人、麻薬の広がりなどは、国が目指すべき方向を示していないことも原因のひとつです。自分のためという価値観が蔓延していることから全体の発展を目指さない、考えない人が増えています。

こうなると、政治や法律で国民の行動を縛り意識を変えることは困難です。意識を変えるためには学校教育と家庭教育がとても重要になります。個の意識を変える方法は教育だということに行き着きます。

国が目指すべき方向を示すことが個人の幸せにつながり、個人の幸せは国を発展させる原動力になる。そんな関係をこれから築くことが国家として大事なことであることを伝えくれた講演会でした。

もうひとつおもしろい観点の問題提起がありました。人も自然界も全体目的と固体目的というふたつを持ち、一人の中でも自然界でも共生しているというものです。

全体目的とは全体の存在と発展に寄与しようとするもので、固体目的とは生存を維持、発展しようとするものです。人間とすれば、個人の成長を目指すこと、利益を得ることなどで個人として発展しようという活動をすることです。

個人の発展を目指すと同時に、社会全体の発展を目指す行動も行っています。社会貢献活動やボランティア活動、政治参画などがそれに該当します。個人の発展と共に社会の発展を目指した行動をするのが人間です。どちらも発展しないことには社会は成り立たないのです。

臓器に例えると分かり易くなります。心臓があり身体が生かされています。心臓がなければ身体は維持できません。しかし心臓だけが重要な臓器ではありません。他の臓器も身体を維持するためには重要なものであり、何が欠けても健全な身体を維持することはできません。臓器という個体と身体という全体が共生しているので人は生きているのです。

全体目的を主体と考え、固体目的を対象と考えると分かりやすくなります。人は二重の目的を持ち生きて成長していくのです。

人に例えましたが、自然界も政治も企業の成長も同じことが言えます。全体目的と固体目的を持ち合わせることによって健全な発展、成長が期待できます。

紀の国わかやま国体

44年振りに和歌山県で開催されるのが紀の国わかやま国体です。その中で和歌山市では14競技が開催される予定です。38種目中14種目が和歌山市で開催されますから、競技に日程は厳しくなり、宿泊や日程の調整などを行っている最中です。

また公共交通や駐車場の問題もあり、これらを解決するための協議が続けられています。選手にとって宿泊地と会場までの移動時間が長くなると心身ともベストの状態を維持することが困難になります。移動時間が異なる場合は有利不利にもつながる恐れがあるので、公平性を基に調整が必要です。

和歌山市で14種目も開催されることは光栄なので、大会運営がスムーズに、そして盛り上がるように応援したいと考えています。そんな話し合いを行いました。

教育問題

教育問題に関して協議を行いました。教師に求められるものは学習指導と人間形成、人格形成を行えることだと思います。教師は人として生徒とぶつかり合うことも資質のひとつだという意見がありました。勉強とスポーツ、そして健全な成長を支援できる教師であって欲しいという意見をいただきました。そんな人材が和歌山県の教育界に集まってもらえるようにしたいものです。

議会報告会
議会報告会

午後7時からは議会報告会を開催しました。貴志川線の存続に向けてと公共交通のあり方について話し合いました。

貴志川線は和歌山電鐵が経営主体となってから10年間は赤字分の補填をする約束をしています。その期限が平成27年度末なのです。あと2年間は運営に関る赤字分の補助金を支出できますが、それ以降の支援体制は決まっていません。1年間の赤字補填上限は8,200万円で、毎年、この上限額に近い金額を和歌山電鐵に支出しています。この期限が2年後に迫ってきました。補助を継続するのか、打ち切るのか、それとも別の方法があるのかどうかについて検討を始めなければなりません。

沿線地域の個体で見ると現行のまま補助制度を継続して欲しいと思いますが、全体で見ると従来と変わらない形で継続するには理由が弱いと思います。

たま駅長や新車両の投入、駅舎の改造など、お客さんを増やす努力をしていることは誰もが認めるところですが、現実的にはお客さんが減少していることから何か継続するための理由が欲しいところです。

議会報告会

そこで参加したみんなでアイデアを話し合いました。議会報告で議論をすること、アイデアを出し合うことはとても楽しいことです。アイデアはどんなものでも良いのです。出されたアイデアは批判することなく、こうすれば実現できるかも知れないと考えてアイデアに新たしい意見を付加していきます。笑いの中から楽しいアイデアがいっぱい出てきました。その一端を記載します。

スタンプラリーなど各駅を回れるゲーム感覚の取り組みを行うこと。スタンプを貯めると、貴志川線のバッジに交換できたり、一日駅長や車掌体験をプレゼントすることも楽しいと思います。

各駅でその地域の名産品を販売すること。この沿線は農産物が収穫できるので、それぞれの地域の特産品を販売することは地域との一体感を出すことができます。

ハイキングや山登りと組み合わせたツアーを企画すること。健康は皆さんの関心事項なので、手軽に登れる山へのハイキングを企画すれば、団塊の世代も楽しみに参加してくれると思います。貴志川線では近年、通勤定期のお客さんが減少していますが、それは団塊の世代が退職したことも原因だと思います。これらの皆さんに乗ってもらうための企画があれば乗車してくれると思います。

どこから乗車しても一律200円の日を設定すること。距離のわりに乗車料金が高いと感じる人がいることから、試しに一律200円の日を設定して、どれだけ乗車客が増えるのか試験したいと思います。一律200円にする実験を行い、お客さんが増えるようであれば乗車区間に関係なく均一化することも検討したいものです。利用し易くなります。

駅舎に診療所機能を持たせること。たま駅長に会うために貴志川線に乗る人がいます。同様の視点から駅舎に診療所を併設すれば診療目的で利用する人が増えると思います。診療所の他にも、健康関連のサービスを整えることで利用者が増えると思います。

これらはアイデアの段階で加工が必要ですが、議論とアイデアを出し合うことで貴志川線に乗ってみたいと思うようになりました。議論をすること、アイデアを出し合うことの効果を感じることができました。

貴志川線問題を扱った、とても楽しい議会報告会になりました。