活動報告・レポート
2013年8月18日(日)
オープンキャンパス

一日かけてオープンキャンパスに行ってきました。夏休み中、各大学ではオープンキャンパスを開催しています。大学の説明を行い模擬授業や先輩の話を聞く機会も設けてくれています。朝から新幹線に乗り首都圏の某大学を訪れて様子を見てきました。やはり若いキャンパスを歩くと気持ちが良いものです。在学生が案内や説明をしてくれますが、みなさんしっかりしています。

教室内で、昨年入学した二年生の二人のプレゼンテーションを聞かせてもらいました。国際問題についてプレゼンしてくれましたが、難しいテーマを良く調べている様子が伺えました。一人は、日本人と外国人の意識の違いは文化の違いであることに着目した調査結果について。もうひとりは中国の所得格差問題について調べた結果を説明してくれました。

この学生が日本人と外国人の意識の違いを認識したのはALTの先生の話を聞いたことがきっかけです。ALTの先生は「日本人は」という切り出し方があることを不思議だと感じていることを学生に話したのです。つまり日本人全体がひとつの価値観を共有していることは不思議であり、外国人からすると「我々○○人」という言葉でひとくくりにすることはあり得ないということを伝えたようです。例えばアメリカ人は「われわれアメリカ人は総じてこうだ」というような議論はしません。「個人の私の意見はこうだ」という議論は交わしますが、アメリカ人が一つの価値を有しているという論点はありません。

日本人は同じ方向を向くことが当然であり、違う方向を向いているとおかしな奴と思われることがあります。世論として国民全体が同じ方向に向かうことがあります。国政選挙や原子力問題などが代表的なものですが、それまでの空気が一変し、一気に一つの方向に向かう力を有している国民性があります。

ALTの発言から日本人の持つこの不思議さを研究した結果を説明してくれました。内容は長くなるので割愛しますが、一つの疑問や問題提起があれば、そのテーマを自分で考えて関係機関に出向いて調査を行うことが大学で求められることです。疑問や問題提起があっても無関心でいたり、行動しないのでは大学生とは言えません。疑問は自分で調べる姿勢が大切なことであり、わからないことは直ぐ聞くという姿勢から一歩前に出た成長した姿勢です。

一年前までは高校生だった生徒が、大学で半年が経過しているだけで成長している様が分かります。

そして国際交流に関しては地元市役所の国際交流課で調査しているなど動く姿勢もあります。インターネットで必要とする情報は簡単に取れる時代ですが、他人の考えや論文をインターネットから拾ってまとめたとしても、それは自分のものではありませんし、言葉は立派でも内容は薄いものになっています。大学の教授であればそんな論文や調査報告は嘘だと見抜きます。

やはり幼い文章であったとしても自分の言葉で書くこと、自分で歩いて資料を集めることが論文や調査報告をまとめる基本です。このプレゼンの報告のために歩いたことが分かる内容であり、大学もこのプレゼンを高く評価していることを伝えてくれました。

日帰りでオープンキャンパスに行きましたが、遠くても行った甲斐がありました。新鮮な空気とこれから社会を支えてくれる人材の息吹が感じられたからです。そして少し緊張したプレゼンは初々しく感じましたし、人に伝えようとする一所懸命さも伝わりました。

新鮮で初々しい態度は人を惹きつける魅力となります。そして内容も去ることながら、自分で結論を見つけるまでのストーリーの組み立て方は参考になりました。

和歌山市に戻ったのは午後9時30分頃になりました。

その後、訪問を予定していた福祉施設夏祭り会場に向かいました。経営者と話ましたが、夏祭りの熱気の跡が感じられました。暑い一日でしたが、少しだけ夏の終わりの気配を感じました。