活動報告・レポート
2013年8月10日(土)
夏の夕べ
メタンハイドレート
メタンハイドレート

青山千春博士と青山繁晴さんの話を聞く機会がありました。メタンハイドレートに関する著書「希望の現場メタンハイドレート」の出版を記念した講演が催されました。

新しい資源メタンハイドレートは日本海に存在していることは知られていますが、紀伊半島沖にも存在していることも分かってきました。この資源調査は国レベルでは進められていますが、自治体としては和歌山県が海底調査を行っています。和歌山県にこの資源が存在することが確認されると、単に資源を保有するためではなく資源産業が誕生することになります。資源を使うだけではなくて資源を輸出するための産業ができるのです。和歌山県に資源産業が誕生するとなれば経済効果も雇用促進も多くの効果が期待できるので、調査を進めて採掘可能なメタンハイドレートであることを確認したいところです。

ところでメタンハイドレートとは、天然ガスの主成分であるメタンと水からなるシャーベット状の固形ガスのことで、水深1000m〜2000mの海底に層状に存在するものです。

日本近海の埋蔵量は、国内の天然ガスの年間使用量の約100年分に相当すると試算されていて、将来のエネルギー源として期待されています。新宮市の沖でもその存在が確認されているので国による基礎調査も行われていますが、平成25年1月には和歌山県として調査を行いました。その調査を担当してくれたのが青山千春博士です。

元々メタンハイドレートはその存在が疑問視されていました。しかし青山博士のチームにより存在することが確認され、これまでに分かっている日本海と太平洋側にもあるとされています。

和歌山県の調査は平成25年1月31日と2月1日に実施されています。ただ魚群探知機が古かったため正確なデータは得られていません。和歌山県からは「メタンハイドレートが存在する特徴的な地形(地滑り地形)は確認できたが、魚群探知機の老朽化により、精度の良いデータを取得できず、メタンハイドレートの存在を示す強散乱体(メタンプルーム)は確認できなかった」と発表されています。

そのため平成25年度に新しい魚群探知機を購入し、再度調査することにしています。新資源の存在を確認することを目指した取り組みを行うことにしています。

では今回の調査結果について以下「メタンハイドレート賦存状況予備調査の結果について」から引用します。

本調査で、和歌山県の「きのくに」既存の計量魚群探知機とカラー魚群探知機では、メタンハイドレートの存在の兆候を観測するのは難しいことがわかった。

一方で、メタンハイドレートが存在する特徴的な地形(地滑り地形)がエコーグラムより確認できたので、メタンハイドレートの存在が期待される。

また、水温鉛直分布により、メタンプルームは、600m以深で存在することが示唆された。

メタンハイドレートがあるかどうかの指標は、
(1)メタンプルームの下には必ずメタンハイドレートがある
(2)海底の散乱強度が強く(=海底が硬く)、マウンドや凹みなどの地形がある場合、その下にガスチムニーが発達して、メタンハイドレートがあることを示唆する
(3)海底面に変色域がある場合、それがバクテリアマットならその下にメタンハイドレートがあることを示唆するである。

このうち、今回、(2)の可能性が確認できたので、次回の調査ではこの海域を中心に観測を実施したい。

今後の課題として、メタンプルームの観測は、計量魚群探知機により音響データを取得し、解析し、表層型メタンハイドレートが存在する兆候を明らかにすることができる。プルームの観測のためには、計量魚群探知機は、水深600m以深の海中を観察できて、さらに水深2000mの海底の観察ができるスペックであることが望ましい。

メタンハイドレートの存在の確度を高めるためには、メタンセンサーによりメタンの濃度計測や、CTD により水質を求めることも必要である。水中カメラによる海底面の目視観測も有効である。メタンハイドレートの存在をさらに精密に知るためには、サブボトムプロファイラーで海底下にガスチムニーがあるかを確認することが有効である。

さらにその次の段階として、ピストンコアリングにより海底堆積物を採取する。そうすれば、コアの中にメタンハイドレートの結晶が含まれている可能性が高い。

この段階まで和歌山県で行えば、そのあと国へ説得力のある提言を行うことができる。

その上、プルームの位置情報を学術的調査に提供することも大いに有用である。

2013年3月12日に、政府が2001年から開発を進めてきた、太平洋側の愛知県沖の海底下のメタンハイドレートからメタンガスの採取に世界で初めて成功した。ニュースで大きく報道され、メタンハイドレートはわが国の自前のエネルギー資源になる可能性があることと、これを現実に利用できる日が近いことが、国民にも広く認知された。

世界的にも、特に隣国中国はすぐに反応を示し、エネルギー安全保障の面からもメタンハイドレート開発が重要な切り札となることがわかった。

このような世の中の流れの中で、今後の和歌山県のメタンハイドレートに関する取り組みには、県民だけでなく国民全体、さらには世界の注目が集まる。和歌山県においては、今回はじめ今後のメタンハイドレート調査の結果を元にして、最終的に政府に提言を行うことで、わが国でメタンハイドレートを国産エネルギー資源として実用化するのを促進させ、それに伴う雇用の創成に寄与していただきたい。

と報告されています。

調査を担当した青山博士からは、この調査に関する話を聞かせてくれました。機器が古いことから成果は得られていませんが、これからも調査を続けることで成果が得られるものと確信しています。地方自治体として調査を継続することは必要なことと考えていて、その存在を確認し、わが国初の資源産業になれば、和歌山県は経済的に一気に飛躍することになります。

夏の夕べ
夏の夕べ

皆さんの参加をいただき桐章会主催「夏の夕べ」を開催することが出来ました。素晴らしい実施内容であり交流機会になったと深く感謝しています。こんな素敵な懇親会に仕上げてくれたスタッフの皆さん、そしてお集まりいただいた皆さんに心から感謝しています。

会場は和歌山市内のバールDで、雰囲気をビアガーデン風に仕上げてくれました。本格的なイタリアン料理がいただけるお店ですが、今回のために店内の装いも改めてくれて、ビアガーデン風の会場とイタリアン風の会場のふたつの違った雰囲気を楽しめることになりました。会場は貸し切りでしたが会場のキャパシティいっぱいになり、少し窮屈になりましたが、懇親会を楽しんでくれたと思います。

桐章会会長、後援会長に引き続いて、懇親会に先立っての私の挨拶の主旨は次の通りです。

皆さんこんばんは。本日の夏の夕べにご参加していただいた皆さんに心から感謝申し上げます。ありがとうございます。今日は会場に入る人数が限られていることから限られた皆さんとの懇親会になりますが、私にとってとても大切な皆さんとそのご友人の皆さんに来ていただけたと感謝しています。

夏の夕べ

楽しい企画を用意していますから、短くて限られた時間ですがお楽しみいただきたいと思います。また後ほど、皆さんのテーブルに行かせてもらいますので、皆さんとの会話を楽しみにしています。

さて会場の熱気から、団扇の振る回数が増えてきたように思いますので、早く懇親会に移りたいという思いが伝わってきます。そこでふたつだけ近況報告させていただき挨拶とさせていただきます。ひとつは命の道について、もうひとつは和歌山県とエネルギーについてです。

ひとつめは命の道についてです。今週、国土交通省や和歌山県選出の国会議員に高速道路の早期設置などの要望活動を行ってきました。従来の、高速道路は物流や観光の意義が大きく、過疎地とされている地域への延伸は必要ないとされてきました。高速道路も費用対効果が重視され、道路を作るための費用と利用する車の量を比較して、利用者が少ないとされると建設できないでいました。

ところが現在は考え方が違ってきています。東日本大震災で高速道路は大丈夫で避難や物資の運搬に役立ったことから、命の道としての役割があることが認識されました。和歌山県は南海トラフ巨大地震が予想されている地域であり、命の道としての紀伊半島一周高速道路の早期完成がとても大事であるという訴えをしています。命を守るための道路は早期に完成させて、和歌山県民の命を守る防波堤にしたいと訴えています。国もこの考え方と必要性は理解してくれていいますから、これからも何度も訴えて紀伊半島一周高速道路の実現を目指したいと考えています。

夏の夕べ

もうひとつの和歌山県とエネルギーに関してのことです。本日メタンハイドレートの調査で有名な青山千春博士が和歌山市に来てくれました。今年1月に実施した和歌山県新宮港沖での調査に関する話を聞くことができました。日本近郊の海底に眠るメタンハイドレートは、わが国が使用している天然ガスの約100年分の埋蔵量があるとされています。和歌山県沖で埋蔵が確認され採掘が可能となれば、資源産業が和歌山県に誕生することになります。経済と雇用が飛躍的に見込まれるので、和歌山県がわが国のエネルギー産業の拠点となることになります。これまで存在していなかった新しい産業が誕生するという、この価値は計り知れないものがあります・現在でも再生可能エネルギーの導入が進められていますが、それに加えて新しい資源産業が確立できれば、わが国の和歌山県の存在感は大きくなります。

今年11月以降に再度、メタンハイドレートの調査を行うことにしています。前回の調査では調査船「きのくに」の機器が古すぎて満足できる調査結果が得られませんでしたが、今回は機器を入れ替えての調査になります。地方自治体としての挑戦に注目と期待をして欲しいと思います。

以上二点を報告させていただき挨拶とさせていただきます。それ以外のことは各テーブルを回った時、懇談したいと思いますので、何卒よろしくお願いいたします。

最後まで楽しんでいただけたら幸いです。ありがとうございました。

夏の夕べ

約2時間は瞬く間に過ぎましたが、笑顔と大きな声の笑い、隣同士の会話、初顔合わせの挨拶や再会を祝した乾杯など、幸せな光景を随所に見ることができました。そしてプロの音響さんがマイクなどを担当してくれて、名調子の井本さんの司会と中居るみさんの歌が会を盛り上げてくれました。心から感謝しています。

楽しくて、嬉しくて、幸せな懇親会になったこと。皆さんに感謝しています。

その他
  • 午前中は再生可能エネルギーに関しての打ち合わせ行いました。和歌山県での可能性について話し合うことができました。
  • 活動時間の合間の時間を見つけて初盆のお参りに伺いました。