活動報告・レポート
2013年8月8日(木)
はやぶさ
はやぶさ
はやぶさ

日本中を感動させた「はやぶさ」。その「はやぶさ」が持ち帰った惑星「イトカワ」の微粒子を顕微鏡で見ることができました。東京の国立科学博物館を訪れたところ、特別企画として「いとかわ」で採取した微粒子が展示されていました。

これについての説明があります。「実際にはやぶさのカプセルから採取されたサンプルの一部で、かんらん石の単結晶で構成された約49μメートルの微粒子。世界中の研究者に研究用として配布しているサンプルより若干サイズが小さいだけの「紛れもなく本物」(JAXA)。地球上で発見される隕石では大気や水で摩擦を受けてすり減ってしまう表面部分も残っており、太陽系の歴史をひもとく重要な資料という。」

「イトカワ」からの微粒子を直接見ることができたことは貴重な経験です。これにより「イトカワ」を分析している状況について関心を持つことになりました。はやぶさの熱狂と比較して、分析結果の進捗については余り注目されていません。

JAXAによると現在のところ「イトカワ」が形成された経緯は次のように分析されているようです。以下の出展はJAXAの「イトカワ微粒子のこれまでの初期分析成果」によるものです。

  • 約46億年前に太陽系が誕生した後、チリやガスなどの太陽系初期の物質が集まり、イトカワの母天体ができる。
  • 母天体の大きさは直径20km以上で、内部は800℃ほどの高温に上昇した。その後、母天体はゆっくり冷えた。
  • イトカワのほかの小天体がイトカワの母天体に衝突する。
  • 衝突の衝撃で母天体は完全に破壊されバラバラになる。
  • バラバラになった破片の一部が互いの重力で寄り集まり、イトカワが誕生する。誕生直後のイトカワの表面は宇宙風化の影響を受けていないため、現在より明るく白っぽい色をしていた。
  • 宇宙風化によって表面の色が次第に暗くなり、直径約500mの現在のイトカワとなる。
    また、微粒子の元素組成の分析で分かったイリジウムの含有量から、イトカワには太陽系のごく初期の形成プロセスの痕跡が残っていることも分かっています。イトカワの微粒子の分析が進めば、イトカワの歴史だけでなく、約46億年前の太陽系の誕生やその進化過程の解明につながります。

太陽系の誕生や進化について解明できるサンプルになるかも知れないということに夢を感じます。0.1ミリにも満たない微粒子が太陽系誕生の謎の鍵を握っていると知るだけで、嬉しくなります。たった一度見るだけですが、少しでも当事者になれたような気持ちになります。傍観者でいるよりも当事者でいる方が関心は高まりますし、情報は得易くなります。これからの分析にも関心を持っておきます。

ゼロ戦
ゼロ戦

「風立ちぬ」の影響で零戦に注目が集まる夏です。同じく国立科学博物館では零戦が保管されていました。この零戦は、1972年(昭和47年)、ラバウル北西ニューブリテン島沖の海底で発見され引き上げられたものです。ベースは零戦21型で、数機の部品を合わせて作られたもので偵察用として2座席に改造されています。本物の零戦が保管されていること、それを見ることができるのは流石に国立の博物館です。以前零戦を見たのは、スミソニアンの博物館でしたから随分前のことです。

零戦は日米で保管されている第二次世界大戦の最強の戦闘機です。これが大空を飛んでいた時代は今では想像できませんが、当時は日本の期待を一身に集めていたと思われます。

最近では「永遠のゼロ」で注目を集めたばかりですが、零戦が今日、注目されているのは何かのメッセージだと思います。再び戦争を繰り返さないために、零戦が自らのドラマをもって私達に訴えかけてくれているようです。