本日も東京都内です。夏日よりも少しましな気候ですが、日中の暑さは関東も関西も同じです。さて残念なことですが、東京から和歌山県が注目される機会はそれほど多くありません。以前、南紀熊野体験博の広報を担当していた時に痛感していることです。どれだけアピールしてもマスコミに情報提供を行っても、プレスツアーをしても、エージェントツアーを企画しても媒体に書いてもらえませんし、ツアー企画も組んでくれないのです。
相手によってその理由は違いますが、東京からの距離が遠いこと。これは時間的な距離も遠いことを含みます。首都圏から余り知られていない土地だという感じです。
そして旅行価格が高いこともマイナス要因です。羽田と白浜の旅客機の運賃が高いのでツアーを組み難いのです。
もうひとつが海と山、自然が売り物ですが、それらを売り物にしている地域は多く存在していることから、東京近郊が優位性を持っているのです。
主にこれらのことから、和歌山県が首都圏から遠いと思われていると思います。
ですから他にはない訴えをアピールすると共に、旅行料金の引き下げが誘客のための条件だと思います。価格設定が高いと、どれだけ魅力を作っても、アピールとしても来てくれないと思います。
パンダと熊野古道、高野山、温泉と海が代表的なものですが、引力になるまで至っていないのです。そこで時間短縮と引力作りのために必要なことは、紀伊半島一周高速道路の完成と紀淡海峡大橋の開通です。紀伊半島一周の高速道路は要望活動を続けているので、将来は完成すると思いますが、四国と和歌山県を結ぶ紀淡海峡大橋は、構想が止まっているため、これを基に戻すためには新たな計画作りと要望活動が必要です。最近は強い行動をしていなかったこともあり構想は消えかけていましたが、もう一度計画を練り直して要望活動につなげられたら夢のある計画になります。
問題はコストです。和歌山市と淡路島を橋でつなぐ場合の費用は約1兆円。大橋の計画距離は4.7kmもありますから、コストも巨額になります。これが最大のネックです。しかも流れの速い紀淡海峡ですから、瀬戸内海に架ける橋よりも工事は難しいと思います。
ただ4.7kmという距離はJR和歌山駅から紀三井寺までの距離と同等であり、和歌山市民の感覚としては、車で走るとそれほど長い距離とは思わない距離ですから、実現できる距離だと思えます。
ですからコスト軽減と地元を挙げての強い要望が実現に向けて行動するために必要なことです。コストについては、積算のやり直しをすれば、当時の額よりも、もしかしたら下がるかも知れません。また工法についても技術の進歩により可能性が高まっているかも知れません。以前の資料はそのまま使用できないと思いますが、改めてやり直しをして計画案を出せるのであれば夢は広がります。
道路の計画を費用対効果で図ると現在通行利用が少ない地域では、それを前提にすると絶対に採算は取れません。しかし夢の道路が完成すれば、背景人口とこれまでの利用者予測を超えた新たな需要が創造できます。観光や物流、新たな陸路が完成することで、予測できない効果が発生するかも知れません。第二国土軸という幹線道路の期待度を加味して訴え掛けをすることも夢のあることです。
他府県が訴えているのと同じレベルの施策では、和歌山県が浮上することはありません。大胆な発想の企画と行動が必要だと感じました。