和歌山県かつらぎ町にある築野食品はこめ油の大手企業です。平成25年2月に山椒オイルを発売しています。和歌山県は日本全体の75パーセントの生産量を誇る山椒日本一の生産地であり、和歌山県が誇る山椒をこめ油にブレンドし商品になりました。
この商品は和歌山県食料産業クラスター協議会の第一号となっています。築野食品の開発者に話を伺いましたが、ひとつの新製品を世の中に送り出すまでには、大変なご苦労と時間を要することを知りました。こめ油に山椒をブレンドするだけの簡単なものではなく、品質や量、温度などの条件を変えて実証実験を行い、そして味覚や香り、食感など人間的な感覚も調整してやっと商品になります。
素材が腐敗するのは水と空気に触れることが原因です。山椒をブレンドすることでどうしても水が混ざります。含まれる水の量を減少させるためには加熱して水を飛ばす必要がありますが、余りに加熱しすぎると風味がなくなります。逆に風味を引き出すために水分を残すと腐敗が進行しますから、賞味期限が短くなり商品にはなりません。
風味と賞味期限のバランスを求め、両立させたものが商品となります。長い期間を経て世に送り出せたのが山椒オイルなのです。開発までの過程を聞かせてもらい、その後味見をさせてもらいました。オイルの中に山椒の仄かな香りと口の中に風味が少し滞在するような爽やかな感覚があります。
使い方によっては料理の味を変えてしまうので、高級食材はよりおいしく、通常の食材でもおいしくいただけます。
山椒はヨーロッパの三ツ星レストランなどで人気があると教えてもらいました。山椒の持つ香りと刺激は肉料理をはじめドレッシングやお菓子などにも使える調味料となっています。
こうして日本一の山椒の生産地から誕生した山椒オイルが全国に発信されています。
ここにひとつの技術を製品化させた物語があります。山椒日本一の生産地である和歌山県が舞台となるストーリーがありますし味覚も良いのです。和歌山県の第一次産業の活性化と加工商品の生産、そして味覚と健康増進にも役立つ山椒オイルが全国、そして世界の料理シーンに広がることを願っています。
和歌山県内で太陽光発電の計画がある用地を視察しました。未活用の土地であり、地理的条件などからこれからも活用を図ることが難しい用地ですが、日照時間が長く南向きで広大な用地なので、太陽光発電として活用が図れる見込みがあります。長い間、未利用地として存在し、これからも活用の手段がない場所の活用を図ることができたら、地目変更による税収増や過疎地域対策として役立つこともありそうです。
計画の進捗はこれからの検討次第ですが、実現に向けて必要な資金とスケジュールが明確になりそうなので動向を見守ります。
省エネルギーに関する依頼がありました。この会社ではエネルギーコストの削減が大きな課題となっています。お客さん指向の経営から、値上げしたエネルギーコストを単純に価格に転嫁することはできないので、吸収するように今まで以上にコスト削減に取り組んでいます。ただ省エネルギーは相当進んですることから、従来と同じ発想では削減できないので方法を模索中です。
例えば飲食部門としては調理室の空調は止める、温度を高めに設定するなどで省エネルギーを図っていますが、お客さんのスペースの空調を調整することはできません。温浴施設の温水にしても、お客さんが利用したいと欲する分は供給可能な状況に保つことが求められます。現代社会のわが国において、今日は温水を利用できませんという説明は不可能です。サービスレベルを維持と、コストをそのままにすることがお客さんのために必要な経営です。経営においてエネルギーコストの増加は全ての経営戦略に影響を与えています。安くて安定したエネルギーの必要性を強く感じました。