活動報告・レポート
2013年5月30日(木)
知事訪問
知事訪問
知事訪問

和歌山市内で倫理、道徳の普及啓発に努めている会の会長以下の役員の皆さんと知事を訪ね懇談しました。道徳教育、そして企業には倫理観が必要であることを経営者の皆さんから話がありました。社員の教育をする前に経営者が道徳や倫理の教育、研修を受けて社内で展開する必要があります。トップの倫理観が欠如していれば社員も同じように流されます。

県庁も同じで県民の皆さんに対して、仕事を通じて奉仕という気持ちを持つことが大切なことです。そのためには県民の皆さんが県庁を訪ねてきた時は、親切に応対して欲しいと思いますし、現在は随分応対が良くなっていると聞いています。ある方から「県庁の応対が不親切であった」旨の提言がありました。それに対して知事は「どんな案件であり、どこの部署がどんな応対をしたのか聞かせて欲しい」と答えました。事実を明確にして所作の悪い部署の責任者に直接伝えなければ正すことはできないからです。悪い事例は責任を明確にして直接指導することで姿勢が良くなります。隠すことや曖昧にしていると事態は改善されないのです。

ただし不親切な応対だからと言ってすべてが正しくないとは言い切れません。県庁の部署に当該案件の権限が与えられていない場合は答えようがないからです。その場合は、その問題に関しての部署は○○になりますと所管する部署を紹介すれば良いのですが、そこまで案内するだとか電話連絡をするなどのマーケットインの対応があればベストです。

知事訪問

法律や条例はそれができた経緯に意味があります。法制化されてから数十年が経過すると、制定に至る経緯を知っている人がいなくなり、何故そうするのかという本来の目的が分からないので拡大解釈や条文を適用する作業をしなくなるのです。もし条文に適合しない事例であっても、法制定の精神に則ったものであれば、拡大解釈して適用することも行政の仕事なのですが、そこまでの仕事になっていないことがあるかも知れません。それは法制定の起源を知らないからです。

ですから法律や条例の成り立ちを知ること、勉強することが必要となります。そこまで知識として得て県民の皆さんに対応すると親切な応対につながるかも知れません。少しのことで応対の印象は違いますから、少しのことを学ぶ姿勢を持ってほしいものです。

このように県庁も民間企業と同じように、相手の立場に立って考えるという意識、価値判断においては法律や条例と共に倫理観という定規を持って判断して欲しいと思います。冷静に温かい仕事とは、法律や条令の適用と人間味のある価値観を有する人ができるものです。法律の条文には解釈の余地を残していますし、それを補足するガイドラインなどもあります。拡大解釈する余地はあると思うので、後は所管部署や責任者の裁量によって仕事の内容は変わってきます。

憲法解釈でも時代の要請に応じて変化するものです。時代に応じて新しい人権を生み出しているのは、憲法第13条が有している価値をその時代の裁判官が、そして世論が認めているからです。条例においても、それを制定した時代と現代とは価値観が違っています。条文の解釈を違う解釈にしても良いのです。と言うよりも時代に即した解釈をして条文を塗り替えていく作業が、条文適用を図っている行政の仕事だと思うのです。

倫理や道徳の大切さを議論している間に、そんなことも考えました。良い議論を交わせたと思っています。

ミーティング

昼食を兼ねてミーティングを行いました。今日、初めて知ったのですが有田市には民間の産科がないそうです。以前、産婦人科はあったのですが婦人科だけになってしまっているようです。子どもを産む環境がない市。考えにくい事態になっています。市当局も事の重要性を理解して各方面に働き掛けているのですが、現時点においては上手く進展していないようです。過疎地ではない市で産科がないとは思いもしませんでした。

また同市の海水浴場のトイレも汚くて、利用する気にならないと話を聞かせてもらいました。観光客や海水浴客がここを訪れたとしてもトイレが利用できなければ、この場所で滞在することはありません。食事の質と同じようにトイレの環境はとても重要です。トイレの整備がなされていない、そして汚い観光地に人は来てくれません。

和歌山県ではトイレおもてなし大作戦を展開していますから、有田市においても整備計画と維持管理の体制を整えてトイレの美化を図って欲しいと依頼しました。

災害時の対応

大災害が発生した時の対応として、例えば犬などのペットを飼っている家族が避難所に逃げ込んだとします。ペットを避難所で受け入れられるのか。そんな話がありました。優先すべきは被災者ですからペットはその次になります。だからペットは知らないという対応が為されるとすれば、それで良いのかどうか議論の余地があります。ペットも大切に命を持っています。家族同然に生活しているペットが避難所で何も対応できないとなれば、飼い主の心の問題も発生しそうです。

ペットと飼い主が一緒にいられる避難所併設することも検討課題になるかも知れません。尤も、生命に対する価値観は人によって違いますから、議論すべきだという人もいれば、議論は必要ないと考える人もいると思います。ただ紀伊半島大水害において課題としてあったので認識しておきたい問題です。