活動報告・レポート
2013年5月22日(水)
バイオエネルギー
バイオエネルギー
バイオエネルギー

近畿大学生物理工学部の鈴木高広教授と懇談させていただきました。鈴木教授は農作物作でエネルギーを作り出す研究をしています。サツマイモを利用してエネルギーを生み出そうと研究を続けています。サツマイモを燃料とした発電システムを使ったとしてもわが国が必要とするエネルギー需要を賄えないと思いますが、仮に休耕田などを利用して年間40億トンのサツマイモを燃料として供給できるなら、その1年間に必要とされるエネルギーである2,000万テラジュールを確保することができるそうです。この数字はわが国で1年間に発電用として使用されている化石燃料とほぼ同程度のため、極論ですが、サツマイモを燃料とした発電システムを必要なだけ設置すれば化石燃料は不要となります。化石燃料の年間の輸入費用は約20兆円ですから、この費用がなくなれば昨年転落した貿易赤字は解消されてしまいます。

引き続いて仮定の話ですが、農家がサツマイモを生産して燃料として活用するなら、この年間約20兆円のお金は農家に流れることになります。国内で生産されるバイオエネルギーの原材料に約20兆円のお金が行くことになりますから農業従事者の所得は増えることになります。現在、日本の農業市場は約8兆円で兼業農家を含む潜在的な農家人口は約800万人と推定されています。単純に計算すると、農業に従事している人の年間取得は一人100万円ということです。しかも食料の国内市場は約8兆円の規模であり、人口が減少していることや世界に市場開放されることになれば、市場規模が縮小すると共にこのパイの奪い合いとなり更に所得が減少することになります。

これでは農家が減少するばかりです。食料としての農作物の生産を続けていても全体としての年間所得は伸びようがないのです。ところがサツマイモを原料とする発電システムが稼動し、農家が燃料用としてのサツマイモを生産すれば、年間約20兆円規模の市場に参入できることになります。農家の年間所得は約8兆円プラス約20兆円の、約28兆円となり、一人当たりの年間所得は300万円以上ということになります。

これは机上での計算ですが、安部首相が農家の所得を増やすと発言した背景には、もしかしたら農産物を食料と燃料という視点を加味して所得を増やすことを考えてのことかも知れません。

研究室で話を聞かせてもらった後、近畿大学の屋上にあるプラント実験場所に案内してもらいました。鈴木先生の手法によれば、サツマイモは年間6回収穫することが可能で、生産量は飛躍的に増大します。ポットを変えればサツマイモの生育する大きさも調整することは可能ですし、二ヶ月で生育するのでプラント内をローテーションすることで年間を通じて供給は可能となります。

生産されるサツマイモを食用として利用すると同時に、乾燥させてチップとして燃料用として利用することができます。

バイオエネルギー

わが国がTPP加入をすることになれば農業は転換期を迎えます。そしてエネルギー問題も転換期を迎えています。わが国にとって重要な二つの産業が転換期を迎えている中にあって、食糧の増産とバイオ燃料としての活用は転換期を乗り越える鍵になる可能性を秘めているように感じました。

鈴木教授の話を伺ったことからこの問題に関心を持ちました。和歌山県は自然エネルギーに積極的ですから、その中の一つとなり得ないものか考えてみます。

【献血活動】

夏場は血液が不足する季節です。血液を欲している皆さんのために献血の啓発と献血は大切なことです。少しの時間ですが献血のお手伝いをいたしました。社会貢献活動に参加できたことは嬉しいことです。ただ私は三ヶ月に一度の割合で400mlの献血をしていることから、規程により今日は献血できませんでした。残念ですが次回は8月中旬まで献血できないことになっています。その分、献血を皆さんに呼び掛けました。