活動報告・レポート
2013年5月3日(祝・金)
GRAND FRONT OSAKA
GRAND FRONT OSAKA

平成25年4月末にオープンしたGRAND FRONT OSAKAに行きました。大阪駅の北側に位置する一等場所で、今世紀最後の大阪市内の一等地の開発というだけあって大阪駅から直通で行ける商業施設となっています。この後もシティホテルとマンションのオープンが予定されていて、大阪駅からホテルとマンションまで回廊を通って直通で行くことができるまちになります。

新しいまちが誕生すると、いつもワクワクするものです。この感覚は生きている上で大事なもので、ワクワクとドキドキする気持ちを持つことが人生を彩ってくれます。健康で元気でいるために必要なことは薬ではなくて、笑顔とときめきを感じる心であると聞いたことがあります。いつまでもときめきを持ち続ける人生を過ごしたいものですし、まちにも同じことを求めたいと思うものです。ときめきがあるので人はまちに繰り出すのです。ときめきを感じない場所はまちでもなければ観光地にもなり得ません。期待できる何かがあるから人はまちに出掛けるのです。それはショッピングであり食事であり、映画でありアミューズメントでもあります。

そしてそれらは友人や家族と楽しく話ができる空間を形成していることが大事です。話がし辛い、落ち着かない、見られているような空間に人は集まりません。サービスが行き届いているけれど、人目を気にしないでゆったりと楽しめることがまちに必要です。観光地でも同じことが言えます。サービスと快適性は必要ですが、見られているような感覚は不必要です。まちに行くと自分が何者か知られることはありませんから、それが快適な空間となります。

大勢の人の賑わいがあり、一つ上の階に行くのも並ばなくてはなりませんでした。和歌山市内と比較すると寂しさがあります。玄関口であるJR和歌山駅前でも賑わいは少ないのです。

先日、県外から来てくれた人から、「和歌山市は人通りが少ないですね」と感想を聞くことがありました。大阪市内からJR和歌山駅で降りて、駅前と美園商店街、そして中心市街地を巡ってくれたのですが、人が歩いていないことが第一印象になっています。ビジネスの視点でそう捉えているのです。これは和歌山市の大きな課題であり、解決するために対策を講じていることなのですが、和歌山市に地縁がない客観的な視点の評価では活性化は図れていないということになります。

この大阪駅北側の再開発と同じようには行きませんが、常々何か動きを求めたいと考えています。JR和歌山駅前の近鉄百貨店が奮闘してくれていますが、ここにJA会館が建設されると滞在する空間ができます。そこに旧近鉄会館の改修や美園商店街の再開発まで及ぶことがあれば、まちの元気と活気が出て来ると思います。まちづくりとしてはそこまで持って行きたいのです。動きがあること、そして小手先の活性化策ではなくて、将来につながる本格的なまちづくりを実行したいと感じました。

それにしても人通りが多い、人が交差する空間、人とまちが織りなすエネルギーの交流、そしてワクワク感とドキドキ感があるまちができています。ここに宿泊施設と人が定住するマンションが完成する計画ですから本格派であり本格的なまちづくりです。中心市街地を再生させて活性化を図るために必要なことは、交流人口と定住人口を増やすことになります。それを大規模な試みで実行しているのですから、その結果が人通りと働いている皆さんの笑顔に表れています。サービスレベルを求められる空間なので、ここで働く人のアルバイトの単価が高くなっているとも聞いています。単価を高くしてでもサービスレベルを求めるまちですから人を引き付けるのです。

スケール間では和歌山市は及ぶことは出来ませんが、同じような再開発と人の交流と定住を図る取り組みは実現したいものです。まちづくりの観点から学ぶことができました。