東京在住で外国企業を含めた取引をしている経営者と話をしました。現在の経済状況を「作り出している虚構経済」という表現で話してくれました。株価も都内の物件も上昇していますが、見通しが不透明のため投資案件には慎重姿勢をとっています。短期的な案件は積極姿勢ですが、長期的案件に対しては消極姿勢をとっています。先が分からないためリスクを回避しようとしています。参議院選挙までは経済は上昇局面のまま推移しそうですが、秋以降は分からないというのが本音です。
また円安が続いています。90円近くまで円安になっていて米国との話し合いで95円を越える水準まで進めるという見通しもあります。ただそこで止まるかどうか実態経済は分かりません。105円を超えるとコントロールできないので更に円安に向かうという見解もあり、どこまで円安が進むのかも分かりません。つまり先行きが分からないので、投資には慎重になっているのです。
「確実なものには投資したいけれど、そうでなければ案件を選ぶ」と話してくれました。しかし確実な投資先はそれほどありませんから資金が動くかどうかです。
平成25年度の和歌山県の特性として高速道路の延伸や幹線道路などの整備予算がつき、公共投資が増えていることから経済は上昇局面にあります。しかし民間の投資の動きはないようです。給与上昇まで至っていない様子があり、物価が上昇し給与が抑えられると生活は厳しくなります。経済対策をして給与上昇の効果がでるまで2年程度は必要ですから、そこまで地方都市が持ち堪えられるかどうかも分かりません。円安に向かわせる経済対策は事例が少ないため、どんな結果を見ることになるのか分からないのです。
つまり見通しが立たないので投資先の見極めが難しいという意見です。
複数の案件があり大阪市内に出掛けました。物価上昇により会社では経費が増加傾向にあります。利益を確保するため経費削減のために業務を見直しています。難しいのは見直しによって直接的に経費を削減できたとしても、会社が関係している取引先に無理強いをして経費削減をした場合、取引関係が希薄になり、その取引先の売り上げが減少することもあります。つまり経費削減をした結果、売り上げが低下して利益が減少する結果に至ることがあります。経費削減をした結果が会社にとっての好むべき結果につながらない可能性もあるのです。会社は取引先やお客さんとの良好な関係で成り立っています。一方が得をして一方が損をする関係ではなくて、一方が損をすれば、巡り巡ってやはりもう一方も損をすることがあります。
少しの経費削減が大きな売り上げ減少につながるのであれば、行き過ぎた経費の見直しは疑問です。
関西圏内でメガソーラーの設置に関しての相談がありました。関西は日照時間が長いことからメガソーラー計画が多数あります。現在、平成24年度の太陽光発電の買い取り単価42円で認可を得ている場所において、具体的に計画が動き始めようとしているものがあります。ただ工事単価が上昇していること、パネル価格も上昇していることなどから、投資額の回収年が長くなる計画が出てきています。工事単価やパネルメーカーを変えるなどの措置をしている状況があります。
午後8時からは懇親会に参加しました。組織のリーダーの役割についても意見交換を行いました。一般論ですが明るいこと、部下の面倒を見ていること、大局的な視点があること、上だけを見ている人ではないことなどがリーダーの条件です。多くの人は実務能力がリーダーの条件とは考えていません。明るく元気で前向きで周囲を明るくできるタイプがリーダーの素養がありそうです。