平成25年度を迎えました。一年の始まりは元日ですが、年度の始まりは一般的に4月からです。官公庁や4月が新年度となる企業は、新しい年度を向かえ気持ちも新たにスタートを切りました。
ただ経済事情は先行き不透明なため一気に盛り上がる雰囲気ではありませんが、それでも期待感を抱けるのがスタートする時期です。最近の経済動向の話を行いました。
ひとつ。株価が上昇していますが、もう利食いが始まっています。外国の投資家は株価が低い時期に買い付けしていることから株価が上がる局面ですが、もう売却に入っています。これからどこまで上昇するのかは見通せません。ただ日本の一般的な投資家は、株価が高い時期に買って持続している傾向があり、今の株価でも利益がでるまで戻っていないと思います。そのため直ちに売却し始めることはないと予測しています。安定株主は株を持続し外国人は売りに入るという局面でしょうか。今から買いに入るのは少し見合わせる方が良いという話しになりました。
但し、株は高くなっても低くなっても利益を得ることができる性質がありますから、今買って損をするという結論ではありません。
ふたつ。日本銀行と外国人投資家が持つ日本国債の量が過去最高の水準になっていること。日本銀行の国債の保有残高が100兆円を突破しているのは、日本銀行が国の借金を支える図式になっていることを示しています。そして外国人の資金も国債に入っていることは危険な兆候です。国の財政不安が懸念されると、外国人保有の国債が一気に市場で売りに出される危険があるからです。
データで見ると平成24年7月から9月までの資金循環統計では、日本銀行の平成24年9月末の国債の保有残高は104兆9,250億円となっています。対前年比で22パーセントの伸びとなっています。そして国債発行残高は約948兆円ですから、残高に占める割合は11.1パーセントとなり過去最高となっています。
日本銀行の保有割合が伸びたのは金融緩和により銀行から国債を買い入れて市場にお金出しているためです。金融緩和をしている過程ですが、金融緩和効果が数字で確認することができます。
みっつ。市中金融機関は短期物の国債は購入しますが、長期国債には消極的なことがあります。1年から3年以内の国債なら買う意思はありますが、長期物の国債は対象外と見ているようです。それは先行きが分からないことからリスクを軽減するためです。長期国債を保持するほど経済戦略が安定していると判断していないのです。
金融面から見ると本格的な景気回復に向かうほど骨格がしっかりしていません。骨格となる部分に力強さか欲しいところです。
そして4月は値上げの春となります。化石燃料は値上げなっていますが、4月からは小麦粉も値上げとなります。原材料が値上げされることによって物価上昇局面に入っていくと思われます。賃金上昇が伴えば良いのですが、そうでなければ消費面で影響が現れます。
そこで平成26年度からの消費税増税を考える必要があります。これからの消費動向時代ですが消費が低迷するようであれば、消費税増税の時期を遅らせるという政治判断も考えるべきだと思います。消費が活発にならないのに増税をすると経済を失速させ、再びデフレが蘇えります。
まずは経済成長、消費を伸ばし雇用を増やすことの達成が必要です。
自分の言葉を尊ぶことの大切さを教えてもらいました。自分の言葉を尊ぶという意味は、理由に左右されないことです。例えば、自分がやりたいことを後押しするような理由があればそれを理由として合理的な判断を行い、やることを選択します。
しかし止めるべき理由が多い場合も同じように、やめる方が安全だという合理的理由でやりたいことを中止します。一般的に、私達は合理的理由によって左右されているのです。
自分の言葉を尊ぶと、非合理的な判断をすべき場合があります。やりたいのに理由があってやれないと思うのは合理的理由による判断の結果です。しかしやりたいれどもやれない理由が立ち塞がっているとします。合理的に判断するとやめるという選択をすることになりますが、それでもやるという判断をするのは非合理的理由によるものです。条件が整っていなくてもやるというのが非合理的理由に基づくものであり、自分の言葉を尊ぶ。自分の思いを尊ぶということです。
理由に左右されないで自分の言葉に現実をそぐわせることが、自分が進むべき道なのです。そんな言葉にはパワーがあり言ったことを現実化する源泉になります。言葉に信頼があり充実していて、力が宿っていると言葉が現実になるのです。
新年度にあたり、理由に左右されないで自分の言葉を尊ぶことを学びました。