今年で第9回目となる雑賀孫市を称える孫市まつりが開催されました。朝から雷が鳴り響き開催できるかどうかと思っていたのですが、開始時間になると雷が止み、戦国時代行列と演舞などが行われました。会場は大勢の人で賑わい、この祭りの魅力と発信力を感じることができました。
お客さんは和歌山市内からだけではなくて大阪や京都からも来てくれています。応援も京都撮影所や伊賀からも武将役で来てくれていたようです。和歌山市だけではなくて他府県からも応援に来てくれる祭りですから和歌山市として誇りたいものです。
今回の演舞はリー村山さんや巴里絵さんが登場してくれました。リー村山さんは、映画ラストサムライに出演した俳優さんで、ハリウッド俳優が孫市まつりに来てくれるのですから、この祭りの凄さが分かります。
真剣での居合いは迫力満点で、目前で見せてもらって真剣勝負とハリウッド出演の技に感動しました。これが見られるだけでも大きな価値はあります。この祭りでは雑賀孫市は和歌山の宝というスローガンを掲げていますが、雑賀孫市の祭りだからこそ、県外から俳優が応援に来てくれているのです。
戦国時代劇では巴里絵さんが織田信長の役を、リー村山さんが雑賀孫市の役を演じてくれました。織田軍10万人に対して雑賀郡は5千で、一度は戦うことを諦めた孫市ですが、家臣が紀州の民を守るために命懸けで戦う姿勢を見せたことから、武将の魂に火がつきます。雑賀孫市と織田信長が戦いを交えるのですが、途中で織田信長が戦いを止めて引き返します。そんな舞台がありました。
織田信長は武将としての雑賀孫市の力量を認め、天下統一を遅らせても孫市に紀州の地を預けても良いと感じたことを表現していたと思います。天下の武将に器量を認めさせるほどの武将が雑賀孫市だったのです。
これは見応えがありました。時代を超えて戦国武将の生き様が伝わってきたからです。孫市個人としては織田信長に降伏しても良いと思うのですが、紀州の民の幸せを担っている雑賀集が織田軍に立ち向かう強い気持ちを見て気付くのです。
抵抗することなく降伏すれば、紀州の民は不幸になることを知り、身体を張って戦うことを決意するのです。例え敗れたとしても、簡単に制圧できる土地ではなくて紀州は怖いところであると示せたら民を守れます。尤も、孫市は負ける勝負をするつもりはありませんから、人数の少ない分を気力で跳ね返します。
紀州の強さが織田軍の侵攻を食い止めることになります。その後は歴史で明らかですが、紀州は独立国としてのリーダーが存在し簡単には屈しない意地もあったのです。権力に屈しない紀州人の心意気を伝えているのが雑賀孫市であり、その精神を継続させるために孫市まつりがあるのです。
参加してみて、本当に心からこの祭りに満足しています。お客さんの多さ、他府県からの誘客、そしてテーマ性もあり、もっと雑賀孫市を売り出したいと感じました。平成26年は第10回目の記念の年になります。和歌山市を盛大に盛り上げられるように支援の輪を広げたいものです。
ティータイムでフラメンコを楽しむ企画がありました。気軽にフラメンコを楽しむことを目的に、森久美子先生のフラメンコスタジオ内で、舞踊団の皆さんの踊りを鑑賞しながら、ティーと軽食を楽しみました。そしてフラメンコの歴史の話もあり、話と踊りを楽しむことができました。
スペインに行ったことがありませんが、その情熱とは裏腹に他民族が入り込んだ歴史もあり、悲しい思いも背負ってフラメコンが存在しているように感じます。悲しみを乗り越えるために、フラメンコを舞うことで明るく元気になっているのかも知れません。
スタジオ内がいっぱいになる程、お客さんが来てくれました。初めてフラメコンを見る方も多く、これを契機に、和歌山市内で本格的なフラメンコを楽しんで欲しいものです。