学力向上について調査をしました。成績を上げるために大切なことは何か、人によって答えは違いますが、進学に関する教育者の話を伺いました。
勉強は基本を繰り返して行うことがベースになります。基本を繰り返して、繰り返して身に付けることが大事なことで、そのためには自分がやると決めた一冊の問題集を何度も繰り返して、どの問題も解けるようになるまで勉強することです。どんな問題集でも良いので一冊を完璧にできるようになると試験は合格ラインまで到達します。基本ができていると約80パーセントは正解できるからです。
陥りやすいのは、基本問題だけでは不安になり、あっちの問題集、こちらの問題集など、目移りすることです。その結果、どの問題集もやり遂げることはできずに終わり成績が伸びなくなることです。受験までの期間は一般的には3年間です。期間との勝負もありますから目移りしている間に遅れを取ります。
一冊も仕上げたいことがない受験生は、まず志望校に届きません。一冊を仕上げることを具体的に言うと10回程度繰り返して勉強することです。超進学校の生徒の話では、問題集を10回程度繰り返して勉強することは当たり前で、誰でもやっていることなのです。
できる生徒は、主要五教科と選択科目を加えた教科の数の問題集を繰り返して勉強しているのです。それを続けているので成績の維持と向上が図れているのです。勉強に近道も抜け道もありません。毎日基本を繰り返すことが成績を上げるための秘訣です。
そして自分で勉強する以外にないのです。良く聞くのが「教え方が悪い」、「塾のレベルが低い」という意見です。社会人なら多くの人が常識としている考えですが、上手くいかないことを他人の責任にしていては、これまでと同じようにこれからも絶対に上手くいきません。
勉強も同じです。基本を繰り返すことが勉強の基本であり、教え方は問題ではないのです。教えてもらったことを自宅に帰って復習をすること。しかも毎日復習をすることが勉強です。習うことが増えるに従って復習時間は増えていきます。当日に習ったことは当日復習することは当たり前で、翌日の勉強は前日の復習と当日の復習を加えたものになります。勉強が進むに従って復習時間が長くなるのです。ここが最大のポイントです。
復習する範囲が多くなるので、どうしても以前に習ったことを省いてしまうのです。そうすると以前に学習したことは忘れていきますから、基本ができないまま三年生を迎えることになるのです。ここでジタバタしても始まりません。受験に必要な時間が限られてしまっているからです。
この罠に陥らないために毎日基本を繰り返して勉強をすること。それは前日以前に習ったことを付け加えて勉強することを言います。基本をしっかりと作るのは厳しいことなのです。一般的にハイレベルの学校に向けての一日の勉強時間は約10時間だと聞きました。勿論、三年間続けることは困難なので、最後の一年間はせめて一日10時間の勉強時間を確保したいというものです。量質転化というように、分からなくても量を続けていると質が高まるということです。
プロの野球選手が毎日バットを素振りするように、プロのカメラマンがカメラに毎日触れているように、毎日同じことを継続することが目標に近づく最大の練習方法なのです。
そして勉強における最大のポイントは、できる問題を毎日やり続けることにあります。
例えば英文を毎日欠かさず10分音読する。毎日単語を10個覚える。数学なら必ず毎日一問、解法を暗記するなど、毎日できることの勉強をすることです。
毎日続けることは簡単ではありませんが、志望校を目指している生徒は誰でもやっていることです。やれることが出来たら勝ち。やれることが出来なければ負けです。このことから、勉強はライバルとの戦いではなくて自分との戦いである意味が分かると思います。
この春から高校三年生になる生徒は、最終学年となるこの一年が勝負です。基本を繰り返す勉強。一日10時間の勉強時間の確保。これを続けられるかどうかで一年後に答えが導かれます。