活動報告・レポート
2013年3月21日(木)
会派の視察

本日から3月23日の土曜日までイスラム圏との商取引の可能性調査のため、マレーシアを訪問します。帰国は3月24日、日曜日の午前7時30分の予定です。イスラム国にはハラルというイスラム教の戒律に従って処理された食品を意味する言葉で、ハラル認定を受けていることがイスラム国と取引をするために必要な条件です。ハラルの認定を受けていない食品や加工品はイスラム国に輸出できないのです。

ご存知のとおりイスラム教は、豚やアルコールを食用にすることを禁じています。イスラム教徒のために豚肉やゼラチン、アルコール成分、調味料やみりんなどを含まない「イスラム教が定めた適正な方法で処理された食品」であることを証明された食品だけイスラム国内で流通できるのです。

そして商品だけではなくて生産段階や輸送段階などの全ての工程にわたりハラル性が求められます。工場全体、工程全体に豚肉やアルコール分などを除外したハラル性が求められているので、イスラム国と食品の商取引をすることは容易ではありません。

和歌山県としても大きな市場であるイスラム国と取引ができると第一次産品の輸出先が増えるのですが、その壁はどの程度のものなのか。ハラルの認定条件や輸出可能性や期待性はあるのかどうかなどの視点で調査を行います。

訪問先はJETROクアラルンプール、ハラル開発公社、ハラル工業団地ポートクランなどを計画しています。関西空港からクアラルンプールの空港までの飛行時間は約6時間要します。マレーシアは意外と日本から遠い国なのです。

ただマレーシアは、イスラム国の中でも戒律が比較的緩い国であり制約はきつくないと聞いています。戒律が厳しいのは中東諸国で同じイスラム国でも違いがあるようです。日本では馴染みのないイスラム国の実態はどんなものなのか、JETROクアラルンプールやハラル開発公社の視察と調査によって学びたいと思っています。そして和歌山県の産品の将来に向けての販路拡大につながれば更に良いことです。

本日は午前9時に関西空港に到着し、午前11時に出発します。そして午後5時にクアラルンプールに到着後、和歌山県の現地事務所の皆さんと意見交換を行う予定です。明日からJETROクアラルンプール、ハラル開発公社などの視察に入ることになります。

ところでイスラム教ではコーランの時間があります。金曜日はコーランのお祈りの時間が長いことから、午後12時から2時30分の間は訪問や連絡は取れなくなります。生産活動が停止状態になるそうです。これはイスラム国の特徴であり、午後の時間の仕事量は低下するようです。

よく似た制度にヨーロッパの南に位置する国でのシェスタがあります。これは昼寝の時間なのですが、この時間帯の生産活動は停止されますし、今はどうか分かりませんが、かつて私が行った時はお店も閉まっていました。観光地や中心地のお店であっても閉まっているのです。

午後の核となる時間帯にコーランやシェスタの時間があり、経済活動がストップすることは日本では考えられないことです。世界は不思議で溢れています。日本の常識が世界の常識ではないことが分かります。

イスラム国に行くのは本当に久し振りです。イスラム教は人類で最大の教徒がありますから、和歌山県にとっては市場を開拓する余地があり無限の可能性を秘めています。和歌山県も折衝を行っている節がありますが、その期待性を確かめたいと考えています。