活動報告・レポート
2013年2月22日(金)
中小企業進振興に係る条例検討会
経済警察委員会

県議会定例会の経済警察委員会が開かれました。今回は平成24年度補正予算の審議を行いました。平成25年度当初予算については3月12日の経済警察委員会で審議することになります。今日の私の質疑の主旨は次の通りです。

Q.企業立地促進対策助成事業として3億2,028万円の減額があります。これは平成24年度に対象となる企業立地が確定したことによるものですが、減額の理由はどのようなものですか。計画していた企業の進出が破談になったのか、予定していた規模、雇用がなかったのか。その理由を聞かせてください。

A.進出が予定されていた企業の進出時期が延期になっていることや、建設工事が年度内に間に合わなかったことが原因です。

Q.平成24年度の進出企業は何社で何人の雇用が生まれましたか。

A.奨励金対象ベースで13社、約90名となっています。

Q.企業立地促進資金融資事業に関して7億4,503万円の減額補正になっています。貸付額が当初見込みを下回っていますが、原因は県内企業の投資意欲が乏しいのか、金融機関の審査が厳しかったのか、その減額理由を教えて下さい。

A.企業立地促進法に基づく貸付ですが、利息が市中金利よりも高い水準にあったため貸付がゼロに終わったものです。

以上です。企業立地と融資は当初予算を下回る結果となりました。新年度の企業活動の活発化に期待するところです。

審議終了後、経済警察委員会に付託された議案を採決しました。全ての議案とも賛成全院で可決されました。

スポーツ振興議員連盟

引き続いて和歌山県議会スポーツ振興議員連盟が開催されました。第67回国体の結果、和歌山県としての今後の強化対策などについて議論が交わされました。岐阜県で開催された同国体の和歌山県の成績は、男女総合で21位と前回よりも躍進しています。前回が43位だったことを考えると大きく順位を上げました。勝因としては、今回の国体での目標を34位に設定していたこと。競技予算を充実させて強化してきたこと。フェンシングやセーリング、カヌーなどの得意競技の確実な入賞を目指したことが挙げられます。

また敗因としては、他府県で活動しているふるさと選手を含むチーム練習が不足したこと。現段階では選手層が薄いこと。本来の実力を発揮できなかったメンタル面の弱さがあったことなどが挙げられます。今後は、これらの弱点を克服するための方策を採ることにしています。

強化策としては次の項目を挙げています。

成年種目の優秀選手の確保。中学生優秀選手の確保。優秀指導者の招聘。平成27年の開催年に高校3年生になるターゲットエイジ活動費の拡充。高校強化指定校における指導者の適正配置。教員などの成年優秀選手に対する練習環境の整備。成年トップクラススポーツクラブへの支援の拡充。スポーツ医、科学サポートの内容と体制の充実に取り組むことにしています。

中小企業進振興に係る条例検討会
中小企業進振興に係る条例検討会

第3回目となる中小企業進振興に係る条例検討会が開催されました。今回は和歌山県の経済5団体のから代表者に出席していただき意見を伺うと共に意見交換を行いました。5人の経営トップの皆さんが一堂に集まり意見を聞ける、そして意見交換を図れる機会はそれほど多くありません。県下の経済情勢や要望も聞くことができるなど、とても貴重な時間となり充実した検討会になりました。

出席してくれたのは、和歌山県商工会議所連合会の片山博臣会長、和歌山県商工会連合会の中村修史副会長、和歌山県中小企業団体中央会の山下雅生会長、和歌山県経営者協会の細江美則会長、和歌山県経済同友会の樫畑直尚代表幹事の皆さんです。

検討会での主な意見を記します。

和歌山県の中小企業比率は99.9パーセントであり、中でも小企業は90.8パーセントの比率です。これは全国で一番小企業の比率が高い県に位置していることになります。しかし雇用面では全国の4分の1を中小企業が支えていることから支援が必要なことは間違いありません。

和歌山県の中小企業が苦しんでいる原因は次のようなものがあります。

  1. デフレ経済によって内需が沈んでいること。
  2. サプライチェーンが途絶えてしまっていること。東日本大震災以降、サプライチェーンが海外に移転しているので和歌山県まで受注が来なくなってしまっていること。
  3. 異常な円高で輸出関連企業は利益が出なくなっていること。
  4. 廃業率が高いこと。経営者の高齢化と後継者がないこと。
  5. 商店街に活気がないので商圏が小さくなっていること。

これらを解決するために経営相談と事業モデルを作り支援する体制を整えることが必要になります。サプライチェーンが戻ることはないと思われるので、大企業の下請けから独立できる基盤を作っていく必要があります。

平成25年度の課題としては、金融円滑化法が切れるので、事業計画を立てるお手伝いが大事になります。返済ができないで倒れる企業が多数発生する危険性もあります。

和歌山県の課題として農商工連携もあります。和歌山県産のしょうがを使用したジンジャエールやいちじくのロールケーキなどが代表的な取り組みで、これらに続く連携は地域を活性化させてくれます。但し大きな利益をあげるほどの事業にはなっていないのが課題です。

小規模な企業が新たな事業展開を始めるに際して支援するしくみが必要となります。調査、研究、資金調達など、技術があっても事業に発展させられない場合があり、よいシーズがあれば支援が必要です。

従来の資金調達の支援よりも一歩踏み込んだ支援が必要です。補助金など事業終了後に入金するしくみですが、それでは小規模事業者は活用できません。事前に資金を得られるしくみの検討が必要です。

和歌山県の企業は最終商品を取り扱えていません。つまり主体的に製品作りができていないで中間商品を扱っているのです。利益が得られる部分を担えていないのです。

現在のサプライチェーンのしくみの中では、国際競争力を持たない中小企業は淘汰されていきます。そのしくみに入っていける企業に対応していく必要があり、付加価値をどうつけていくかの支援が必要です。ポストチャイナやチャイナ・プラスワンなど言われているように東南アジアとの連携も必要です。

中小企業サポーターなどの配置も有効です。製造から資金調達、流通に至るまで全ての工程を知っている人材は少ないので、県として知識と人脈を有しているサポーターを配置して活用できるしくみが欲しいところです。

円安によって石油などのエネルギーと原材料が高騰しています。円高と円安を比較すると経済に与える影響はイーブンではないかと思っています。この状況では中小企業は設備投資をすることはできません。

正規雇用をしたくても人件費を増やす経営環境ではありません。現実的に給与アップは厳しいと思います。

エネルギーコストが高くなりますが、春から電気料金が値上げされると競争力がなくなります。必要な電力を安定的に確保することと料金の維持は絶対に必要です。また電源の多様化を図るためにも再生可能エネルギーにも取り組む必要があります。

関西空港が近いという利点を生かせていません。和歌山県にも向かせる必要があります。

大学が少ないので人材が県外流失を続けています。大学の誘致も一つの手段です。

和歌山県が何の支援をしてくれているのか県内企業の従業員は知りません。先に一ヶ月ほど県職員を受け入れたことがありますが、それによって県庁が身近になりました。従業員にとって県は敷居が高い存在でしたが、今では支援してくれる存在であることを認識してくれています。交流機会を増やすことも支援のひとつの方策です。

税金の軽減を図ることでの企業支援が効果的です。研究開発や六次産業化を図る場合。優れた経営政略を立案した時にそれを具体化する場合。株式上場を目指すケースなどに対して税金の免除や減免措置のしくみを設けることは有効な手段であると提言します。

中心市街地は食住近接の場所であり事業にとって大切な場所なのですが、和歌山市の場合は全く機能していません。中心市街地に事業所進出をする場合に固定資産税や不動産取得税の減免措置をすることで進出が図れます。中心市街地はビジネスの中心であるべきで、ビジネスの活動の舞台にしなければならないのです。

新規調達のために金融機関に相談に行く場合、最低限、営業段階で黒字になる事業計画が必要です。最終段階で赤字になるとしても、せめて営業段階で黒字化を見込める事業でなければ融資は受けられません。経営者には営業黒字化を図る努力をして欲しいところです。

金融機関の役割は雇用を創出すること、雇用を守ることにあります。それを前提に貸し出しを検討するので、それに対応する事業計画が求められることを知っておきたいところです。

以上のような議論がありました。以下、私からの意見を述べます。

和歌山県で条例化を図るに際しては、中小企業が経営に努力することや地域発展のために尽力することなどを求める他府県の条例がありますが、そうではなくて行政機関として中小企業をどのように支援すべきか条文化したいと思います。厳しい経営環境に曝されている中小企業が企業活動できるような支援体制を整えることを記したいと思います。それには人材育成、サプライチェーンの確保。資金調達の分野で支援が必要です。現在でも和歌山県の中小企業支援施策の中に、これらの制度設計は出来ています。ただ感じることは、制度があるけれど何か足りないということです。本気の経営者に対して、県として対応する何かを条例に込める必要があると思います。

経営支援や人材育成や派遣、大企業や見本市などの出展など中小企業とつなげる役割もあります。資金調達に関しても融資制度があります。形は整っているのですが強力な支援にするためにプラスワンが必要だと感じています。貸し出し金利を市中銀行よりも安くすることも支援方策のひとつです。そんな味付けをした条例にできるように検討を続けたいと考えています。