活動報告・レポート
2013年2月7日(木)
高速道路SA
高速道路SA
高速道路SA

大学卒業後、一級建築士の資格を取得をするために2年生の専門学校で学んでいる学生が、卒業論文で高速道路のサービスエリアの研究を行いました。昨年、卒業論文の制作過程において和歌山県まで調査に来てくれたのですが、その論文が完成し学校で発表した結果、合格と認定されたことから卒業が決定しました。論文制作に関して協力してくれた機関や皆さんに卒論の発表をしてくれています。今回は先生と一緒に学生が和歌山県まで来てくれました。

論文発表の会場は和歌山県自治会館会議室。ここで県職員の皆さんと共に生徒の発表を聞かせてもらいました。堂々として態度で発表をしてくれ、その後意見交換を行いました。

論文の中に高速道路の機能は物流と観光、そして防災の3機能があるのに加え、時間軸という考え方もあるよという昨年のアドバイスを反映してくれていました。昨年にはもうひとつ、高速道路は有料が良いのか、無料が良いのかという論点を提示したのですが、その論分も卒論に加えてくれていました。

そこのことも含めてサービスエリアのあり方を説明してくれたのです。当然のことですが高速道路のサービスエリアは一般道路から隔離された中にあります。例外はあるものの、基本的に高速道路利用者だけが立ち寄れる場所になっているのです。そこでサービスエリアとその場所の物産店を組み合わせた新サービスエリアに発展させることで交流が生まれるという提案をしてくれました。高速道路のサービスエリアは道路の利用者だけではなくて一般道からも入れるようにすることで、賑わいと地元産品を販売できる機会を創出しようとするものです。

今までにない新しい試みです。現在、高速道路は一般道路と隔離しなければならないのですが、徐々に考え方が変わってきています。安全性が保たれるのであれば交流できる柔軟な考え方も出てきています。

東日本では、サービスエリア自体をブランド化させて、そのサービスエリアに行くことを目的にさせている場所もあるのです。人気のサービスエリアをバスで回るツアーもあるのです。

近い将来、この学生が提案する地域交流型のサービスエリアが登場するかも知れません。

高速道路SA

そして建築家らしい提案も含まれていました。サービスエリアのスペースを平坦な場所、緩やかな場所、勾配のある場所の3つに分けて利用者の目的に合わせて交流できるスペースにしようという提案です。これは初めて触れる発想です。

人が交流できるのは平坦な場所だけだという思いがありますが、勾配のある場所も使えるというものです。その場所は寝転がったり休憩する場所として使えるように開放するという考えです。外国の公園の芝生の上に寝転がったり、長時間本を読んでいる人を見掛けることがあります。そんな比較的長時間休憩できるスペースをサービスエリア内に設置することで交流を創出しようとする考えです。滞在時間が長くなると店内での買い物も増えることも予想できます。観光の成果はどれだけの人が訪れてくれたのかではなくて、経済効果を求めるべきという考え方もあります。サービスエリアにも経済効果を高めるための工夫が必要だということです。

そして勾配を交流スペースにするという発想は、建築家らしい斬新なものに思えました。

私からは、高速道路が伸びると、その途中の市や町は通過点になってしまうので、人の交流が減少することになっていることを前提に、高速道路沿いに交流機会のあるサービスエリアがあれば産品の売り上げという経済効果と人との交流が生まれること。そして良い産品やサービスを提供できたら、その市や町の印象が高まり、次回はこの市や町で車を降りてみようと考える人が出てくることも考えられるので、それまでのような通過点問題を解消できる手段になれる可能性があることを意見しました。

もうひとつ、勾配地を利用して人に休息とくつろぎの空間を提供できる着想は素晴らしいことを意見しました。

若い学生の論文の発表機会です。自信を持ってもらうことと初めての経験を大切にしたいことを考えて意見交換を行いました。今年3月に卒業して4月から東京の建築事務所に就職が決っています。社会人になればプレゼンテーションの機会が増えてきます。今日のプレゼンの経験を自信にして、大きく飛躍する契機になれば嬉しいことです。

若い人が経験を積める機会に立ち会えたことは、とても嬉しいことです。人が伸びようとする瞬間は関係する全ての人を笑顔にしてくれます。私達にもこのような時代があったと思います。どれだけ多くの人が伸びようとする私を見守って支援してくれたことでしょうか。改めて感謝したくなりました。

学生の論文発表の機会に立ち会える機会を得たのは、彼の卒論制作のお手伝いをしたことが直接の原因です。何かの行動や支援をしたことが結果として出現したのです。嬉しい果実を受け取るためにはその種を蒔く必要があるのです。

そんなことを感じながら先生と生徒、そして県の職員さんから幸せな時間をいただきました。

再生可能エネルギー

大手事業者の役員が打ち合わせのため訪ねてくれました。再生可能エネルギーの取り組みに関しての協議を行うためです。平成25年度に計画している事業を中心に話し合いました。平成25年度の買い取り単価を、税抜き36円から37円程度と見込み事業計画を策定しているところです。

価格が下がることから土地賃借料金などは下がりますし収益性も低下します。加えて円安の影響から、ソーラーパネルの価格が上昇し始めています。本体価格は下がっているか現状維持ですが、円安になっている分だけ高くなっているのです。そのためトータルコストが高くなるので採算面は厳しくなる予想です。ここでは円安の影響が出始めています。

計画の見直し、または賃貸借単価を下げるなど方策で事業化を検討しているようです。

その他
  • 災害要支援者向け対策として、市内の某自治会と折りたたみ式リヤカーを備えることについて協議しました。導入に向けて検討を行っています。
  • 専門学校の先生と生徒と昼食をいただきながら経済論議を行いました。とても楽しい時間となりました。