午前は懇談の機会がありました。会で実現させたいことと空気について意見交換を行い話ました。
会社に勤めて仕事をするということは、社業を通じて社会に貢献すること、そして仕事を通じて自分も周囲も成長していくことにあるという意見を聞かせてもらいました。同じ会社であっても担当する仕事は異なります。それぞれの立場で社会の発展に寄与することが社会人に求められる役割です。困難に時ほど人は成長するものだということを話し合いました。
そして突然、日本社会を包み込み支配するものが空気です。空気とは世論や風などのようなものですが具体的にこの空気を表す言葉は見当たりません。場の支配とも人々の考え方を支配するものとも表現できそうなものです。わが国は法の支配の国家ですから、法に基づいた行動であれば非難されることはありません。憲法は特別な存在ですが、それに準じて法律が社会規範の最高位にあるべきものですが、時には法よりも空気が上位に来る場合が訪れます。第二次世界大戦の時の軍の影響や昭和40年代後半に起きた公害問題、オイルショックの時の行動心理など、空気がこの国の行動や考え方を支配した瞬間があります。
このように空気とは瞬間的に訪れて、その時の世論や社会のあり方を支配した後、過ぎ去ります。空気が去り、時が経って振り返ると、何故あのような行動や考え方をしたのか不思議に思うことになります。
空気とは形がなく、法でもないのに人々を支配する影響力を持っているのです。やっかいな存在ですが時々モンスターのように現れて、社会が築いてきた大切なものを壊していきます。東日本大震災以降、わが国を何かの空気が支配しているようです。それまでの社会規範や法の上位に空気が突如として現れると、その空気に支配されて行動様式が変わる時があります。 ここに来て徐々に晴れようとしていますが、私たちに影響を及ぼす空気の存在があることを知って行動したいものです。
元和歌山ゴールドライオンズクラブの故貴志八郎さんの自宅を訪問し、お悔やみを申し上げました。奥様がいらしたので言葉を交わしました。貴志さんには和歌山ゴールドライオンズクラブ結成10周年記念式典実行委員長に就任してもらっていたのです。平成25年4月13日が記念式典の日ですが、記念事業として平成24年11月30日に福岡ソフトバンクホークスの小久保選手による講演と野球教室を実施しています。その時の収益金は紀の国和歌山国体に寄付したのですが、このライオンズクラブの仕事を生き甲斐にしていたことを聞かせてもらいました。
「ずっとライオンズが生き甲斐になっていました。10周年記念式典と記念事業があったから、ここまで生きられたのではないかと思っています。例会への出席も楽しみにしていたのですよ」と教えてもらいました。
ライオンズクラブの活動を通じて訴えたいことは、社会で活動している人は社会貢献を通じて地域社会の発展に寄与すること、そして社会貢献を通じて仲間と共に成長することを求めることです。自分だけが得をすればだとか、自分だけが成長すれば良いという考えではなくて、社会全体の発展に資することがライオンズクラブの精神です。社会全体の発展を目指すことが国、そして世界の繁栄と平和につながっていくのです。
思い返すと、記念事業における貴志さんの開会挨拶は魂のこもったものでした。ライオンズの存在と社会貢献について、そして記念事業の意味について、そして参加してくれた子ども達に伝えたいことなどが織り込まれていました。約20分に及ぶ挨拶は、貴志さんの国会議員時代の国会での演説のように感じたほどです。
あの時、私たちに自分達で考えて、実行することが社会を動かすという魂を伝えてくれたのです。そしてその挨拶の原稿を何枚も書き上げては読み返し、「私の最後の大きな仕事になるかもしれない」と奥さんに話していたことを聞かせてもらいました。
気迫と責任感を感じずにはいられません。ライオンズクラブに誇りを持てる態度に接することができました。漫然と活動をしているのではないか、やらされている感になっていないか、責任回避をしていないか、社会に貢献できる活動になっているのかなど、思うことばかりです。
こんな気持ちに接したら、ライオンズクラブを発展させていくことが残された私達の使命だと思わずにいられません。
心からお悔やみすると共にライオンズクラブを誇りに思い、参加することを楽しみにしていた貴志さんの魂を継承したいと思います。10周年記念のその日まで、前実行委員長として見守って欲しいと思います。本当にありがとうございました。