経済対策に関して某経営者から話を伺いました。金融緩和をして市場にお金を今以上に出しても「景気は良くならないだろう」という意見です。理由は簡単で「仕事がない」からです。融資を増やすといっても仕事があってのことです。仕事がないのに金融機関がお金を融資してくれる筈はありません。依然として金融機関の審査は厳しいものがありますし、根拠に基づいた経営計画がなければ融資の相談にも乗ってもらえません。
今も複数の経営者から融資に関る相談を受けていますが、見込みに基づいた事業計画があっても新規事業に対しては難しいのです。
では資金の融資を受けるための方法はあるのでしょうか。それは「大企業に復活してもらうことです。中小企業は大企業から仕事を請けています。大企業を批判しているようでは金融緩和をしても、特に地方経済は回復しません」という意見です。
その通りです。中小企業が単独で製品開発とすべての工程の製造行い、市場を確保できることは殆どありません。大企業から仕事を請け、生産することで対価を受けているのです。金融緩和も円安への誘導ですから、基本的に輸出関連の大企業向けの政策です。金融緩和によって中小企業の業績が回復することはでないのです。
中小企業は資金が欲しいのではなくて仕事が欲しいのです。仕事を増やすためには大企業がわが国をリードすることですが大企業が苦しんでいるのです。その理由のひとつとして円高があるのですが、それだけではありません。他国と競争できる技術力、製造業に対する豊富な電力の供給、TPP問題などですが、大企業が安定して国をリードできる環境を作り出すことが政策として必要です。
そして大企業を弱らせているひとつに「大企業に対する批判がある」ことも話してくれました。大企業が国際競争力を拡大することでわが国経済は発展してきました。収益を拡大できたのは外国にモノを売ったからです。国内市場は縮小傾向であり拡大の見込みが乏しい中でも、そして低成長といいながらGDPを伸ばしているのは大企業があるからです。外貨を獲得し利益を上げた結果、従業員に分配します。賃金が上がることでわが国の生活は豊かになり、豊かな生活に基づいた生活形態が確立し消費につなげているのです。
賃金が下がると消費は低迷するのは当然のことです。中小企業が苦しんでいるのに大企業はそのままでいるという批判もあり、業績低迷もありますが賃金は下がり続けています。その結果、影響を受けているのは中小企業です。仕事が少なくなり中小企業の従業員の賃金も下がることになっています。間接的にはサービス業にもお金が回っていません。
賃金が低下しているのに飲食や娯楽にお金を使うことはしないのです。飲食店の売り上げが低下しているのは賃金が下がり続けていることも原因です。
今必要な対策は「大企業の業績を回復させること。仕事があれば中小企業も回復する」ことなのです。大企業優遇の対策だとか、大企業の競争力を削ぐような批判は自分たちの国の利益を失わせています。
お金だけを見ると、世界に出回っているお金の量が多く成りすぎています。興味深いデータがあります。世界の金融資産総額を対世界GDP倍率で見ると、1990年の数値は1.77倍、2007年が3.45倍になっています。つまりお金の発行量が増え過ぎてお金が有り余っているのです。言い方を変えると、世界で生産されているモノの量よりも金融資産が3.45倍も多いのです。世界ではお金の価値が下がっている現状があります。つまり円高の原因のひとつとして、ドルやユーロと比較して円の発行量が少ないので相対的に価値が高まっているということがあります。何でも同じですが、発行量が少なければ希少価値が増し、発行量が増大すると価値が下がります。お金もモノと全く同じです。円の発行量が少ないので円の価値が高くなる、それが円高なのです。
今回は金融緩和政策で円の発行量を増やそうとしています。円の発行量が増えるとなればその価値は下がることになります。つまり円安に向かうことになります。政府が「金融緩和をやりますよ」とアナウンスをしているだけで円安に向かい続けています。円の価値が下がる前に円を売ろうと投資家が動いているのです。
円安に振れて輸出関連大企業の業績は回復に向かうと思います。次は仕事を増やすことです。円安で業績が回復しても市場を伸ばさないことには仕事は増えません。仕事が増えなければ中小企業に仕事が回らない循環は断ち切れません。政府として大企業を支援することは大切な役割です。
再生可能エネルギーについて打ち合わせを行いました。平成24年度事業の計画はほぼ決定していますが、平成25年度以降の計画について話し合いました。買い取り単価が決定していないので計画は未知数ですが、現在のエネルギー比率から、再生可能エネルギーの量を増やす方向にあることは間違いありません。エネルギーのセキュリティ分散、地球環境問題への対応などから推進姿勢はそのままだと判断し事業者は計画を策定しています。
再生可能エネルギーが今以上に普及するかどうかは買い取り単価、つまり政策次第なのです。
夕方からは県議会改新クラブの懇親会に参加しました。担当してくれている皆さんにも参加してもらって交流を深めました。