活動報告・レポート
2013年1月3日(木)
新春三日目

新年の三箇日が今日で終わりますが、一日一日の過ぎ行く早さに驚くばかりです。今日まではまちも静かですが、明日から官公庁を始め多くの会社では仕事が始まりますから、日常の風景に戻ります。そんな前日、恒例の新年会に行ってきました。

午後2時から午後9時30分までの間、新年会に参加してきました。皆さんと新年の挨拶を交わせることは嬉しいことです。

主催者の自宅での新年会では真面目な話で盛り上がりました。金融、対中国との関係、中世から近世、近代に至る歴史とこれからについて、和歌山県の潜在能力についてなど、多岐に及ぶ話は楽しく学べるものでした。

情報について。情報の原則は等価交換です。一方が与えるだけで一方が受け取るだけの情報交換は成り立ちません。お互いが有用な情報を等価値で交換するので信頼が成り立ち、以降も情報交換できる関係が築けるのです。典型的な事例がスパイ活動です。スパイは相手国の情報を探ることが役割ですが、相手国の情報を得るためには相手国の重要人物と信頼関係を築くことから入ります。信頼関係のない相手に情報を提供することはないからです。では信頼関係を築くには、まず紹介者が必要です。信頼できる筋の紹介者を通じて重要人物に接触することになります。当然、仲介する紹介者も重要人物に信頼されている人物ですから相当の人物であることは当然です。

情報のソースを漏らさない、決して裏切らないという信頼関係が成り立ってから、情報交換が始まります。スパイが情報を得る相手は需要人物であるか、相手国のスパイであることがあります。二重スパイという存在がありますが、これは自国を裏切っているのではなくて、相手国の情報を得るために必要な活動手段でもあります。もっと言うならば、相手国の重要人物に信頼されているか、相手国のスパイに信頼されているなど、一級の人物である必要があります。信頼に乏しいスパイが二重スパイをできる訳がないのです。

繰り返しますが、情報の交換は等価交換が原則です。同じ価値を持つ情報を有しているから、スパイ活動は成り立つのです。優秀なスパイは自国から信頼されていますし、相手からも信頼されるという資質を持っているのです。

もし情報の等価交換ができない場合は代替物が必要に成ります。それは金品など価値のあるものを提供することが交換条件となるのです。

現代社会の日常においてもここから来ている習慣があります。何か頼み事をする時や情報の提供を依頼する場合に手土産を持参することです。これは手土産に価値のあるものを欲するのではなくて、相手の人物を図っているのです。価値あるものを貰いに来るのだから、それを提供するのに見合うだけの人物であるかどうかを見極める分かり易い方法が手土産なのです。

ですから手土産を持って頼みごとに来る相手と、何も持参しないで頼みごとに来る相手では人物のステージが違うのです。何故なら情報の交換、つまり信頼関係を得るには等価交換が原則だからです。一方的依頼をするだとか情報を得るために会ってくれる相手に対して、自分から何も提供するものがない場合は等価交換が成り立ちません。ですから成り立たない部分を補うために手土産を持参するのです。物ではなくて人物を量る手段として手土産があるのです。

勿論のことですが、一度だけの情報交換で等価交換が成り立たない場合。つまり情報を受け取るだけという借りを作った場合、次回は返してもらうことができるのであれば問題はありませんが、相手が必要とする情報を返すだけの自信がない場合は、その時の情報交換や頼みごとの場面では貸し借りのない状態にしておくことが原則です。

人に依頼をする場合や、情報を得る場面には気をつけておきたい原則です。

通貨について。通貨の役割は沢山ありますが、最も重要な役割は触媒の役割を持っているということです。つまり物と物を交換する機能を持っていることが通貨の役割です。パチンコで景品のチョコレートを欲しい場合、交換するためにはパチンコ玉が50個必要だとします。直接パチンコ玉50個を交換するのではなくて、交換するための媒介物があります。それがあるとパチンコ店ではチョコレートに交換できるのです。通貨は同じような機能を果たしてくれます。

つまり通貨でなくても電子マネーやそれに代わる触媒があれば、現物としての通貨でなくても良くなります。世界の基軸通貨はパックスブリタニカの時代のポンドからパックスアメリカーナの時代のドルに変わり、現在は機軸通貨の役割を果たす通貨の存在はなくなりつつあります。ドルを媒介としなくても自国通貨同士で交換が図れるようになっていることが物語っています。

通貨はこの先どうなっていくのか。民間の中央銀行がこれからも存在できるのかどうか、考えておきたいテーマであることを示唆してくれました。

また経済を上昇させるためには、資金投下以外に方法がないことも示してくれました。市場を上昇させるだけの資金が投下されると経済は上昇しますし、資金投下が不足すると経済は停滞します。簡単に言うとそれだけの話だと聞かせてもらいました。わが国は第二次世界大戦後、高度成長期には資金投下があったので経済は好調を維持し、バブル経済崩壊後は資金投下が減少しているので経済は低迷しているのです。

世界で一番早くゼロ金利政策を打ち出したわが国が、これからの低成長化の経済発展モデルをリードすることが世界から求められている役割です。新しい内閣の金融政策に注目です。