全国高校サッカー大会で敗退したチームの監督が試合後、選手たちに話した言葉の特集がありました。感動的な二チームが取り上げられていましたが、本当に感動的でした。敗退したチームの監督はロッカールームで選手に感謝の言葉を言うのが慣例になっているようです。
ひとつ。「負けるのは恥ではない。負けて立ち上がれないのが恥なのだ。明日は味方だ。頑張った人にとって明日は必ず味方になってくれます。三年生にとってこれで高校最後の試合です。明日からは先生と生徒の関係ではなくなります。これからは良い友達としてずっと付き合いをしたいと思います。よろしくお願いします」。確か鳴門高校サッカー部監督の言葉です。「明日は味方だ」。素晴らしい言葉です。明日は希望、未来などの代名詞ですが、味方でもあるのです。
ところで、俳優シルベスター・スタローンは「明日は今日より素晴らしい」という言葉を残しています。1977年にアカデミー賞を受賞した映画ロッキーのパンフレットで紹介されていたものです。その時は全く無名の俳優のシルベスター・スタローンが、これも当時の世界ヘビー級チャンピオンのモハメド・アリに無名のボクサーが挑戦し15ラウンドを戦い抜いた試合を見てシナリオを描いて映画化されたのがロッキーです。無名の俳優は、明日は今日よりも素晴らしいと信じて生きていた様子が言葉から伺い知ることができます。
当時、私は高校生だったのですが、感動的な言葉としてその言葉に線を引いたことを覚えています。それ以来、自分の好きな言葉として常に持ち歩いています。
「明日は味方だ」の言葉は、それと相通知るものがあります。今日を懸命に生きている人にとって明日は常に味方なのです。明日が今日と変わらなかったとしても、そのまた明日も常に味方なのです。いつか素晴らしい明日は、素晴らしい今日になってくれます。
ふたつ。「悔しいのは頑張った証拠だ。何の努力もしていなかったら試合に負けても悔しくないからだ。全国大会で試合ができのは、日頃懸命に練習をしてきた結果だ。この経験を活かして大人になって下さい」。
全国大会で負けられる経験は、地方予選を勝ち抜いたからです。勝ち抜いたからこそ全国大会に出場でき、負ける経験も出来たのです。全国大会に出場していなければ、全国大会で敗退して悔しい涙を流していなかったのです。
それに厳しい練習を耐え抜いていなければ、負けても悔しいとは思わない筈です。何の苦労もしていなければ、悔しいと思うことはありません。日頃の苦労があったことが悔しい経験をさせてくれたのです。ですから悔しい経験をすることは、素晴らしいことなのです。
頑張ったから結果が出せなかった時に悔しく思えるのです。その経験は人生で役立つことは間違いありません。人生は努力と挫折、そこから立ち上がることの繰り返しだからです。立ち上がり続ける限り、明日は味方になってくれます。
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