2009年、春の全国バレーボール大会に和歌山県を代表して出場する高校の壮行会に参加しました。和歌山県庁前での壮行会で、男子チームは開智高校、女子チームは和歌山信愛女子短期大学付属高校の二校が登場してくれました。実に開智高校は15年連続の出場、和歌山信愛女子短期大学付属高校は24回目の出場となるように、どちらも和歌山県バレーボール界の強豪高校です。
壮行会では素晴らしい挨拶がありました。
開智高校のキャプテンは、「相手チームがどこの高校であっても関係ありません。僕たちは僕たちのバレーボールをするだけです。頂点を目指して頑張ります。僕たちが時代を動かします」との素晴らしい挨拶でした。高校二年生で時代を動かせる機会を得たことも素晴らしいことですし、宣誓できる心構えも頼もしいものです。応援していますから、頂点を目指して活躍をお祈りしています。
もうひとつが、和歌山信愛女子短期大学付属高校の校長先生の挨拶です。「春の全国大会は大きな大会です。でも大きな大会に出場するためには小さな大会で勝ち残ったこと、小さな練習を継続してきたことの積み重ねです。そして今回のような大きな大会に出場することで実力がアップします。和歌山県では二順目国体が近づいています。実力アップは一足飛びにはいきません。大きな大会に出場し続けてこそ実力が向上していくのです」といった内容でした。
これも素晴らしい挨拶でした。小さな練習の積み重ねが大きな大会への出場権を勝ち得ます。最初は大きな大会に出たとしても、全国で簡単に勝てるものではありません。大きな大会に出場し続けることで全国レベルの実力が身についていきます。勿論、高校生ですから毎年選手は入れ替わります。しかし積み重なったものが伝統なのです。大きな大会に出場して伝統を築いて、それがより大きな舞台、例えば国体に出場する基礎になります。
ですから国体出場のための式を紐解けば、小さな練習の積み重ねとなるのです。日々の練習に耐えてきた人だけが大きな舞台を踏めるのです。その体験が人生の財産になることは間違いありません。
春のバレーボール全国大会が待っています。全国の強豪との戦いを勝ち抜いても、例え敗退したとしてもその価値には関係はありません。大会終了後、再び二校と会いたいものです。その時も、大きな大会を戦った後の素晴らしい言葉が彼らの口から飛び出してくると思います。
「僕たちが時代を動かします」。こんな言葉を発することができる背景には、人よりも多くの練習を続けてきた自信があるからです。全国の誰にも負けない練習を続けてきたことから、優勝して時代を動かす自信を持っているのです。仮に優勝できなかったとしても、今年の和歌山県チームは「凄い」と思わせるだけでも時代を動かしたことになるのです。
そんな凄いことの根底にあるのは小事の積み重ねです。大事を成すには小事を積み重ねる以外に方法はないのです。