642.続1961
 もしかしたら同世代の成し遂げた結果の中で、これからも最大の衝撃であり歴史を飾る最大の出来事かも知れません。2008年11月のスーパー・チュ―スデー。言うまでもなくアメリカ大統領選挙が挙行されました。民主党のバラック・オバマ候補が長い選挙戦を勝利し大統領となりました。オバマ大統領は1961年生まれの47歳。政治家としては早い時期にトップに昇り詰めました。

 「生きている時代に黒人大統領が誕生するとは思わなかった」というコメントがありました。歴史を変えることの難しさは挑戦した人なら分かります。ひとつの地方都市のあり方を変えようとするだけでも困難で長い時間を要すものですから、アメリカの歴史を変えることは想像を遥かに超える困難の道だった筈です。それが経験の少ない1961年生まれの人間が成し遂げたのです。

 歴史を変えたアフリカ系アメリカ人の大統領。民族の壁などないひとつのアメリカを実現させようとする大統領。アメリカ国民が経済危機の脱出を託した8年振りの政権交代。
 アメリカ国民と1961年生まれのアメリカ人が成し遂げたのです。
 若き大統領誕生の日の熱気を感じ取った人は多いのではないでしょうか。熱気こそ何かを生み出す原動力ですし、恐らくこの日のシカゴの空気はこれまで体験したことのないような、北の都市に訪れた季節外れの熱気あふれた空気だった筈です。身体の体温を上げると癌細胞でも消滅させることができるという説があります。真偽の程は分かりませんが、熱気が元気の源になることを心では正しいと感じられます。

 1961年生まれが押し開けた歴史の扉は今、開いたばかりです。47歳から50歳までの4年間でどのような歴史が積み重なっているのかとても楽しみです。そして次の51歳から54歳までの4年間でどんな未知の歴史を築いてくれるのか期待は高まります。
 その時、時代は2016年を指しています。私達の世代が作る時代は、歴史上でどのような意味を持つのでしょうか。責任を持って輝く時代にしなければなりません。未来の姿は今の私達の心の中にあります。もう未来は私達の心に宿っているのです。明るい未来を想像していれば、明るい未来は現実ものになります。少なくともオバマ大統領の誕生は人類に熱気の力をもたらしてくれました。熱気は良い細胞の動きを強め作動させてくれる役割を持っています。良い細胞が動き出すと思考はどんどん良い方向に向かい、思った通りの未来は訪れます。

 アメリカにとって希望の日であるこの日は、日本にとってもターニングポイントになる日かも知れません。アメリカ発のものは世界に伝播します。悪い事例ではサブプライムローンの破綻問題がありますが、オバマ時期大統領の誕生は世界に期待をもたらすものです。日本にも変革の波が押し寄せていることを感じさせてくれる一日でした。
 そしてオバマ大統領の演説は、今の歴史を感じ学べるものです。そして何十年か先には歴史を変えた一ページの演説としていつまでも記憶にも記録にも残るものです。これから刻む歴史の最初の瞬間に生を受けていることに感謝しながら、Yes we canの響きを噛み締めたいものです。

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