経済は個人消費の動向を見ることで全体を判断することが出来ます。そして個人消費の動向を知るためには、加工された数値データではなく現場を知ることが重要です。直接、受け持っている企業の現場に入ると詳細な動きが良く分かるのです。2007年半ばからは、例えばホテルなら一泊一人5万円クラスの部屋から埋まっているとのことです。そのため少し以前からホテルのコンサルとしては、客室を減少させてでもサービスを向上させて快適さを提供するようにハード面を設置するよう指導しているようです。客室に家族用の温泉があることや、宿泊中は他のお客さんと会わない仕様になっているホテルが好まれる傾向にあると伺いました。
私達の思っているような一般的な常識で判断すると誤ることもありますので、新しい体験が必要となります。単価の高いホテルに宿泊することで、そのサービスレベルを体験出来ますし、そこで不足している点や気付いた点があれば、自分の仕事に反映させることも可能となります。
また流行のレストランで食事をすることで、現在の味の嗜好や接客態度などが分かります。つまり、自らで体験していないことは、相手に話して理解してもらうことは出来ないのです。体験した上で話をすると迫力がありますし、質問や疑問点にも答えることが可能ですが、資料を見ただけの知識や他人から聞いた話だけでは、相手を納得させるものにはならないのです。
社会における授業料が高いとしても、全ての体験は将来の自分の実になります。その意味からも、現時点での投資は少し高いと思ったとしても、体験しておくことで将来何倍にも価値を持って跳ね返ってきます。全ての体験は机上の知識に勝るのです。
私達は経験していないことを信じることは難しいのです。それは理屈で分かったとしても体験していないことから本当のことだと信じることが出来ないのです。体験していない人が信じられないことであっても、それを体験している人にとっては実行することは簡単なことなのです。何故なら不安感なく相手に話をすることが出来ますし、自分の行動の結果が分かっているからです。
不安感は行動にブレーキを掛けてしまいます。少しの不安感でも、それは心の中で増殖するものですから、不安感によって体験したいとする思いが遮断されるのです。不安感を抱えたまま実行しても思いを為し得ることは出来ません。思いを達成するためには直感で本物だと思ったことで経験していないことを信じることです。初回は難しいのに二度目は簡単に達成することがあります。それは一度経験していることから、不安感なく二度目の行動に移れるからです。
物事を簡単に実行させるためには、まずそれを体験することです。最初の体験するために必要なものは勇気です。勇気を持つために必要なものは自分の世界の常識に縛られないことです。常識に縛られないためには、自分の思っている常識の範疇でない人を相談相手にすることです。同じ常識の人同士で解決策を探っても、今までと同じ結論が導かれるだけです。今までと同じ結論を出したい場合は同じレベルの人と話しておけば良いのですが、現状を拡げたいと思うなら、自分と違う環境の中にいる人と話し合うことです。自分が困難だと思っていることや信じられないことでも、実は簡単だったりします。
|